目標販売台数を下方修正したSwitchは売れていないのか?
まず,最初に先月のアップデートから進めたい。
前回,国内市場でのゲーム機販売動向を示したが,年末年始商戦が終わった段階でSwitchの販売台数は,やはりWiiを抜いた。
●発売から100週間のハード販売推移
11月の「ポケットモンスター Let's Go! ピカチュウ/イーブイ」発売以降,ハード販売が急激に伸びた。さらに12月の「大乱闘スマッシュブラザーズスペシャル」で加速した格好になっており,人気シリーズを扱ったソフトが牽引したとられる方が多いであろう。
これは,一定の事実であるが,過去に「大乱闘スマッシュブラーズ」や「スプラトゥーン」はWii Uでも展開したものの,Wii Uの販売を改善させることはできなかった。1月にSwitch向けに発売された「スーパーマリオブラザーズU」もWii Uのローンチ時に発売され,国内でミリオンとなったが,ハードの販売に対する効果は限定的だった。
これでも納得されない方がいるかもしれない。もう一つ具体的な例を示すと,国内においてはサードのAAAが多数投入されたPS4の販売が芳しくないということもある。
PS4はPS2以来,久しぶりにサードパーティの国内AAAタイトルが揃ったハードとなり,2014年2月発売以来の5年間の国内の実売台数累計は770万台を超えたが,サードパーティのAAAタイトルがほぼ皆無のSwitchは2年足らずですでに730万台であり,勢いの差は歴然である。これではやはりハードの良し悪しで,販売が決まっているとしか思えない。
エース経済研究所としては,これらの現象を総合して考えるとハード販売がソフトで決まっているようにはまったく見えないのである。
本題に入ろう。前回,Switchのワールドワイドでの販売台数は通期計画の世界2000万台の計画に対して,かなりいい線まで戻したのではないかと指摘したが,1月31日の任天堂の第3四半期決算では,1449万台と発表され,通期計画は1700万台に下方修正となった。逆算すると第4四半期の予定は251万台となる。これは前年同期の292万台を大きく下回る設定でもあり,実際の着地は1750万台程度だと見ている。
会社側が計画を引き下げた要因としては,期待していた「Nintendo Labo」が不発だったことが大きいと見ているようだ。
エース経済研究所での想定差という点では,米国の12月の販売が想定の200万台に届かなかったことが大きい。やや期待が大きすぎたと反省しているところである。
ただ,大事なことは第3四半期までの進捗は,絶対的な水準で見たときにとても好調だということである。とくにクリスマスの第3四半期の販売台数(着荷)は942万台と,PS4の2年めの台数が640万台だったことを考えても驚異的である。そのうえで,次のグラフをご覧いただきたい。
これは,SwitchとPS4の発売からの四半期のメーカーから流通への販売台数,いわゆるセルインの累計台数をプロットしたものである。
●発売から8四半期のハード販売台数(着荷)推移
発売から8四半期を経過した時点で,SwitchはPS4に300万台近い差をつけてリードする展開となっている。
目標であった2000万台に届かないから売れてないという論は,これを見るとおかしいというのは一目瞭然だろう。Switchの販売はハイペースで好調としか見えない。
資本市場的には,事業計画が達成できるかは大事なことである。達成できるかどうかとSwitchが好調かどうかはまた別の問題であることも理解しておく必要があることを,このグラフが教えてくれると言えよう。
前回,国内市場でのゲーム機販売動向を示したが,年末年始商戦が終わった段階でSwitchの販売台数は,やはりWiiを抜いた。
●発売から100週間のハード販売推移
11月の「ポケットモンスター Let's Go! ピカチュウ/イーブイ」発売以降,ハード販売が急激に伸びた。さらに12月の「大乱闘スマッシュブラザーズスペシャル」で加速した格好になっており,人気シリーズを扱ったソフトが牽引したとられる方が多いであろう。
これは,一定の事実であるが,過去に「大乱闘スマッシュブラーズ」や「スプラトゥーン」はWii Uでも展開したものの,Wii Uの販売を改善させることはできなかった。1月にSwitch向けに発売された「スーパーマリオブラザーズU」もWii Uのローンチ時に発売され,国内でミリオンとなったが,ハードの販売に対する効果は限定的だった。
これでも納得されない方がいるかもしれない。もう一つ具体的な例を示すと,国内においてはサードのAAAが多数投入されたPS4の販売が芳しくないということもある。
PS4はPS2以来,久しぶりにサードパーティの国内AAAタイトルが揃ったハードとなり,2014年2月発売以来の5年間の国内の実売台数累計は770万台を超えたが,サードパーティのAAAタイトルがほぼ皆無のSwitchは2年足らずですでに730万台であり,勢いの差は歴然である。これではやはりハードの良し悪しで,販売が決まっているとしか思えない。
エース経済研究所としては,これらの現象を総合して考えるとハード販売がソフトで決まっているようにはまったく見えないのである。
本題に入ろう。前回,Switchのワールドワイドでの販売台数は通期計画の世界2000万台の計画に対して,かなりいい線まで戻したのではないかと指摘したが,1月31日の任天堂の第3四半期決算では,1449万台と発表され,通期計画は1700万台に下方修正となった。逆算すると第4四半期の予定は251万台となる。これは前年同期の292万台を大きく下回る設定でもあり,実際の着地は1750万台程度だと見ている。
会社側が計画を引き下げた要因としては,期待していた「Nintendo Labo」が不発だったことが大きいと見ているようだ。
エース経済研究所での想定差という点では,米国の12月の販売が想定の200万台に届かなかったことが大きい。やや期待が大きすぎたと反省しているところである。
ただ,大事なことは第3四半期までの進捗は,絶対的な水準で見たときにとても好調だということである。とくにクリスマスの第3四半期の販売台数(着荷)は942万台と,PS4の2年めの台数が640万台だったことを考えても驚異的である。そのうえで,次のグラフをご覧いただきたい。
これは,SwitchとPS4の発売からの四半期のメーカーから流通への販売台数,いわゆるセルインの累計台数をプロットしたものである。
●発売から8四半期のハード販売台数(着荷)推移
発売から8四半期を経過した時点で,SwitchはPS4に300万台近い差をつけてリードする展開となっている。
目標であった2000万台に届かないから売れてないという論は,これを見るとおかしいというのは一目瞭然だろう。Switchの販売はハイペースで好調としか見えない。
資本市場的には,事業計画が達成できるかは大事なことである。達成できるかどうかとSwitchが好調かどうかはまた別の問題であることも理解しておく必要があることを,このグラフが教えてくれると言えよう。
●1月の人気記事
- Rockstarの壊滅的な職業倫理
- [月間総括]Switchの販売台数が示す国内コンシューマゲーム市場の可能性
- UnityによるImprobableのライセンス失効によりSpatalOSのゲームは脅威に晒されている
- 1人で10年作り続けたRPGが日本で突然ヒット!「Kenshi」クリエイターインタビュー
- e-Sportsの現場:その急成長と避けがたき機能不全
- ローカライズのQA(品質保証)をマスターする7つの方法 -その先にあるものは? アナリストによる2019年の予測
- AIゲームの誕生から20年「アストロパーティー2019」レポート
- スマブラ新作は1208万本を販売。任天堂が2018年度第3四半期の決算を発表
- Microsoft「四半期で過去最高のゲーム売り上げ」を記録