「株式会社24Frameの内情暴露日誌」最終回:内情暴露の限界
いきなり最終回
会社に暴露すべき内容がなくなったのか? あるいは会社自体がなくなってしまうのか? など色々なご心配は発生するかと思いますが,まずはその経緯について少し。
かれこれ1年と少しにわたり当社の,というかもはや半分は僕の身辺の内情暴露を行ってきましたが,ここに来て限界を感じています。内情暴露とは言えうちも様々な付き合いの中で成り立っておりますから,僕が暴露することが他社さんに少なからず影響する……ということがありまして。そこでの引っ込み思案から本連載はどちらかというと僕の心情暴露,という側面を強めてまいりました。
しかしまあそこにいかほどの価値があろうか。まあないとは言いませんけど,大きく考え方を変えるべきなんじゃないかな,と思って色々と葛藤してまいりました。そして編集N氏とも議論を重ねてきたわけですが,そこに一つの結論が見えてきた,というのが一点。
相談するは我にあり,の実践
そのうえで内情暴露とは「看板に偽りあり」にならないか?
でも,そもそも人様の看板で商売しているのに内情暴露も何もあったもんじゃない,故に僕の趣味的な独白が続く,という状況によりつつあったわけです。
これらのことを編集N氏と共有し,では我々がこれからどこに向かうのか,ということを精神論まで共有し(よせばいいのに。Nさん,余計なインプットの数々でお手数かけます),さらには会社のこの先についてまで相談してしまうという体たらく。
まあ今の僕の信条は「一人で考えず相談ありき」(連載「相談するは我にあり」の回)ですから僕的には矛盾はありませんが,相談されたN氏にしてみれば降って湧いた災難,知ったこっちゃないよ,というのが本音なのでしょうがとことんまで付き合ってくださいまして,ここにはもう感謝しかないわけです。
兎にも角にもこの連載もうちの内情も「これからのことを考える」というフェーズに入ったことはもう明らかで,そこを避けて通ることはできません。
未来への言及
なのでまあこれを機に一旦この連載は終了かな……ということを考えていたのですが,同時にそれでいいのか? という葛藤もありました。「何の葛藤? 連載終わればいいだけじゃん」という意見が聞こえてきそうですし,僕も半分は同意なのですが,なにか違うなと思う部分もあり。この「何か違うな」という直感は大体において結構重要でして,それゆえに社内外に相談しまくる,ということを今回もしてきたわけです。
まあ結論から申しますと己と内情暴露の限界を認め,次のことを考える。そしてそれを表現していく新たな場を設けてはどうか,ということになりました。
そこで行うのは「起こったことの内情暴露」ではなく「これから起こることへの気構えの構築」であるとこういうわけです。そしてそれを展開していく場を編集N氏によって新たに与えられた,というのが今のたび,ひいては株式会社24Frameの現在なわけです。
誰かの生きる力となる何かを
内情暴露とは言いつつも自力の部分が少ない我が社。その内情を暴露する露悪性ではなく,より読者を元気づけうる要素を軸に,お前の生き様見せてみんかい,ということですね。
その生き様,といってもまあ小さな会社ですし,船に例えるならばその小さな船はもはや僕以外のスタッフの力によって前進しているに過ぎません。ただし舵取りの責任は僕にあります。そして己の小ささ,無力さを実感しているからこそ,その舵取り,経営は王道ではいられません。逆に王道でよくなる時が来るとしたら,その時僕もこの会社にいる必要がなくなる時でしょう。現状はかなりタイトに,時には社員たちとの相談の中で出てきたトリッキーな「たったひとつの冴えたやり方」を採択しなければならないことがほとんどです。
つまり,邪道
僕の舵取りはこれからもきっと邪道であり続けることでしょう。
そしてその小さきものがなんとか知恵を絞って人生を生き抜こうとする邪道的な姿は,邪道ながらも(あるいは邪道故に)他の誰かにわずかながらの力となりうることも無きにしもあらずじゃね?との思いに現在は至っております。
ということで次回より本連載は「24Frameの邪道経営哲学」となりまして,リニューアルして参ります。第1回の予定タイトルはズバリ「プロジェクトが中止になった時の哲学(仮)」。
他社さん絡みの事情には一切触れることはありません。そういったスキャンダラスな要素においては,期待にお応えできるものではない,ということは明言しておきつつ,様々な事が起こったその時,我々は何を思い,行動していったか,あるいはしていこうとしているか。それをお伝えしていこうと思っております。
ここまで読んでいただいた皆様には感謝しかありません。
そして願わくばぜひ,新連載となる「24Frameの邪道経営哲学」にご期待ください。今までの1年と少し,本当にありがとうございました。
そしてまた近々の再会を願いつつ,今回は筆を置きたいと思います。
以上,株式会社24Frame代表,友野祐介でした。