【PR】IPゲーム×広告マネタイズ。キーパーソンが語る成功事例
ハイパーカジュアルゲームの広告マネタイズが導入されたアニメIPゲーム
GamesIndustry.biz:
本日はよろしくお願いします。まずはお二人がどんな役割を担っているのか教えてもらえますか。
長岡昇平氏(以下,長岡氏):
私は,株式会社GOODROIDで執行役員CMO(Chief Marketing Officer)として,当社が提供するゲームアプリの広告マネタイズを含めて,マーケティング全般を統括しています。
GOODROIDさんには,さまざまなタイトルでメディエーションツール「MAX」をはじめとしたAppLovinのソリューションを使っていただいています。私は日々,それらタイトルのマネタイズおよびユーザー獲得に関するサポートをしています。
GamesIndustry.biz:
それでは,GOODROIDがどんな会社なのか改めて教えてください。
長岡氏:
GOODROIDは2014年10月に設立した会社で,企業理念に「おもしろくあれ!」を掲げています。主な事業はカジュアルゲームアプリの企画・開発で,「おそ松さん」や「けものフレンズ」,「青鬼」といったアニメや漫画のIPを題材にしたタイトルも積極的に展開しています。最近では人気アニメ作品の「約束のネバーランド」を題材にした,「約束のネバーランド 狩庭からの脱走(以下,狩ネバ)の提供を開始致しました。
GamesIndustry.biz:
国内向けのカジュアルゲームと海外向けのハイパーカジュアルゲームでは,どちらに力を入れているのでしょうか。
長岡氏:
どちらも同じくらい注力しています。現在は,会社の体制としても,国内向けに比較的規模の大きいカジュアルゲームを制作する「アプリ事業本部」と,グローバル向けにハイパーカジュアルゲームを制作する「ハイパーカジュアルスタジオ」に組織を分けて,両分野で共にヒットタイトルを出せるよう各部署のメンバーが切磋琢磨しています。
GamesIndustry.biz:
GOODROIDではアニメや漫画のIPを題材にしたゲームアプリを多く手掛けているとのことですが,たとえば「狩ネバ」はどういった経緯で開発することになったのでしょうか?
長岡氏:
もともと社内に原作の「約束のネバーランド」のファンが多く,「ぜひゲーム化にしてみたい!」と,企画会議で長年話があがっており,今回,満を持して約束のネバーランド製作委員会にご提案させていただいた次第です。当社では,IP作品のゲーム化を行う際は,開発メンバーの中に「熱狂的にその作品が好きなメンバーがいるか」というのが判断基準になっています。
GamesIndustry.biz:
配信開始後にはAppStoreの無料ゲームランキング1位を獲得しましたが,それをどのように受け止めましたか。
長岡氏:
やはり「約束のネバーランド」は,とても人気のある作品で,ファンからの期待も大きかったので,事前登録者数も順調に伸びていました。TwitterなどのSNSを使って,ゲームルールや登場キャラクターの情報を配信したり,配信日前にリリースまでのカウントダウンを行うなど事前の盛り上げは工夫しました。それもあり,リリース日にAppStoreの無料ゲームランキング1位の好スタートを切ることができました。
GamesIndustry.biz:
実際にプレイしてみたユーザーの反響はいかがでしたか。
長岡氏:
初期に,少し不具合が出てしまい,ご迷惑おかけする部分もあったのですが,今回,一番力を入れて作っていた「鬼から逃げながら脱出する」というゲームのコンセプトに関しては,概ね好評で,私達も良かったと胸をなで下ろしましたね。
GamesIndustry.biz:
「狩ネバ」には,ハイパーカジュアルゲーム開発のノウハウが採用されたとのことですが,どのような部分に使われているのでしょうか。
AppLovin Senior Analyst, Business Development 中村 裕氏 |
GOODROID 執行役員 CMO 長岡昇平氏 |
長岡氏:
主に広告マネタイズに関する部分です。AppLovinさんにもご協力頂き,主にハイパーカジュアルゲームで採用されているインタースティシャル広告や動画リワード,バナー広告などを導入しています。
GamesIndustry.biz:
IPコンテンツに広告マネタイズを導入することで,ユーザーや版元から反発があることも予想できたかと思います。そうしたリスクがありつつも,広告マネタイズを採用した理由を教えてください。
GOODROIDさんの広告マネタイズは,機会損失を減らすきめ細やかな設定で幅広いユーザーの売上を最大化できていると捉えています
長岡氏:そうですね。当社では「課金マネタイズと広告マネタイズのハイブリッド型ゲームアプリ」という分野を切り拓いていきたい,という一つの戦略があり,本作でも,そこにチャレンジしてみよう,ということで版元さんにもご相談させていただきました。今回は「広告を表示する。ただし,有償で任意に広告を非表示にできる」という仕様に落ち着きました。当初思っていたよりは,広告に対するヘイトは少なかった印象でしたが「IPゲームに広告を入れるか否か」に関しては,引き続きABテストを続けて最適解を模索していきたいと思っています。
GamesIndustry.biz:
課金収益と広告収益のバランスはどうでしょうか。
長岡氏:
タイトルにもよるんですが,現状は広告収益が25〜50%くらいに落ち着くものが多いです。そのため,広告収益も全体の収益に大きく寄与しているので,毎度しっかり考えて設計する必要があります。
GamesIndustry.biz:
広告マネタイズがうまくいっている理由を,どのように考えていますか。
例えば,インタースティシャルはユーザーにストレスがかかる広告だと捉えています。そこで,どういった頻度で広告を出すかということには強くこだわっています。
中村氏:
すこし専門的な話になりますが,GOODROIDさんは,広告プレイスメントを数多く用意することによって機会損失を減らし,幅広いユーザーの売上を最大化できていると捉えています。ほかにも,A/Bテスト機能をご活用いただき,定期的にウォーターフォールの設定を見直しているので,常に最適な形で効率の良い広告マネタイズをしているという印象を受けます。
また実際のユーザーの反応は私には分からないのですが,長岡さんがおっしゃったインタースティシャル広告の頻度も,ユーザーにストレスを与えすぎない,最適なところをしっかり把握していると思います。
GamesIndustry.biz:
GOODROIDには,ユーザーにストレスを与えない広告の出し方に関するノウハウがあるのでしょうか。
長岡氏:
過去のタイトルで,どれくらいの間隔なら離脱率や滞在時間がどう変わるか,といったようなA/Bテストを行ってきました。その結果,「どの程度の間隔ならあまりストレスにならないか」というデータをノウハウとして蓄積しています。もちろん,ゲーム性によっても変わってくるので,やはり最終的には個別のタイトルでしっかり調整していくことが大切です。
GamesIndustry.biz:
ちなみに,これまでの経験から「これは絶対にダメだ」という広告の入れ方はありますか。
少し前までは,ゲームのプレイ中にインタースティシャル広告が表示されるのは絶対ダメだろうと思っていたんです。しかし,ハイパーカジュアルゲームの「マッスルレース3D」では,プレイ後ではなく,プレイ中,インタースティシャル広告を急に表示したんですが,意外と離脱率が上がらず,シンプルに広告のimpだけ伸ばすことができました。この経験から,感覚的に「絶対ダメ」と決めつけずに,まずは試してみてデータで判断するのがベストと改めて気づかされました。試行錯誤の結果,「マッスルレース3D」は7月22日時点でUSチャート3位まで上がったんですよ。
GamesIndustry.biz:
広告マネタイズは以前から導入しているとのことですけれども,「狩ネバ」の事例でとくに配慮したことはありますか。
長岡氏:
広告を表示しすぎるとユーザーの離脱率の増加につながりますし,また課金率に影響が出るかもしれないという懸念がありました。そこで広告を入れたケースの広告収益や課金率の低さなどを算出してLTV(Life Time Value)を試算し,議論を進めました。
GamesIndustry.biz:
試算した数値と,実際に配信を開始してからの数値は一致したのでしょか,
長岡氏:
広告収益など,各フォーマットの収益率は一致しました。結果論なので,実際に広告を少なくしてみたらどうなるかというところまでは分かりませんが,課金と広告のハイブリッドでうまく行っているマネタイズ構造になっています。
GamesIndustry.biz:
今後,アップデートによって「狩ネバ」のコンテンツが増えた場合,インタースティシャル広告や動画リワード以外の広告形式を導入する可能性はありますか。
長岡氏:
もちろん,あります。コンテンツの内容に応じて,最適な形式を検討していきます。
広告マネタイズに必要な機能がすべてそろった,メディエーションツール「MAX」とは
GamesIndustry.biz:
GOODROIDでは,広告マネタイズにAppLovinのマネタイズソリューション「MAX」を活用しているとのことですが,いつ頃から導入したのでしょうか。
長岡氏:
2020年の終わり頃からです。メディエーションツールも色々と試しているんですが,直近のタイトルは,「狩ネバ」も含め「MAX」を導入することも増えています。
GamesIndustry.biz:
「MAX」の導入にあたり,GOODROIDとAppLovinのどちらが最初にアプローチしたのでしょうか。
中村氏:
AppLovinから提案しました。
「MAX」は広告マネタイズにおける必要な機能がすべてそろっている,優れたメディエーションツールだと思います
長岡氏:
それ以前も,ネットワーク関連でAppLovinさんとはお付き合いがあったんです。「MAX」の導入を決断したのは,中村さんがハイパーカジュアルゲームのマネタイズに大変詳しいという印象があり,お任せしても良いかなと思ったからです。
GamesIndustry.biz:
実際に導入してみて,「MAX」にどのような印象を抱いていますか。
長岡氏:
広告マネタイズにおける必要な機能がすべてそろっている,優れたメディエーションツールだと思います。
私がとくに気に入っている機能は,「Ad Review」ですね。この機能を使えば,自社のアプリに流れている広告クリエイティブをチェックできるんです。とくに「約束のネバーランド」のようなIPゲームには,「こういう広告はNG」という制約がありますから,それをチェックしてNG広告をブロックできます。またGOODROIDではハイパーカジュアルゲームを作っていますから,他社がどんな広告クリエイティブを作っているのかも簡単に確認できて便利です。
あとは,ABテストが簡単にできるのも良いですね。新しいネットワークを追加するとき,ABテストを実施するとどちらが良いのかすぐ分かるので,非常に助かっています。
GamesIndustry.biz:
それでは,AppLovinのサポートはどうでしょう。
長岡氏:
中村さんには,毎日のようにSlackで相談に乗ってもらっています。
GamesIndustry.biz:
と言うことは,「MAX」の機能はもちろんですが,中村さんを始めとするAppLovinのサポートにも満足していると。
長岡氏:
ええ,非常に信頼しています。
GamesIndustry.biz:
GOODROIDでは,今後もIPコンテンツに広告マネタイズを導入していくのでしょうか。
そこは,IPやゲーム性によって導入するかどうかを決めていくことになります。おそらく広告マネタイズをまったく入れないという選択はないと思いますが,インタースティシャル広告や動画リワードだけでなくほかの形式を検討するなど,広告の入れ方を考えることになるでしょう。
GamesIndustry.biz:
それでは,今後の展望などをお聞かせください。
長岡氏:
「MAX」を使って,世界1位のハイパーカジュアルゲームを作りたいです!
中村氏:
広告マネタイズを検討しているパブリッシャさんやデベロッパさんは,ぜひGOODROIDさんのタイトルの広告の入れ方を参考に,課金と広告のハイブリッドマネタイズにチャレンジしていただければと思います。
広告を表示しすぎるとユーザーの離脱につながると考えるかたが多いですが,動画リワードならリワードがほしいユーザーは広告動画を進んで見ますし,嫌なら見ないという選択ができます。まずはそういった方法で,広告マネタイズを始めると良いのではないでしょうか。
そうした試みが海外に進出するきっかけになれば良いと思いますし,また国内展開でも広告マネタイズが主流ではないジャンルのアプリもありますから,AppLovinではぜひそうした部分をサポートしていきたいと考えています。
GamesIndustry.biz:
ありがとうございました。