【ACADEMY】模擬レビューとゲーム評価:その内容と開発者にとって有用な理由

ゲームのローンチ前に行われる,模擬レビューや評価が与える影響について,業界の専門家に話を聞いた

【ACADEMY】模擬レビューとゲーム評価:その内容と開発者にとって有用な理由

 模擬レビューはゲーム業界で広く行われているが,その仕事の秘密主義的な性質から,とくにQA(品質保証)やプレイヤーテストなどの分野と比べると,フィードバックプロセスの中でもあまり議論されていない分野だ。ほとんどの模擬レビューやゲーム評価は厳重なNDAのもとで書かれているため,この仕事についてほとんど耳にしないのは当然かもしれない。

 この記事では,パブリッシング,PR,ゲームコンサルタントの専門家の協力と,フリーランスのコンサルタントおよび模擬レビュアーである私自身の知識によって,模擬レビューのプロセスを解明し,開発のさまざまな段階でゲーム評価がどのように有用なフィードバックとなるのかを探っていく。



模擬レビューとは何か


 最も基本的な形式では,模擬レビューはゲームメディアが発表するレビューに似ている。ゲームの長所と短所を論じたエッセイで,ゲームがローンチ時に直面する外部からの批評を映し出すことが目的だ。模擬レビューは通常,パブリッシャやマーケティング代理店から依頼され,ゲームジャーナリズムの経歴を持つ人が書くことが多い。

 「パブリッシャは,彼らのタイトルが成功する可能性と,批評の状況がどのようになるのかを見極めたいと考えています」と,ゲームコンサルティング会社のHit Detectionでコンサルティング責任者を務めるSterling McGarvey氏は語る。「多くの場合,その目的は意表を突くような批評に振り回されないことです」

「多くの場合,その目的は意表を突くような批評に振り回されないことです」
Sterling McGarvey氏

 記事の執筆と並行して,クライアントは模擬レビュアーにスコア,つまりゲームがMetacriticでどのようにランク付けされるのか,推定値を提供するように依頼する。McGarvey氏は,パブリッシャは現在,ローンチ時のゲームの成功を測る方法として,コミュニティの感情をますます重視するようになっているが,予測指標としては「Metacriticのほうが簡単で,すべての関係者にとってすっきりしている」と指摘する。

 プロジェクトによって,レビュアーは,実際のレビューを発表するように,ゲームの印象について全体的な概要を述べるよう求められることもあれば,特定の分野に絞ってフィードバックを求められることもある。これは,潜在的なセンシティブな問題,ゲームのストーリー,または特定のメカニクスなどだ。

 「私たちはキャンペーンを始めるにあたって,主要なアピールポイントをまとめます……そしてその多くは,これらのアピールポイントがどのように伝わっているかということです」と,Splash Damageでグローバル統合コミュニケーション責任者を務めるRebecca Attard氏は語る。「もし私たちが本当に取り組みたいものがガンプレイのメカニクスであれば,『ガンプレイのメカニクスをどう感じるか,プレイヤーが技術を向上させるうえでどのようなことを勧めるか』にもっと焦点を当てるでしょう」

・模擬レビュー,ゲーム評価,そして開発でそれが起こるとき


 しばしば同じ意味で使われるが,「模擬レビュー」と「ゲーム評価」という用語は,微妙に異なる2つのフィードバック形式を表している。模擬レビューは一般的に,点数付きの簡単なレビューだ。

 「私のコンサルタントとしてのキャリアにおいて,純粋な模擬レビューの経験はこれまでに1回だけです」と,Future Friends GamesでPRコンサルタントを務めるNatalie Flores氏は語る。コンサルタント会社のMagidやHit Detectionでもゲーム評価を行っている人物だ。「私は主に,複数の調査や座談会,何時間にもおよぶ執筆を経てまとめられた,30ページ以上におよぶ大規模なレポートを作成してきました。模擬レビューは,それらのほんの一部分にすぎません」

 模擬レビューが1つのセクションに留まる,これらの大規模なレポートは,しばしば評価と呼ばれる。評価には,分割された段落やアンケートの結果など,さまざまな形のフィードバックが含まれる。模擬レビューとゲーム評価のもうひとつの重要な違いは,開発プロセスにおいて行われる時期である。

 「模擬レビューという言葉は,さまざまな意味で使われています」とMcGarvey氏は言う。「私にとって模擬レビューというのは,開発プロセスの終盤に行われるもので,必ずしも変更の余地があるわけではありません。一方,ゲーム評価は開発プロセスのどの段階でも可能です。もし,(Hit Detectionが)ゲームを評価するのであれば,コンセプトの初期段階においても何かを観察し,チームの専門知識を結集してフィードバックを提供できます。私たちは,数年後にどのような状況になるかを見て,それを推定します」

「その多くは,アピールポイントがどのように伝わっているかということです」
Rebecca Attard氏

 「ほかには,ギリギリプレイ可能なものを,設計書やサポート資料と一緒に見ることもあります……つまり,私たちはゲームのビジョン,プレイした内容,その範囲,残りの開発期間を見て,『もし,あなたのビジョンのこれらの要素を満たせれば,このような着地点が見えてくるはずだ』と考えるのです。それは,クライアントが適切な時期だと感じ,自分のゲームについてフィードバックを得たいと思ったときに行われます」

 リリース間近,つまりそれ以上の変更ができない時期に模擬レビューを依頼するのは直感に反すると思われるかもしれないが,こうした後期段階のレビューにも使い道が残っている。

 「ここで取り組むことは2つあります。アピールポイントを管理することと,何に集中し,何に集中しないのかを確認することです」と,インディーマーケティング代理店Game If You Areの創業者兼マネージングディレクターであるLewis Denby氏は言う。「また,クライアントの期待を管理することにも使えます」

 要するに,模擬レビューはリリース時に批評家がゲームにどのような評価を下すかについての最終的な情報を提供し,マーケティングキャンペーンを土壇場で変更することを可能にし,パブリッシャやPR代理店に,ゲームのパフォーマンスに対する社内の期待値を管理する機会を提供する。

 模擬レビューは,パブリッシャのコミュニケーション部門や,社内の評価専門チームが実施することもある。しかし,こうした社内レビューと並行して,パブリッシャは外部の視点を得るために,コンサルタント会社やフリーランスのコンサルタントに依頼することも多い。

・大手パブリッシャのみのものではない


 模擬レビューやゲーム評価は,あらゆる規模のクライアントが依頼できる。McGarvey氏によると,Hit Detectionでの仕事は以前は「AAAが中心」だったが,現在は「さまざまなニッチを占める」ようになり,低予算のAAタイトル(「30ドルのゲーム」と彼は言う)や,インディーゲームも含むようになったという。

「ここで取り組むことは2つあります。アピールポイントを管理することと,何に集中し,何に集中しないのかを確認することです」
Lewis Denby氏

 Denby氏は,小規模なチームがフィードバックを依頼する際は,「限られた予算を使ううえで,成功のために最も価値のあるもの」を見つけることが重要だという。

 長文のレポートを依頼するのは,賢明な予算の使い道ではないかもしれないが,評価者に第一印象について書いてもらうことは,より役に立つかもしれない。これには,評価者にトレイラー,メディアパック,スクリーンショットを渡し,30分のビルドをプレイしてもらうことが含まれる。

 「これはインディー開発者にとって,とても参考になります。なぜなら,ゲームの最初の5分で難度が急上昇することに気づいていないことは,よくあることだからです」とDenby氏は語る。「あるいは,ゲームについての説明や,ゲームの見せ方に何らかの問題があり,そもそもデモをプレイする気すら起こさせないかもしれません。小さなスタジオや個人開発者にとって,それがしばしば最大のハードルとなります」

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なぜ模擬レビューやゲーム評価が役に立つのか


 前述したように,パブリッシャは通常,ゲームがリリースされたときに受ける批判的な評判を理解するために模擬レビューを依頼し,評価によってローンチ前に対処できる問題点を明確にする。また,開発者は自分のプロジェクトと非常に密接な関係にあるため,ときには自分の作品を公平に批評することが難しくなることもある。このような場合,模擬レビューや評価は,より「離れた」形のフィードバックを提供できる。

 「毎日その中にいるのですから,木を見て森を見ずとなるのは簡単なことです」とDenby氏は説明する。「私たちは時々,『ゲームショーに持ち込んで,プレイヤーからフィードバックを得たので,ゲームに対する人々の反応を知っている』と語るインディー開発者と話をすることがあります。それに対して私がいつも言うのは……人々は面と向かって意地悪をしたくないということです。そして実際,本当に貴重なフィードバックは,あなたが知らない,あなたの気持ちに何の利害関係もない人々からのものです」

Rebecca Attard氏(Splash Damageのグローバル統合コミュニケーション責任者)
【ACADEMY】模擬レビューとゲーム評価:その内容と開発者にとって有用な理由
 評価者は,ローンチ時にメディアに対してどのようにゲームを紹介するかを指導することもできる。Attard氏によると,Splash Damageはしばしば模擬レビュアーに,ローンチ時に批評家に渡されるようなガイドや文書を渡すという。模擬レビュアーはこれらのガイドついてフィードバックを行い,ジャーナリストやインフルエンサーが混乱する可能性のある箇所を特定できる。

 「イベントや大々的な報道発表を行う際,発表するデモやその周りのプレゼンテーションを確認するために,初期段階で模擬レビュアーを使ったことがあります。彼らがプレイしているものや私たちが話していることに基づいて,このゲームについて説明する方法が実に明確であることを確実にするためです」とAttard氏は付け加えた。

 開発者はしばしば,自分たちのゲームに問題があることを認識しているが,提案された変更を裏付けるために,さらなる証拠が必要な場合がある。このような理由から,ゲーム評価は社内政治に役立つことがある。

 「ときどき,開発者が上層部に何かを求めても,それが得られないことがあります。例えば,ゲームを向上させると分かっている特定の機能やセグメントに対する予算などです」とFlores氏は言う。「開発者は,模擬レビュアーのような外部の専門家に相談し,彼らが自分たちの意見に同意するかどうかを確認できます……開発者は専門家の評価を上層部に伝え,必要なものを要求する際に,より強力な論拠を示せるのです」

・QAやプレイテストとのフィードバックの違い


 開発者は,さまざまなソースからゲームのフィードバックを受ける。QA,消費者によるプレイテスト,インフルエンサーのプレイテストなどがその例だ。これらのフィードバックはどれも貴重なものだが,これらに加えて,ゲーム評価者は異なる視点をもたらせる。

 「ゲーム評価者を招くのは,メディアを理解し,消費者やコミュニティもある程度理解している視点を求めているときです」とMcGarvey氏は説明する。「あなたが行うのはOJT(現任訓練)であり,そこにはゲームレビューの経験に基づく無形の要素があります」

Lewis Denby氏(インディーマーケティング代理店Game If You Areの創設者兼マネージングディレクター)
【ACADEMY】模擬レビューとゲーム評価:その内容と開発者にとって有用な理由
 具体的なバグや技術的な問題を浮き彫りにする貴重な仕事をするQAテスターと比べ,模擬レビュアーの仕事は批判的な分析に重点が置かれている。

 「私たちが模擬レビューで本当に理解しようとしているのは,これをプレイしたときにメディアが示す反応です」とDenby氏は言う。「どのような感情,思考,感覚を呼び起こすのか。どのような報道の可能性があるのか。こういったあらゆることが,本当に関係してくるのです」

 Attard氏は,模擬レビュアーはしばしば,消費者がプレイテストをするよりも「公平」にゲームを見ると指摘する。

 「ユーザーは,彼らが好むとは限らない,小さな気に障る点に夢中になりがちです。一方,模擬レビュアーは,より広い視野で,より配慮された方法で,生のフィードバックだけではないレポートを書いてくれます」

・幅広いレビュアーを起用することの重要性


 ほとんどの場合,パブリッシャは一度に複数の批評家に模擬レビューを依頼する。また,1つのプロジェクトについて,開発プロセスのさまざまな段階で,数回の模擬レビューや評価が行われることもある。

「ほかの視点も取り入れるために,模擬レビュアーのリストを常に新鮮に保つことは,間違いなくいいことです」
Rebecca Attard氏

 その理由は,幅広い視点を集めるためだ。Attard氏は,ストラテジーゲームの例を挙げ,そのゲームについて2つの異なる視点を得るために,経験豊富なストラテジーゲーマーと,よりジェネラリストなレビュアーの両方を呼びたいと語る。また,Splash Damageは通常,英語圏の人と非英語圏の人の両方を招待すると付け加えた。そうすることで,異なる市場を理解できるのだ。

 「私たちは,異なる市場,異なるジャーナリストから,少なくとも4回の異なる模擬レビューを行う傾向があります。というのも,1つに集中しないことが非常に重要なのです」

 「ほかの視点も取り入れるために,模擬レビュアーのリストを常に新鮮に保つことは,間違いなくいいことです」と彼女は付け加える。「また,世代的なこともあります。上の世代が見ていて,下の世代が見ていないものがありますから,若者たちに新鮮さを与えられるのです」


どうすれば模擬レビュアーやゲーム評価者になれるか


 ほとんどの模擬レビュアーはゲームジャーナリズムの経歴を持ち,レビュー執筆の経験を積んでから評価業務に移行する。したがって,ゲーム評価者になるための第一歩は,ゲームを批判的に分析し,自分の考えを明確に説明できることを示すポートフォリオを作ることだ。

 「批評のスキルを磨くことをおすすめします」とFlores氏は言う。「ゲームを終えたら感想を書き留め,自分の視点について首尾一貫した主張をしましょう。また,それを口頭で伝える方法も知っておくことです。模擬レビューの課題では,開発者とたくさん話をしたり,質問に答えたりすることになります」

「人脈作りは,その最たるものであり,純粋な人間関係の構築です。そのため,まだ取り組んでいることがあるのなら,自分を見捨てないようにしましょう」
Natalie Flores氏

 自分のブログでレビューを書くことは,自分のスキルを磨き,ゲームジャーナリズムへの関心を示すのに有効な方法だが,Denby氏が指摘するように,模擬レビューの仕事を引き受けるには,商業メディアでレビューを書いた経験が必要だろう。

 「私たちが理解したい種類のコンテンツを,あなたが作成していることを知るため,あなたが編集者のもとで働き,プロとして発信したコンテンツを持っていることを,確認しなければなりません」

 プロのレビュアーとして経験を積むのと同時に,ゲームの開発プロセスに関する知識を蓄えることも有効だ。開発者のビジョンを理解するためには,バグを見抜く力が重要となってくる。また,プロジェクトの開発プロセスの後半でゲームを評価する場合,残りの開発期間に合わせて現実的な提案をする必要がある。

・ジェネラリストでありながら専門性を持つ


 逆説的に聞こえるかもしれないが,模擬レビュアーになるには,ゲーム事情に対する一般的な理解と,専門的な能力の両方が必要だ。ゲームニュース,業界のトレンド,コミュニティの感情などに関する幅広い知識は,クライアントへのフィードバックに役立ち,潜在的なマーケティングの機会やリスクを強調できる。また,ジェネラリストであれば,幅広いプロジェクトに携わることができる。しかし,いくつかの分野で専門家として知られることも役に立つ。自分がよく知っているジャンルのゲームを評価すれば,市場の類似ゲームとの比較が可能になり,クライアントに有益な文脈を提供できる。

Natalie Flores氏(Future Friends GamesのPRコンサルタント)
【ACADEMY】模擬レビューとゲーム評価:その内容と開発者にとって有用な理由
 UI/UXデザインやチュートリアルなど,とくに分析が得意な特定のゲームデザイン要素があれば,それをニッチ分野にすることもできる。あなたが特定のジャンルの専門家として知られていたり,ゲームデザインの特定の側面について有益な洞察を提供できたりする場合,パブリッシャはあなたを求めるかもしれない。

 「通常の『このゲームは良い,悪い』から外れたニッチがあるのなら,それを自分の超能力にしましょう」とMcGarvey氏はアドバイスする。

 アクセシビリティや,多様性&包括性などの分野における最善の方法の特定を専門とする評価者もいる。

 「アクセシビリティは,多くの人々が素晴らしい提言やコンサルティングを行っている分野です」とMcGarvey氏は付け加える。「これらの組織が行っている活動は,全体として皆を助けています。潮の満ち引きはすべての船を上昇させるものであり,こうした進歩はゲームをより良いものにしていると私は考えています」

・自分をアピールし,人脈を広げよう


 模擬レビューの仕事を集めるには,自分の存在をアピールし,質の高いレビューを生み出すという評判を築くことも重要だ。ジャーナリストとして,ソーシャルメディア上にプラットフォームを持っているのなら,それを仕事の展示に活用することは価値があります。ポートフォリオサイトを使えば,パブリッシャはあなたの過去のレビューをチェックし,あなたがそのプロジェクトにふさわしいかどうかを確認できる。

「『自分がこのゲームについてどう思うか』と『人々がこのゲームについてどう思うか』を切り離せるかどうかが,本当に重要な要素です」
Sterling McGarvey氏

 PR会社やコンサルティング代理店は,レビュアーに直接連絡して模擬レビューへの協力を依頼することが多い。同様に,PR会社にeメールを送り,仕事を請け負えると伝えることで,積極的にアピールできる。時間が経てば,口コミや人脈を通じて,チャンスが巡ってくるかもしれない。

 「人脈作りは,その最たるものであり,純粋な人間関係の構築です。そのため,まだ取り組んでいることがあるのなら,自分を見捨てないようにしましょう」とFlores氏は語る。「礼儀正しく,親切にしましょう。信念を持ち,それをソーシャルメディア上で建設的に発言することを恐れないように。そして,信頼でき,良い仕事をすると知られる人になることです」

・良い模擬レビュアーや評価者の条件とは


 まず第一に,優れた評価者は初期のゲームビルドを見て,開発プロセス中に修正される可能性の高いバグに気を取られることなく,有益なフィードバックを与えられる。ゲームの流れや難度曲線についてのフィードバックは開発者にとって有益だが,バグの説明に3段落を費やしても役に立つとは思えない。

 個人的な嗜好から自分を切り離し,批評的風景をより広く見渡す能力も役に立つ。McGarvey氏はこれを「外在化能力」と表現している。

Sterling McGarvey氏(ゲームコンサルタント会社Hit Detectionのコンサルティング責任者)
【ACADEMY】模擬レビューとゲーム評価:その内容と開発者にとって有用な理由
 「『自分がこのゲームについてどう思うか』と『人々がこのゲームについてどう思うか』を切り離せるかどうかが,本当に重要な要素です」と彼は付け加える。

 Denby氏は,開発者が何を求めているかを先取りしようとするのではなく,評価者が単にメディアがするのと同じようにレビューを書くことが役に立つと述べている。「ただ,レビューしてください。これは,あなたが世に送り出すものだと想像しましょう。というのも,私たちがこのコードを配布するときに測ろうとしているものは,結局のところ次のようなことだからです。何が起こりそうか」

 最後になるが,Attard氏にとって,評価者が持つべき最も重要な資質のひとつは,効果的にコミュニケーションをとり,パブリッシャと良好な協力関係を築く能力だという。

 「評価者の中には,必ずしも肯定的でないことを言う人もいます。そして,(パブリッシャは)彼らが言っていることを受け入れ,苛立ったり,イライラしたりしないようにする必要があります」とAttard氏は語る。「重要なのは良い関係を築くことです。それは,プロセスや,発言の理由を,きちんと伝えられる関係です」


Emma Kent氏はフリーランスのゲーム評論家兼コンサルタントで,ゲームジャーナリストとして5年以上の経験を持ち,Eurogamer,Edge,PC Gamerなどに寄稿している。コンサルタント会社のMagidと71 Consultingに勤務し,インディーからAAAまで,さまざまなゲームの模擬レビューや評価を書いている

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