「株式会社24Frameの内情暴露日誌」第12回:相談するは我にあり
弊社開発による「METAL DOGS」,無事アーリーアクセスリリース後,初のアップデートを迎えております。
今回アップデートの目玉は「ハードモード」の実装ということになりましょう。一度やられたらアイテムを全ロストしてLvが1に戻る,というのがその主な骨子ではありますが,意外と遊びの幅を大きく変えてくれるのは「弾薬制限」というシステムの実装にあったりします。
そしてゲームの完成とともに,これも先ごろ発表されました「家庭用移植」が待っております。対応ハードはPS4とNintendo Switch。これはこれで機種ごとの細かいチューニングなどがありますから,やりがいがあるとともに非常にタイトな運営を,楽しみつつ進めていきたいと思っております。
去年の今頃は零細が低予算でRPGを作るということの無謀,大手との壁,そんなことを痛いほど感じていましたから。もちろんそこで構築したものは今後にも生かされますし「慎重な制作の進め方」というものを学べたのは我々として非常に大きなことです。
あまり景気のいい言葉面ではなくて恐縮ですが,身の丈にあった制作規模・内容というのは,中々やってみてそのうえで七転八倒してみないと見えて来ないものです。
そんな振興の傍らで僕も経営者の端くれとしては,「今後どうする?」を考えないといけない訳ですが,これがまた思いの外,今までとは違うムーブなんですよね。
自分たちで作ったものを自分たちで売り,自分たちで宣伝する。この新たな流れがなんとか形になった(もちろんこれも内外様々な方々のご助力あっての賜物ですが)というのは良いことなのですが,これはすなわち言ってしまえば24Frameにとって受託メイン,つまり「働いた分だけお金がもらえる」という時代の終焉を意味します。(当然ですが自社開発オンリーになる訳ではないので,リスクはヘッジされている部分もありますが)
つまり今回はなんとか形になったリリースも,一つ間違えば「働いたうえにお金は一切入ってこない」ということにもなり得たわけです。そしてそれが続くと会社が潰れるという寸法で。非常に理にかなっているといえばそうなのですが,だからこその恐怖がそこにはあるわけです。
返済とか事業とかいう以前に計画というものの捉えかたが非常にファジーな脳軟化人生を歩んでいる僕にとっては,すべてが初耳に近い状態ですから,自分だけで考えていても,そんなの分かるわけ,できるわけありません。でもできないと会社が潰れます。どうやらそれは確かです。ではどうするか? 僕の答えは一択で,「誰かに相談する」。これ以外にはありえません。
ポイントなのは「知っている人に相談する」ではなく「誰かに相談する」ということなのです。「こういう事があって困ってるんだけど,どう思う?」という相談を出会った人間手当たりしだいにカマすわけです。すると聞き方がいい加減なせいか,なんとなくのヒントをどこかの誰かがくれたりするんですよね。(聞かれた方はいい迷惑だと思います。しかも弊社の場合はリーダー限定で相談されるわけではなく,何かの会話の機会に不意に若者が僕に経営相談されたりします。これは新手のパワハラかもしれません)。
まったく関係ない,「A24って映画のレーベル,最近変わってきたよねー。ソフィア・コッポラも最近は全部A24で撮ってるんだよ。俺,驚いちゃったなあ」みたいな会話から「やっぱ独立プロってリスキーなんじゃないですかねえ」などの返しにつながったらもうこっちのものです。
「映画の独立プロか…まあうちも似たようなもんだ。まあ日本にも昔はいっぱいあったんだよな。でもだいたい潰れていたような…いや,待てよ,篠田正浩監督の表現社はまだあるっぽい。よし,ちょっと調べてみよう」で調べてみると篠田監督の奥さんである所の大女優,岩下志麻さんのインタビューに行き着き,「無理はしないのがいいですね(意訳)」で,「なるほどこれか」と思ったりするわけです。
分かったような分からない話ですが,僕も責任職ですからこの間当然ながら税理士・会計士・有識者へのヒアリングも行ってはおります。しかし最後のひと押しとなるのは身近な人との会話であることがやはり多いですね。
そんな僕ですから,アーリーアクセスという少しずつユーザーのフィードバックと相談し物事をすすめるのもどこか性に合っているのではないか,などとも思う今日このごろです。
その実情はぜひとも「METAL DOGS」初回アップデートのプレイにて確認いただければと思います。まだまだ旅の途中ですが,引き続きどうぞよろしくお願い致します。
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