Xbox Transparency Reportの第1弾は6か月間で700万件を超える実施状況を報告
Xbox製品サービス担当ゼネラルマネージャー Dave McCarthy氏が,年2回の報告書作成に向けた新たな取り組みについて語る。
Microsoftは,Xboxのプラットフォームにおける不適切な行為や不正行為などからプレイヤーを保護するために取った措置について詳述した初のXbox透明性報告書を発表した。
長年にわたって同社は,Xboxにおけるモデレーションの取り組みを年2回のデジタルセーフティコンテンツレポートに含めていたが,今回はゲーム専用のレポートを作成し,この分野で行っていることをより詳細に説明できるようにしている。
Xbox Product ServicesのジェネラルマネージャーであるDave McCarthy氏は,Gamesindustry.bizに対して,これは,前回のレポートから学んだことを発展させたいというMicrosoftの意向からきているものだと語っている。
「Microsoftの前回のDigital Civility Indexでは,回答者の10人中9人が,デジタル世界をより安全にする方法について教育を強化する必要があると指摘していました ― ご存じのとおり,ゲームは最大のデジタル環境の1つです」
「Microsoftでは,社会とゲームコミュニティに対する責任を真剣に受け止めています。Microsoftは,長年にわたってオンラインの安全性に取り組んでおり,Xboxでは,誰もが自分の設定した境界の中で,恐怖や脅迫から解放されて遊べるような場所を作ることに努めています。Xbox透明性報告書は,我々のコミュニティを保護し,守るために我々が何をしているかをもっと共有するための,我々のコミュニティと業界へのコミットメントです」
2022年1月から6月までのレポートのハイライトは以下のとおりだ。
●全体
過去3回の半年間と比較すると,強制執行の総件数が著しく増加していることが分かる。2021年下半期に記録した270万件と比較すると約3倍,昨年同期の400万件と比較すると82%増の執行件数となっているのだ。
プロアクティブエンフォースメントでは,Xboxがテクノロジーを駆使して,プレイヤーが通報する前にポリシー違反を特定する。プラットフォームホルダーは,Xboxでプレイヤーが共有する不適切なテキスト,画像,動画などを特定するためのコンテンツモデレーション技術を何年も前から使用していた。しかし,この分野の進歩に加え,Two Hatの専門知識により,このプロセスの一部が自動化されるようになったのだ。
また,これによって,不正なアカウントの削除数が大幅に増加した。そのため,アカウントの一時停止(3日間,7日間,14日間,永久停止など)の割合が高くなっている。
ポリシーエリア別に見ると,以下のような理由が最も多くなっている。
不正なアカウントの作成(スパム,詐欺,不正行為などの目的でよく使われる使い捨てのアカウントと定義されたもの)は,6か月間の全取り締まりの57%を占めた。
「我々のサービスには,非常に多くの(これらの)アカウントが侵入しています」とMcCarthy氏は語る。「この報告書は,最近そのような活動が多いという点で,過去数年よりも少し違っているように見えます」
次に多かったのは冒涜的な表現だったが,McCarthy氏は,これは「健全な競争と不健全な競争の間の微妙なライン」のため,扱いにくいカテゴリーになる可能性があると語る。また,「ユーザー間のコミュニケーションも多いので,適切なバランスを取る必要があります」とも語る。
●プロアクティブ
自動化とTwo Hatの導入により,2022年1月〜6月は前年同期比で9倍ものプロアクティブなモデレーションが行われたとのことだ。Xboxは,さらなる比較を共有した。
プロアクティブな強制執行の数(対リアクティブ)
積極的な取締りで最大のものは,不正なアカウントの停止だが,Microsoftは,2022年上半期に以下の分野にも影響を及ぼしたと語る。
●リアクティブ
これは前年同期比で36%減で,2021年下半期と比較すると21%減となっている。Xboxはまた,プレイヤー数が増加している状況下であるにもかかわらず,プレイヤーからの報告が5965万件だった2020年下半期以降減少しているとしている。
「また,我々はプレイヤーが報告しない,あるいは報告の仕組みを理解していないケースがあることも認識しています。この報告書を公開することで,プレイヤーがこのプロセスをよりよく理解できるよう,我々が行っていることについてより深く理解していただけることを願っています」
2022年の最初の6か月間に行われたプレイヤーの報告は,3つのカテゴリーに分けることができる。
プレイヤーの行為についてだが,停止されたユーザーはXboxの強制執行に対して訴えることができる。2022年1月から6月にかけて,Xboxは15万1000件以上の不服申し立てに対処したが,アカウントが復活したのはわずか6%だったという。
「我々は常に正しい判断ができるわけではありませんし,完全な文脈を持っているわけでもありません」とMcCarthy氏は認める。「しかし,復帰させられなかった94%は,通常,プレイヤーがコミュニティ基準に反することを行ったからです」
Xboxは,6か月ごとに新しいTransparency Reportを発表し,同じ時期にXbox Community Standardsを見直す予定だ。他の企業は年次報告書を好むのだが,McCarthy氏は,より頻繁にリリースするという決定が,進歩を示すためのプレッシャーを増加させると考えているわけではないという。
「オープンかつ透明であることは難しいかもしれませんが,プレイヤーの安全を守るために我々が何をしているかをもっと知ってもらうことが重要です」と氏は語る。「我々は,内省的であること,現在の我々のプロセスがどのようなものか,我々のテクノロジーに関わるデータや洞察を評価すること,そしてフィードバックに耳を傾けることに大きな価値を見出しています。これらはすべて,学び,改善することを意図しています」
Microsoftは,Xboxのプラットフォームにおける不適切な行為や不正行為などからプレイヤーを保護するために取った措置について詳述した初のXbox透明性報告書を発表した。
長年にわたって同社は,Xboxにおけるモデレーションの取り組みを年2回のデジタルセーフティコンテンツレポートに含めていたが,今回はゲーム専用のレポートを作成し,この分野で行っていることをより詳細に説明できるようにしている。
「Microsoftの前回のDigital Civility Indexでは,回答者の10人中9人が,デジタル世界をより安全にする方法について教育を強化する必要があると指摘していました ― ご存じのとおり,ゲームは最大のデジタル環境の1つです」
「Microsoftでは,社会とゲームコミュニティに対する責任を真剣に受け止めています。Microsoftは,長年にわたってオンラインの安全性に取り組んでおり,Xboxでは,誰もが自分の設定した境界の中で,恐怖や脅迫から解放されて遊べるような場所を作ることに努めています。Xbox透明性報告書は,我々のコミュニティを保護し,守るために我々が何をしているかをもっと共有するための,我々のコミュニティと業界へのコミットメントです」
2022年1月から6月までのレポートのハイライトは以下のとおりだ。
●全体
- 強制措置の数:731万件
- プレイヤーアカウントの停止:450万件(全施行件数の63%)
- コンテンツ削除のインシデント:19万6000件 (3%)
- コンテンツ削除とアカウント停止の両方が行われたケース:243万件(34%)
過去3回の半年間と比較すると,強制執行の総件数が著しく増加していることが分かる。2021年下半期に記録した270万件と比較すると約3倍,昨年同期の400万件と比較すると82%増の執行件数となっているのだ。
我々のサービスを襲う(不正な)アカウントの数が異常に増えています
この増加の大きな要因は,2021年10月のTwo Hat Softwareの買収によって後押しされた,Microsoftのプロアクティブエンフォースメント(※なにかが起きる前に強制措置を行うこと)への投資である。プロアクティブエンフォースメントでは,Xboxがテクノロジーを駆使して,プレイヤーが通報する前にポリシー違反を特定する。プラットフォームホルダーは,Xboxでプレイヤーが共有する不適切なテキスト,画像,動画などを特定するためのコンテンツモデレーション技術を何年も前から使用していた。しかし,この分野の進歩に加え,Two Hatの専門知識により,このプロセスの一部が自動化されるようになったのだ。
また,これによって,不正なアカウントの削除数が大幅に増加した。そのため,アカウントの一時停止(3日間,7日間,14日間,永久停止など)の割合が高くなっている。
ポリシーエリア別に見ると,以下のような理由が最も多くなっている。
- 不正行為および/または不正なアカウント:433万件
- 冒涜的な行為:105万件
- アダルトな性的コンテンツ:81万4000件
- ハラスメントやいじめ:75万9000件
- ヘイトスピーチ:21万1000件
不正なアカウントの作成(スパム,詐欺,不正行為などの目的でよく使われる使い捨てのアカウントと定義されたもの)は,6か月間の全取り締まりの57%を占めた。
「我々のサービスには,非常に多くの(これらの)アカウントが侵入しています」とMcCarthy氏は語る。「この報告書は,最近そのような活動が多いという点で,過去数年よりも少し違っているように見えます」
次に多かったのは冒涜的な表現だったが,McCarthy氏は,これは「健全な競争と不健全な競争の間の微妙なライン」のため,扱いにくいカテゴリーになる可能性があると語る。また,「ユーザー間のコミュニケーションも多いので,適切なバランスを取る必要があります」とも語る。
●プロアクティブ
自動化とTwo Hatの導入により,2022年1月〜6月は前年同期比で9倍ものプロアクティブなモデレーションが行われたとのことだ。Xboxは,さらなる比較を共有した。
プロアクティブな強制執行の数(対リアクティブ)
- 2022年1月〜7月:478万件(対リアクティブな強制執行253万件)
- 2021年7月〜12月:46万1000件(224万件に対して)
- 2021年1月〜6月:53万3,00人(349万人)
- 2020年7月〜12月:39万8000件(394万件)
積極的な取締りで最大のものは,不正なアカウントの停止だが,Microsoftは,2022年上半期に以下の分野にも影響を及ぼしたと語る。
- アダルトな性的コンテンツ 19万9000件のプロアクティブエンフォースメント
- 詐欺行為:8万7000件
- ハラスメントやいじめ:5万4000件
- 冒涜的な行為:4万6000件
●リアクティブ
- プレイヤーからの報告数(2022年上半期):3300万件
これは前年同期比で36%減で,2021年下半期と比較すると21%減となっている。Xboxはまた,プレイヤー数が増加している状況下であるにもかかわらず,プレイヤーからの報告が5965万件だった2020年下半期以降減少しているとしている。
このレポートを公開することで,プレイヤーに我々の活動をより理解してもらえることを期待しています
「プレイヤーの報告が減少している理由は1つではなありません」とMcCarty氏は語る。「報告することは,我々の安全対策において重要な要素です。我々は,プレイヤーが適切な報告の仕方を理解し,安心して報告できるようにしたいと願っており,我々が検討し,適切な措置を講じるよう取り組んでいることの重要性を認識しています」「また,我々はプレイヤーが報告しない,あるいは報告の仕組みを理解していないケースがあることも認識しています。この報告書を公開することで,プレイヤーがこのプロセスをよりよく理解できるよう,我々が行っていることについてより深く理解していただけることを願っています」
2022年の最初の6か月間に行われたプレイヤーの報告は,3つのカテゴリーに分けることができる。
- コミュニケーション(例:プラットフォームのメッセージ,アクティビティフィードの投稿へのコメント)。1523万件(全プレイヤーレポートの46%)
- 行為(例:不正行為,スポーツに反する行為)。1,416万件 (43%)
- ユーザーが作成したコンテンツ(ゲーマータグ,クラブロゴ,アップロードされたスクリーンショットなど)。368万人 (11%)
プレイヤーの行為についてだが,停止されたユーザーはXboxの強制執行に対して訴えることができる。2022年1月から6月にかけて,Xboxは15万1000件以上の不服申し立てに対処したが,アカウントが復活したのはわずか6%だったという。
「我々は常に正しい判断ができるわけではありませんし,完全な文脈を持っているわけでもありません」とMcCarthy氏は認める。「しかし,復帰させられなかった94%は,通常,プレイヤーがコミュニティ基準に反することを行ったからです」
オープンで透明であることは難しいかもしれませんが,プレイヤーに我々が安全を守るために何をしているかをもっと知ってもらうことは重要です
McCarthy氏は,Xboxはアカウント停止がユーザーの有害な行動を抑制する効果的なツールであると考えていると述べ,次のように付け加えた。「以前の活動や停止の状況は,現在および将来の強制措置の重大性と規模をどのように割り当てるかに影響します。コミュニティ基準に一貫して違反するプレイヤーは,Xboxで歓迎されません。しかし,我々は,プレイヤーがプレイする際にコミュニティへの期待について教育され,我々のコミュニティ基準に反する行為がどのような結果をもたらすかを認識している場合,そのようなプレイヤーは矯正されるということも認識しています。それは,大多数のプレイヤーにとって,今後のコミュニティでの関わり方を決定するのに役立つ矯正の瞬間となります」Xboxは,6か月ごとに新しいTransparency Reportを発表し,同じ時期にXbox Community Standardsを見直す予定だ。他の企業は年次報告書を好むのだが,McCarthy氏は,より頻繁にリリースするという決定が,進歩を示すためのプレッシャーを増加させると考えているわけではないという。
「オープンかつ透明であることは難しいかもしれませんが,プレイヤーの安全を守るために我々が何をしているかをもっと知ってもらうことが重要です」と氏は語る。「我々は,内省的であること,現在の我々のプロセスがどのようなものか,我々のテクノロジーに関わるデータや洞察を評価すること,そしてフィードバックに耳を傾けることに大きな価値を見出しています。これらはすべて,学び,改善することを意図しています」
※本記事はGamesIndustry.bizとのライセンス契約のもとで翻訳されています(元記事はこちら)