つぶやく【ACADEMY】データと創造性のバランスをとる。ハイパーカジュアルゲームのための魔法の公式はあるのか？
Voodoo の Antonin Chapelon 氏は，ハイパーカジュアルモバイル市場でトップに立つために必要なことを詳しく説明している。
ハイパーカジュアルは紛れもなくデータ駆動型の業界だ。チャートのトップに立つためには，パフォーマンス駆動型の考え方，ほぼすべてのデータに基づいた意思決定プロセス，そして常にゲームをテストして再テストする能力が必要になる。
インストール単価（CPI）が低く，1日めと7日めの定着率が高く，1日あたりのユーザーあたりのプレイタイムがしっかりしていなければ，どんなに素晴らしいクリエイティブなゲームでも成功はおぼつかない。しかし，データだけでハイパーヒットを生み出すことはできない。そうでなければオリジナリティはほとんどなく，アプリストアのランキングではどのゲームも同じに見えてしまうだろう。
このような一口サイズの簡単に遊べるゲームを作るには，創意工夫が必要で，何よりも競争が激化する市場で目立つようにするためには，創造性が必要だ。では，データ分析と創造性の完璧なバランスをとるにはどうすればよいのだろうか？
すべてのハイパーカジュアルデベロッパは，ゲームを最適化し，その可能性を最大限に引き出すために，膨大な量のデータを利用して，ゲームの成功に影響を与え，ヒット作を生み出すための技術的・芸術的に賢明な判断を下すように努力しているはずだ。しかし，データと創造性のバランスをとることに関しては，すべてに当てはまる魔法の公式はない。むしろ，各開発サイクルのニーズに合った組み合わせを学ぶ必要がある。
創造性が少量であっても，ハイパーカジュアルゲームに与える影響を過小評価してはいけない。
時間をかけて大なり小なり定期的にゲームプレイのアップグレードを加えることで，ゲームは完全に変貌を遂げることがある。レベル間のジャンプ，新しい障害物，コーナーなどの単純なメカニックを追加することでも，その1つ1つがゲームをより面白くし，ゲームの継続性に大きな影響を与えることができる。また，新機能の追加は，爽快感とフラストレーションのバランスをとるのに役立ち，プレイヤーは自分のハイスコアを叩き出したり，新しいコスチュームのアップグレードのロックを解除したりするために，何度も遊びに来てくれる。我々はこの考えをColor Roadに適用し，新機能を追加することで，プレイヤーに新たな楽しみを提供し，リテンションを高めることを目指している。
これらのクリエイティブな追加はどれも素晴らしいものだが，タイミングには気をつけなければならない。ゲームが発売されてから数週間後や数か月後，プレイヤーがすでにゲームに慣れている時期に大きなクリエイティブな変更を行うと，マイナスの影響を与える可能性がある。また，あまりにも過激な変更は逆効果になり，プレイヤーのスイッチを切ってしまう可能性があるので，バランスを取る必要がある。
だから，創造性を発揮するにはタイミングが重要だ。創造性を発揮しすぎると，プレイヤーはゲームを拒否してしまうかもしれない。最初に正しい選択をして，今あるものを使って仕事をする必要がある。
ハイパーカジュアルゲームは，ローンチ時に期待したほどの売り上げを発揮しないことがある。これは悪いゲームという意味ではなく，状況を好転させるためにデータに飛び込む必要があることを意味している。
Ball Blastが良い例だ。スワイプ トゥ シュートゲームであるこのゲームは，発売から 6 か月後まであまりパフォーマンスが良くなかった。このようなパフォーマンスの低下に直面した場合，ゲームの潜在能力を最大限に発揮させるためにまず最初にすべきことは，ゲームプレイとメタ機能に取り組むことだ。パワーアップやブーストの追加などのアクションは，ゲームプレイ全体の微調整に時間を費やすと同時に，ゲームをよりエキサイティングなものにできる。さらに一歩進んで，エネルギーバー，追加チャレンジ，ボーナスラウンド，デイリーミッションなどの定番要素を追加して，プレイヤーを飽きさせないようにすることもできる。このバランスを正しく取ることが，エンゲージメント率の高さと低さを分けることになる。
データに注意を払うことも同様に重要で，いつ止めるべきかを知ることができる。データが改善されていない，またはあなたがしている変更にさえ追いついていない場合，あなたはそれを信頼して，あなたが知っていることに固執する必要がある。
ハイパーカジュアルゲームの成功には，創造性やデータと同様に導入プロセスが重要だが，その方法にはさまざまな方法がある。
新しいゲームプレイメカニクスやオーバーホールでゲームをアップデートする際には，ユーザーがこれらの新しい追加点を素早く理解し，把握できるようにすることが非常に重要だ。シンプルで試行錯誤されたオンボーディングの原則を適用してリテンションを高めることは，あるタイトルでは効果があるかもしれないが，別のタイトルではほとんど影響がないかもしれない。これらの代替方法には，初期レベルから徐々に各ゲームプレイ要素を提示することで，プレイヤーが「非致死的」な環境での操作に慣れていくことを保証することが含まれている。徐々に要素や障害物を次々と追加していくことで，初めてのユーザー体験をよりスムーズにできる。このアプローチは一般的に，プレイヤーが新しい障害物に直面してもあまり驚かず，それ以上プレイすることを躊躇させないことを意味している。
しかし，このアプローチは誰にでも通用するわけではなく，ゲームをやりがいのあるものにすることと，プレイヤーを楽にすることのバランスを取ることが重要だ。たとえば，簡単な導入方法でゲームをテストに出してみたところ，ゲームプレイに慣れてレベルを早くクリアすることに否定的なフィードバックをプレイヤーから受けてしまい，サスペンスが台なしになるかもしれない。プレイヤーがすぐにゲームに慣れすぎてしまうと，エンゲージメントやリテンションに問題が生じてしまい，ハイパーカジュアルな無料プレイのビジネスモデルとは相容れない。
大事なのは，一律の解決策ではなく，ケースバイケースで何をすべきかをしっかりと認識し，常にボールから目を離さないことだ。導入プロセスで創造性を発揮しすぎると，注意を怠ると誤った方向に進んでしまい，失敗につながる可能性がある。
このようなデータ駆動型の業界では，データと創造性のバランスをとることは難しい。両者は必ずしも相補的なものではなく，超クリエイティブであることが必ずしも成功につながるわけではない。しかし，この2つのバランスをマスターするための魔法の公式はないが，経験を積むことで学べるヒントやコツは何百もある。
我々が何年にもわたって学んできたアドバイスの中で最も重要なものは，テストを素早く続け，経験から学ぶことだ。データはあなたを驚かせることがあるが，それはヒットゲームを作るために創造性を形にしたり，スケールアップしたりするためにデータを利用できるのだ。
Antonin Chapelon氏は，Voodooのゲームオプスチームでプロダクトマネージャーを務めている。2017年にパブリッシングマネージャーとして入社した。
ハイパーカジュアルは紛れもなくデータ駆動型の業界だ。チャートのトップに立つためには，パフォーマンス駆動型の考え方，ほぼすべてのデータに基づいた意思決定プロセス，そして常にゲームをテストして再テストする能力が必要になる。
インストール単価（CPI）が低く，1日めと7日めの定着率が高く，1日あたりのユーザーあたりのプレイタイムがしっかりしていなければ，どんなに素晴らしいクリエイティブなゲームでも成功はおぼつかない。しかし，データだけでハイパーヒットを生み出すことはできない。そうでなければオリジナリティはほとんどなく，アプリストアのランキングではどのゲームも同じに見えてしまうだろう。
このような一口サイズの簡単に遊べるゲームを作るには，創意工夫が必要で，何よりも競争が激化する市場で目立つようにするためには，創造性が必要だ。では，データ分析と創造性の完璧なバランスをとるにはどうすればよいのだろうか？
すべてのハイパーカジュアルデベロッパは，ゲームを最適化し，その可能性を最大限に引き出すために，膨大な量のデータを利用して，ゲームの成功に影響を与え，ヒット作を生み出すための技術的・芸術的に賢明な判断を下すように努力しているはずだ。しかし，データと創造性のバランスをとることに関しては，すべてに当てはまる魔法の公式はない。むしろ，各開発サイクルのニーズに合った組み合わせを学ぶ必要がある。
小さなクリエイティブの変更が大きな影響を与えることがある
創造性が少量であっても，ハイパーカジュアルゲームに与える影響を過小評価してはいけない。
時間をかけて大なり小なり定期的にゲームプレイのアップグレードを加えることで，ゲームは完全に変貌を遂げることがある。レベル間のジャンプ，新しい障害物，コーナーなどの単純なメカニックを追加することでも，その1つ1つがゲームをより面白くし，ゲームの継続性に大きな影響を与えることができる。また，新機能の追加は，爽快感とフラストレーションのバランスをとるのに役立ち，プレイヤーは自分のハイスコアを叩き出したり，新しいコスチュームのアップグレードのロックを解除したりするために，何度も遊びに来てくれる。我々はこの考えをColor Roadに適用し，新機能を追加することで，プレイヤーに新たな楽しみを提供し，リテンションを高めることを目指している。
 |
創造性を発揮するにはタイミングが重要
これらのクリエイティブな追加はどれも素晴らしいものだが，タイミングには気をつけなければならない。ゲームが発売されてから数週間後や数か月後，プレイヤーがすでにゲームに慣れている時期に大きなクリエイティブな変更を行うと，マイナスの影響を与える可能性がある。また，あまりにも過激な変更は逆効果になり，プレイヤーのスイッチを切ってしまう可能性があるので，バランスを取る必要がある。
だから，創造性を発揮するにはタイミングが重要だ。創造性を発揮しすぎると，プレイヤーはゲームを拒否してしまうかもしれない。最初に正しい選択をして，今あるものを使って仕事をする必要がある。
大きな決断をするときは，データを信頼し，データがあなたを導くようにしよう
ハイパーカジュアルゲームは，ローンチ時に期待したほどの売り上げを発揮しないことがある。これは悪いゲームという意味ではなく，状況を好転させるためにデータに飛び込む必要があることを意味している。
Ball Blastが良い例だ。スワイプ トゥ シュートゲームであるこのゲームは，発売から 6 か月後まであまりパフォーマンスが良くなかった。このようなパフォーマンスの低下に直面した場合，ゲームの潜在能力を最大限に発揮させるためにまず最初にすべきことは，ゲームプレイとメタ機能に取り組むことだ。パワーアップやブーストの追加などのアクションは，ゲームプレイ全体の微調整に時間を費やすと同時に，ゲームをよりエキサイティングなものにできる。さらに一歩進んで，エネルギーバー，追加チャレンジ，ボーナスラウンド，デイリーミッションなどの定番要素を追加して，プレイヤーを飽きさせないようにすることもできる。このバランスを正しく取ることが，エンゲージメント率の高さと低さを分けることになる。
 |
データに注意を払うことも同様に重要で，いつ止めるべきかを知ることができる。データが改善されていない，またはあなたがしている変更にさえ追いついていない場合，あなたはそれを信頼して，あなたが知っていることに固執する必要がある。
ボールから目を離さないでほしい
ハイパーカジュアルゲームの成功には，創造性やデータと同様に導入プロセスが重要だが，その方法にはさまざまな方法がある。
新しいゲームプレイメカニクスやオーバーホールでゲームをアップデートする際には，ユーザーがこれらの新しい追加点を素早く理解し，把握できるようにすることが非常に重要だ。シンプルで試行錯誤されたオンボーディングの原則を適用してリテンションを高めることは，あるタイトルでは効果があるかもしれないが，別のタイトルではほとんど影響がないかもしれない。これらの代替方法には，初期レベルから徐々に各ゲームプレイ要素を提示することで，プレイヤーが「非致死的」な環境での操作に慣れていくことを保証することが含まれている。徐々に要素や障害物を次々と追加していくことで，初めてのユーザー体験をよりスムーズにできる。このアプローチは一般的に，プレイヤーが新しい障害物に直面してもあまり驚かず，それ以上プレイすることを躊躇させないことを意味している。
しかし，このアプローチは誰にでも通用するわけではなく，ゲームをやりがいのあるものにすることと，プレイヤーを楽にすることのバランスを取ることが重要だ。たとえば，簡単な導入方法でゲームをテストに出してみたところ，ゲームプレイに慣れてレベルを早くクリアすることに否定的なフィードバックをプレイヤーから受けてしまい，サスペンスが台なしになるかもしれない。プレイヤーがすぐにゲームに慣れすぎてしまうと，エンゲージメントやリテンションに問題が生じてしまい，ハイパーカジュアルな無料プレイのビジネスモデルとは相容れない。
大事なのは，一律の解決策ではなく，ケースバイケースで何をすべきかをしっかりと認識し，常にボールから目を離さないことだ。導入プロセスで創造性を発揮しすぎると，注意を怠ると誤った方向に進んでしまい，失敗につながる可能性がある。
このようなデータ駆動型の業界では，データと創造性のバランスをとることは難しい。両者は必ずしも相補的なものではなく，超クリエイティブであることが必ずしも成功につながるわけではない。しかし，この2つのバランスをマスターするための魔法の公式はないが，経験を積むことで学べるヒントやコツは何百もある。
我々が何年にもわたって学んできたアドバイスの中で最も重要なものは，テストを素早く続け，経験から学ぶことだ。データはあなたを驚かせることがあるが，それはヒットゲームを作るために創造性を形にしたり，スケールアップしたりするためにデータを利用できるのだ。
Antonin Chapelon氏は，Voodooのゲームオプスチームでプロダクトマネージャーを務めている。2017年にパブリッシングマネージャーとして入社した。
GamesIｎdustry.biz ACADEMY関連翻訳記事一覧
※本記事はGamesIndustry.bizとのライセンス契約のもとで翻訳されています（元記事はこちら）
