「株式会社24Frameの内情暴露日誌」 第3.5回:鳴かぬなら,鳴かせてみよう,犬
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大変申し訳ございません。
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昨今の不祥事や謝罪といえば有名人の不貞だったり,大会社の粉飾決算だったりするのが王道ですがご安心を。僕は有名人でもなく,この会社も大会社ではないので,今回はその両方に符合しません(不貞を働くほどの魅力や時間も,粉飾するほどのカネもないです!)。
「では何か?」と問われれば,今回の内容は,前回の予告と内容が異なります,というその一点に尽きます。
この場合の謝罪先は第一にこの連載を前回から楽しみにしてくれている読者の皆様に,そしてさらに連載に予告のコメントを毎回考えてくれている担当編集者様に向けられるべきものです(校正&締め切りも変に繰り上がるし,写真撮影につきあわされる弊社スタッフとて,たまったものではないでしょう)。
ちなみにこれを書いている時点では連載内容を変更したい旨は担当編集様にはお伝えしておりません。
原稿を書いてから渡せばお目溢しいただけるのではないかという僕の姑息な思いから,頼まれてもいない新内容を書き綴っている体たらくです(こういったところが,24Frameの成長の阻害要因であることは最早疑う余地もありません)。
ただ,僕のような小物がこのような暴挙に及ぶのにも,もちろん理由がありまして,それは端的に申し上げれば「多方面に迷惑をかけてでも,是非とも伝えたい事案ができた」ということにほかなりません。
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去る5月24日のこと(というか昨日ですね),弊社が深く関わっていて,深く関わりすぎてたまに関係性がおかしくなっている日本伝統のRPG「メタルマックス」シリーズ。その生誕30周年記念生放送が執り行われました。ご参加いただいた方々には,新たに言うまでもないですが,それはもう荘厳なセレモニーで,実際の戦車を自衛隊から借りてきて派手に砲撃をぶっ放したり,シリーズ原作者のミヤ王こと宮岡 寛氏がシャンパンタワーに腰掛けてピンドンを一気飲みするなど,バブル経済を彷彿とさせる,大ヒットシリーズに相応しい式典となり……っと,それはもちろん冗談ですが,ここで弊社としてはささやかながらもある重大な発表をさせていただきました。
それは弊社で開発中の「METALDOGS」に関するもので,さらに言うならその犬の「鳴き声」に関するものでございます。
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犬の鳴き声。これは犬ゲーを作るに当たり,外すことのできないチャームポイントです。そして今回はゲームに登場する犬が3匹。当然各々別の鳴き声を用意してその個性と愛らしさを十分に表現して然るべきパートです。しかし,ああ,何ということでしょう,あろうことか今回,このゲームのデザイナーは(つまり僕です),ゲームをどうするか云々カンヌンということばかり考えて,肝心の犬に命を吹き込むパートと言っても過言ではないこの部分のことを,何も考えていなかったのです。
いや,正確に言うと考えてはいました。しかし余りに不遜すぎて,口に出すのも憚れる内容だったのです。そして生粋の小物である僕は,こんな時だけ律儀にも遠慮して,口に出すのが憚られるので,文字通り憚って,だんまりを決め込んでいたのです。
しかし,神はいました。具体的に言うと何人かいました。結論から申し上げれば想定以上の結果を運んできてくれる神が。
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収録当日も,そもそも3匹の犬を人間が発音するってどういうことだよ,という疑問がデカすぎる状態で残っているというのに,会社でカネを借りて頑張ってます的なしなくていい世間話をぶちまかし,ムダにプレッシャーを掛けてしまうなど,ロクでもないムーブばかりの僕でしたが,収録が始まると,ただひたすらにぶっ飛びました。
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そのように想定を大幅に超えていく犬の演技が披露され,収録は想定時間内にきっちり終了。圧倒的な表現力の,犬3匹分のボイスが揃ったのでした。
このように急なオーダーや改変だらけの弊社の内情を,内外ともに暴露するというこれまた想定以上の顛末を披露させていただいた所で,今回は筆を置き,Steamのストアページで声優さんの表現を,ご堪能いただければと思います。
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次回は,前回の予告通りの内容となります。(下記にも再掲しております)各方面,関係者の皆様,(いろいろな意味で)どうもすみませんでした。
【次回予告】
「METAL DOGS」を開発するための融資を受けることになった業界の辺境経営者・友野祐介。開発に着手するというタイミングで緊急事態宣言が発令され,リモートワークを余儀なくされてしまう。しかし,24Frameにはリモートワークのノウハウがあり,発令とともに社員全員がリモートワークにあっさりと切り替えられたという。果たして友野はどんなマジックをつかったのか? 次回は,今度こそ「リモートワークの極み」のはず。お楽しみに。
「METAL DOGS」を開発するための融資を受けることになった業界の辺境経営者・友野祐介。開発に着手するというタイミングで緊急事態宣言が発令され,リモートワークを余儀なくされてしまう。しかし,24Frameにはリモートワークのノウハウがあり,発令とともに社員全員がリモートワークにあっさりと切り替えられたという。果たして友野はどんなマジックをつかったのか? 次回は,今度こそ「リモートワークの極み」のはず。お楽しみに。
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※次回の掲載は6月8日を予定しています