「24Frameの邪道経営哲学」第7回:人材を募集する時の哲学


「24Frameのいいところ」


募集は大体いつもしています
「24Frameの邪道経営哲学」第7回:人材を募集する時の哲学

 最初に断っておくと,今回も時節ネタです。どんな? というとそれは人材募集です。
 さらに最初に言っておきますと,弊社の特徴は以下のようになります。

  • 有名なタイトルに参加できる
  • 野心的な社内タイトルにも取組中
  • リモート推奨で,地方住み・外国住みもOK
  • 小規模なので揉め事が少ない
  • 意外とつぶれにくい
  • 給料・教育は大手のようには……
  • 向いている人は恐らく「ちょっと変な人」

 これらで多少興味を持っていただけた場合は,下記にお進みくださいませ。仔細,説明してまいります。


「会社=人」である

 会社というのは本質的には,そこにいる「人」でしかありません。業種が「製造業」だったりすると場合には「工場」とかそこにある機材なども資源ですが,当社のようなIT,ソフトウェア業だと資源はマジで人だけです。なので当然「人材」というものは重要で,うちでも公式サイトには常時募集窓口があり,定期的にリクナビやEN転職なんかでも募集をかけていたりもします。

随時色々やっております
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 足掛け10年くらいでしょうか,採用活動をやっている中で時期によって売り手市場,買い手市場,なんていう言葉もよく聞かれますが,経験則から言ってしまうとここにはかなりの確率で「運」が介在します。うちの採用にも大手のベテランが来てくれたり,業界未経験だけど見どころありそうな若者が門をたたいてくれたり。これらを踏まえると,採用活動における必勝法は人生と同じく,心を開いていろいろな人に会っていく,ということになるのではないか,なんて思う今日この頃。

 とはいえやれることはやっておきたい,というところでここでは主に面接でも聞かれることになるいくつかのやり取りを可視化して,さらに心,というか情報を開陳してまいりましょう。

「完全リモートで魅力的なタイトルに参加可能」

会社規模の割には有名タイトルへの参加実績多めです
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「有名タイトルへの参加チャンス」

 まずは,当社の良いと思われるところについて。これはやはり「意外と面白い,有名なタイトルに関われる」というのが第一にくるのではないでしょうか。現在20名程度の会社ですが,公式サイトにもあるように意外と派手なタイトルが並んでおります。個人的には規模のわりに濃いラインナップだと思います。濃い経験をしたい方はぜひ,当社の門をたたいてみてください。

「自社制作タイトルでの教育と野心」

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技術検証も兼ねて,こんなのもやってます
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 これも会社規模の割に(20人の会社で2人稼働したらそれは全体の10%だよね,的な意味で)ラインが続いておりまして,既発のものだと「METAL DOGS」,その後も粛々と社内開発は続いていたりします。これは最近だと社内教育・学習の場としても機能しており,UEの習得だったり,一般的なゲームの制作フローを経験したりすることができます。もちろん内容的にも野心的なものを準備中です。これのお目見えはもう少し先になりそうですけれど。

「完全リモートからの地方在住アリ」

せっかくきれいにしたオフィスも現在は基本,誰もいません
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 これらのタイトル含め,現在は完全なリモートワークで進行しています。

 以前にも述べましたようにリモートワークについては一過言ある我々。手慣れてきたからか現在の特徴としては社内の会議が超短い(当社比),というのもあるかと思います。基本は15〜30分,1時間に達する時は複数議題か難問系の問題があるときくらいで,基本はストンストンと会議が進行します。まあこれはスタッフが優秀であることにも関係するのでしょうけれども。

 さらに最近は地方在住スタッフなんかもちらほら。業界の大きな流れとしては「やっぱリモートだと効率が悪い」なんて流れも(一部大きな会社さんなどで)始まりつつあるようですが,我々としては現在のところ完全リモートでも問題なく進行中。そのうち海外在住の人なんかも出てくるんだろうな,なんて期待に胸を膨らます毎日です。

「質実剛健,派手さはない」

社是は「基本を忘れるな」です
「24Frameの邪道経営哲学」第7回:人材を募集する時の哲学

 そんな短めの社内会議などでも頻出するワードが「粛々と進行中」です。

 業界的にはいわゆるITに属する我々ですが,フィルターバブル的な派手さは皆無。基本は作業したがりの人間が多いからか効率重視の人間が多く,いわゆる「飲みニュケーション」的な文化も皆無です。(まあこれは僕が知らないだけで,仲の良いスタッフ間では実際に会って遊ぶこともちょいちょいあるみたいですけど)。

 社名の「24Frame」も「映像の基本である秒間24コマ」,つまり「基本を忘れるな」という意味だったりしてまあ,地味ですね。
 でも僕は,仕事は「積み重ね最強」だと思っているので派手さなんていらない,と思っているのもまた事実。

 「積み重ね」は制作現場が巨大化した今でこそさらに重要性を増している気がします。例えば50人が参加している現場で上の人が1日足踏みするとその50人の1日(50人日,といいます)の成果がゼロになってしまう。それよりは全員が0.1でも進行していたほうがいいですよね。どんなときも少しでも成果を積み上げる。それだけが明日を良いものにしていくのです。

 そう思うのは僕がいわゆるゲームバブル期の様々な派手な伝説を苦々しく考えているからというのもあるでしょう。個人的には「バブル」と名の付くものにことごとくルサンチマンがあるんですよね。自分がそこに乗れなかったというしょうもない恨みが根底にありつつ,そこで派手さだけを享受して後に積み上げることができなかった会社はことごとくしんどい状況になっていく……というシーンをいくつか見てきた/聞いてきたからかもしれません。

 それもあって僕の経営方針は「常に最悪を想定する」が基本にあります。なので真剣な話になると悲観論者みたいになるのがどうかと思う部分もありますが,それで15年近く会社がつぶれていないのだから,ある程度は有効なのかなあ,なんて思う今日この頃です。

「大手のようにはいかないところ」

こういう風にはならないんですよね
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 という訳で完全リモートで個性的だったり有名だったりするタイトルに関われるが(関わるからこそ)思想や生活は地味,というのがうちの社風になるのかなと思います。

 地味だから,という訳ではありませんが待遇,主に給与の額面はやはり大手のようにいかないところもあるのが正直なところですね。これはやはり規模の問題なので,成長していかねば,しかしそれには人材が,というジレンマが一番大きな課題かもしれません。

 社会保険は完備ですし,初任給的な部分は大手さんとそんなに変わらない設定にしてあります。(余談ですが大手さんのベースアップってもちろん業績拡大もあるんですけれど,ある程度の規模だと新入社員の受け入れなどに補助金があるんですよね。それが微妙にうちには手が届かない資格になっていたりして,ここも口惜しい部分です)

 前職がある人なんかは当然それと同様に,というのを基準にしているのですが,前のお立場次第ではそうもいかないこともあります。ここも大手のようには,の部分のところですね。

 まあ,なので目下はみんなで成長して,利益を分け合おう,というのをやっていかないとな,と思っております。会社の一番大事な役割は「利益の再分配」だと僕は考えているのですが,現在はある程度売り上げの状況なんかも共有しながら「大手のようにはいかない部分もあるけど」の部分を受け止めつつ乗り越えていこう,というのが現在の実情です。

 後は新人の教育もやはり大手のようには,というところになるかなと思います。ここは逆に「リモートでどのように?」というのがうちも手探りな部分です。
 社内開発である程度教育フローはくぐれるはずですが,となりに先輩がいつでもいる,という状況ではないので人によっては孤独を感じてしまったりするかもしれません。ここも大きな課題といえます。


「24Frameの求める人材」

うちにフィットする人材タイプとは?
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 そんな我々ですが,そこにはどんな人材を求め,またどんな人材だとフィットしやすいのでしょうか?

 基本的には経験者は歓迎されますがそれはどこでも同じこと。ゲームの業界は割と狭いので,基本経験者は大手から順番に受けていって,どこかに入ることができる,というのが多くのケースだと思います。(これが我々が人材募集で苦戦する根源的理由でもあります)

 なのでさらに言うと「小規模な会社が性に合っている人」「色々な経験をしてみたい人」がうちとフィットする可能性が高い人ということになるのではないでしょうか。

 現在社内には当初未経験だったスタッフもいますが,教育も大手のようには,という部分なので,完全な新卒のスタッフの受け入れはなかなか難しいかもしれません。フィットしてしまえば社内開発で結構教育されるので,ある程度自分でどんどん動いて,ということができるようになっていく流れはありますが,ビジネスマナー,というかマナー部分,言葉遣いなどは今のところ手厚く教えたりはできないのが実情です。

 なので「ゲーム会社は未経験だけど,社会人経験はある」という人も向いているのかもしれませんね。こういう人は必然的に堅気を辞めてゲーム業界を志す,というところまでがセットになった心意気のケースが多いので,頼りになる成長を遂げてくれる可能性は多めではあります。

「最近分かったいいところ」

大儲けもしていないが,いきなり潰れることもない
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 そんな我々ですが,最近判明したいいところを最後にもう一つ。それは結構大きなプロジェクトが頓挫しても,意外と潰れることがなかった,というところです。

 ここはいろいろな会社さんとのつながり,その中で地道な積み重ねをしてきたことの一番大きな成果だと感じました。

 生活はそれなりに,でも仕事,コンテンツの中身では結構冒険してみたい。そんなあなたがもしいたら,それこそが24Frameにピッタリくる人材なのかもしれません。

 大手のようにはいかないところもありますが,興味があったら,ぜひ門をたたいてみてください。

 それでは皆さん,次回も乞うご期待!