【ACADEMY】ゲーム業界の面接を成功させるコツ
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あなたは書類選考を通過し,希望する職種の面接に招待された。それは,一連のテストを通してあなたのハードスキルとソフトスキルが常に試される,長くてストレスの多いプロセスのほんの始まりにすぎない。
面接は,誰もがキャリアを通じて何度も経験しなければならないことだが,経験豊富なプロフェッショナルであっても,簡単なことではない。
私は面接を受ける側として多くの面接を経験しているだけでなく,Splash Damageでは定期的にプログラミング候補者の面接を行っている。今年も採用活動が始まろうとしているが,今回は候補者との面接の経験からいくつかのポイントやヒントをお伝えしたいと思う。この記事は「採用されるための10の秘訣」のようなものではなく,面接が失敗に終わる可能性のある行動を集めたものだ。
面接の構成と期待されること
●スクリーニングコール
最大60分の短い通話のやり取りだ。面接官は,あなたの志望動機を理解し,あなたの全体的な経験を把握することを目的としている。面接官はあなたの知識を探ることもあるので,この通話の一部としていくつかの技術的な質問があるかもしれないが,通常はかなり表面的なレベルに留まる。
●技術面接
その名のとおり,この段階ではあなたの技術的な知識を評価することに集中している。技術面接には,約90分から120分の電話によるものや,1週間かけて行う持ち帰り用の課題を出されるものなど,さまざまなバリエーションがある。この段階での目的は,企業が使用している技術に精通しているかどうか,またどのような慣習に従っているかを確認することだ。ホワイトボードテスト,バディコーディングセッション,分野に関連した技術的な質問(数学,物理,コンピュータサイエンスなど)などが予想される。
技術的な質問に合格すれば,ほぼ仕事が決まったようなものだと誤解する人がいる
●文化的適合性最終面接の時間も長くなりがちだ。技術面で合格すれば,ほぼ仕事が決まったようなものだと誤解する人もいる。しかし,企業はチームへの適切な「適合性」を重視するため,これは正確ではない。
このセッションでは,自分の専門分野以外の人たち(プロデューサー,デザイナー,アーティストなど)と1対1で会話をする。これらの人々は,あなたが密接に仕事をすることになるであろう人々であり,あなたが通常のワークフローでどのように物事を処理しているかを知りたいと思っている。ここでも,技術的な質問やホワイトボードテストが行われる。このステージは120分以上にも及ぶ。
各ステージでの結果には,通話中のやり取りだけではなく,面接前,面接中,面接後のあなたの行動の総和が影響してくる。
面接の前に
●志望動機を調べておく
企業に応募する前に,なぜその企業で働きたいのかを知っておく必要がある。それは,選考時に質問される可能性が高いからだ。
●どうすればいいのか
理想的なのは,自分が情熱を感じたり,何かに共感したりする場所で働きたいということだ。その会社が使っている技術や開発している技術,その方法論,あるいは製品そのものに興味があるのかもしれない。大切なのは,正直であることだ。会社の製品について話す場合は,その製品についてさらに質問されることを覚悟してほしい。
●避けるべきこと
決して,CVスパム(※手当たり次第に問い合わせること)で応募したとか,会社がある場所に引っ越したいとかは言わないでほしい。これらは以前にも聞いたことがあるが,良い印象を与えない。それよりも,理にかなっていて,自分が本当に信じられる理由を見つけるようにしよう。
●履歴書の準備
エンジニアとして,我々は物事を秩序立てて進めたいと思っている。履歴書にはそれを反映させ,応募するポジションに合わせて作成しよう。面接官は,評価の際に注目する部分を理解するために,この履歴書に目を通す。
プレーンテキストはプロ意識や熱意が感じられないため,絶対にダメだ
●何をすべきか必ず適切なフォーマットで提出してほしい。PDF文書が一般的だ。ワード文書も可能だが,デバイスによっては正しく表示されない場合がある。採用担当者が目を通す可能性が高いため,履歴書内のポートフォリオやプロジェクトへのリンクが機能していることを確認してほしい。
●避けるべきこと
プレーンテキスト文書(.txtファイルなど)は,プロ意識や職務・会社への熱意の欠如を示すため,避けてほしい。「C++のエキスパート」といった表現も避けよう。― これは実際には誰も言えないことだ。
「C#経験 8.5/10」というのはどういう意味だろうか。余分な脂肪を削ぎ落とし,自分を過大評価しないようにしよう。私は,実際には持っていないスキルや経験を主張する人を面接したことがあるが,全体的に悪印象だった。採用担当者は現実的で,レベルに応じてどのような経験を求められるかを理解している。ほとんどの場合,一覧形式を使ったり,スキルをまとめたりするだけで十分だ(例:経験:Unity3D/C#,Unreal Engine 4/Blueprints/C++,など)。
●誰と話をするのか
面接官を調べて,自分が応募している会社との相性を把握することは自由だ。面接官のLinkedInプロフィールや個人のWebサイトを調べることは悪いことではない。興味を示すことにもなり,相手のバックグラウンドを知ることは良いアイデアだ。
とはいえ,これはあくまでも背景を調べるためのものであり,直接アプローチしてもよいと言われない限りは避けるべきだろう。
面接は失敗するためのものではないが,準備は必要だ。むしろ,自分のスキルセットを試すためのものだ。先に述べたように,面接ではテクニカルスキルとソフトスキルの両方が問われるので,その両方に関する質問に答えられるように準備しておく必要がある。経験豊富な人であっても,準備不足であれば面接に失敗する可能性がある。会社や採用方法,職務内容などを調べておくと,何が起こるかが分かる。
●事前に準備をする
一般に,面接の前には,自分が何を用意しなければならないかははっきりしている。帯域幅の広い安定したインターネット接続を利用していることを確認する。また,マイクやカメラが正常に動作することを確認してほしい。音声だけでは面接官とのコミュニケーションは難しいので,できればビデオでの面接を目指そう。
ライブコーディングテストの場合は,使用するIDEが設定されているかどうか,またそのIDEに慣れているかどうかを確認してほしい。何かを確認する必要がある場合は,メモ帳を用意しておくとよいだろう。さらには,ホワイトボードを共有して,面接官があなたのメモを見られるようにするのもいいだろう。このようにすることで,セッション中にメモを見ていたと誤解されないようにできる。
面接時の注意点
●ごまかしてはいけない
こんなことを言うのはどうかと思われるかもしれないが,これはよくあることだ。メモを見たり,ネット検索をしたりするのは厳禁だ。メモを許可する会社もあるかもしれないが,私が出会った中ではなかった。
疑問がある場合は,事前に面接官に聞いてみてほしい。許可されているかどうかを明確にすることは,聞かずにするよりもはるかに良いことだ。ほとんどの場合,面接官はあなたがメモを見ているかどうかが分かっている(間違いなくセッションは赤旗だろう),ということは覚えておこう。とにかく避けてほしい。
●急いではいけない,じっくり考えよう
前述したように,一般的な技術面接は90分から120分程度だ。このように面接に時間がかかるのには理由がある。誰もあなたがロボットのように答えを返すとは思っていない。回答する前に,自分の答えを考える時間を取ることが有効だ。会社によっては,プレッシャーの中でどのように考えているかを評価するために,20回の速攻質問セッションを行うところもある。それでも,各セクションにかけられる時間は,包括的な答えを出すためにある程度の余裕がある。
私が出会った候補者は,すぐに答えを出そうとしたり,さらに悪いことには,面接官が説明している間に質問を推測しようとしたりしていた。これは非常にイライラさせられ,面接官からのポイントも得られない。
●教科書的な答えを避け創造的であれ
繰り返しになるが,回答する前に質問を分析する時間を取ろう。教科書から直接答えを出さないようにしよう。
これは明らかにすべてに適用されるものではない。質問がドット積の計算式を中心としたものであれば,創造性を発揮する余地はあまりない。一方で,仮想的な問題を解決するためにどのデータ構造を使用するかという質問には,ベストな答えがある。しかし,この場合,ほぼ確実に,自分の答えを詳しく説明することを求められる。
知らないことを認めることは,より良い,より正直なアプローチだ
「答えが分からないときは何と言えばいいのだろう」と疑問に思うかもしれない。面接は自分を試すためのものだから,答えられないような質問をされることもある。適当な答えを出そうとするのは,確かに最悪の戦術だ。質問の答えを知らないことを隠そうとしているかどうかは,面接官にとって簡単に分かることだ。これも印象を悪くする。分からないことを認めることは,より良い,より正直なアプローチだ。私はそのような候補者を評価し,通常は考える時間を与える。私は面接官として,候補者は機械ではなく人間であることを理解しており,答えを知らなくても有効な解決策を導き出したり,自分の思考プロセスを説明したりできる人であれば気にしない。候補者がこのような特徴を示すということは,最終的な目標を明確にし,既存の知識を活用しながら解決策に至るまでの問題にどのように取り組むかを示すことができるということだ。これは,同僚として職場で仕事に取り組む際に,より大きな自律性を発揮できることを意味している。
インタビューのあとで
●面接官に直接連絡しない
面接がうまくいったかどうかにかかわらず,面接官に直接連絡することは避けよう。前述したように,面接官にメールで直接連絡を取ったり,接続リクエストを送ったり,直接連絡を取ったり,ソーシャルメディアでフォローしたりすることは,押しつけがましいと思われる可能性があるのでやめよう。そうすることで,「余分な点数」を得ようとしていると思われてしまう可能性がある。結局のところ,あなたが自分の実力に自信がなくても,ダイレクトメッセージを送って相手が意見を変える可能性はほとんどない。
逆に,会社からの返事が遅いようであれば,遠慮なく人事担当者に連絡しよう。
●失敗はあなたが十分でないことを意味しない
誰でも,本当にやりたかった仕事に就けず,がっかりした経験があるだろう。就職活動は非常に時間とエネルギーのかかるプロセスであり,このような立場にいることは大変なことだと思うが,あきらめないでほしい。
あなたの応募が進まなかった理由は必ず複数あり,それらは必ずしもあなたのスキルセットに関係しているわけではない。空き時間や勤務地などの理由で,他の候補者のほうがより適していると思われる場合もある。
それを知るには,人事部に連絡してフィードバックを求めるしかない。とはいえ,ポジティブなフィードバックばかりを期待してはいけない。むしろ,批評から学ぶ機会としてフィードバックを利用すべきで,気を悪くしてはいけない。面接官はあなたに恨みを持っているわけではない。フィードバックは,今後の面接に向けて自分のパフォーマンスを向上させる機会として活用しよう。
あなたのアプリケーションが進まなかった理由は常に複数あり,それらは必ずしもあなたのスキルセットに関連しているわけではない
●練習すれば完璧面接を成功させるには,複数の要因がある。面接官があなたを落ち着かせようと努力していても,ストレスは面接を台なしにする。大切なのは,何度も何度も練習することだ。
ありがたいことに,多くの資料を利用できる。コーディングの面接では,コンパイラがどのように動作するか,裏で何が実行されているか,メモリがどのように管理されているかを理解する必要がある。これは,マネージドメモリ環境(Java,C#,Unreal EngineのC++)で作業している場合でも同様だ。C/C++でメモリプールを作ってみたり,外部のヘルパーライブラリを使わずにシステムを作ってみたりしよう。
また,模擬オンラインインタビューセッションやアセスメントツールに参加したり,見たりして,スキルを磨くこともできる。CodingGame.comやInterviewing.ioなどのオンラインリソースがお勧めだ。
最後に
これらの洞察が,面接にまつわるプレッシャーを和らげ,潜在的なミスを回避するのに役立つことを願っている。面接で完全に自信を持てるようになるまでには時間がかかるかもしれないが,面接を受けるたびに,プロセスを乗り越える練習になり,少しずつ経験を積むことができる。
夢の仕事を手に入れるまで,面接を楽しんでほしい。
Jason Tzaidas氏は,Splash Damageのシニアゲームプレイプログラマで,プログラミングの採用チームの一員でもある。2014年にゲーム業界に入って以来,さまざまなプラットフォームやゲームジャンルに携わっていた。最近発売されたタイトルにはOutcastersやGears: Tacticsなどがある。
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※本記事はGamesIndustry.bizとのライセンス契約のもとで翻訳されています(元記事はこちら)