米大統領，COVID-19の影響で熟練外国人労働者を「米国人労働者の雇用に異常な脅威を与える」と発言。

　Donald Trump合衆国大統領は昨日，Entertainment Software Associationが長い間支持を訴えてきたH-1B熟練労働者ビザを含む，さまざまな非移民ビザの凍結を命じる行政命令に署名した。

　「アメリカの労働者は，我々の経済のあらゆる分野で外国人と仕事を求めて競争していますが，その中には，一時的な仕事をするためにアメリカに入国する何百万人もの外国人も含まれています」と大統領は命令書で語っている。「臨時労働者は配偶者や子供を伴っていることが多く，その多くはアメリカ人労働者と競争しています」

　「通常の状況下では，適切に管理された派遣労働者プログラムは経済に利益をもたらすことができます。しかし，COVID-19の発生に起因する経済収縮という異常な状況下では，そのような雇用を許可する特定の非移民ビザプログラムは，アメリカ人労働者の雇用に異常な脅威をもたらしています」

　この命令は6月24日に発効し，年末まで延長され，さらに延長される可能性も残されている。これは，4月にほぼすべての移民プログラムを60日間停止した前回の公布を延長・拡大したものだ。

　Entertainment Software Associationは，この記事を書いている時点でコメントを求められても回答していないが，同協会の公式サイトには，この問題に対する業界のスタンスが詳細に記載されている。

　ESAのWebサイトには，「ビデオゲームの開発と技術革新にとって，人材へのアクセスは非常に重要です」と書かれている。「ゲーム業界は，米国に拠点を置く従業員の採用と育成に努めていますが，より多くの労働者を必要としています。これらの雇用を米国内に維持するためには，連邦政府の移民制度は，ゲーム業界の成長を継続し，国家経済に貢献するために必要なすべての人材をゲーム会社が引き付け，雇用することを可能にする必要があります」

　H-1Bビザの停止に加えて，トランプ大統領の命令は，H-2B（一時的または季節的な非農業的就労），J（就労・就学ベースの交流訪問者），L（企業内転勤）の非移民ビザプログラムも停止している。


更新: ESAの担当者がGamesIndustry.bizに以下の声明を提供してくれた。

　「国の移民制度は，ヘルスケア，エンジニアリング，テクノロジー，インタラクティブ・エンターテイメントを含む数多くの分野において，米国経済と表裏一体の関係にあります。移民を制限する行政命令は，現在の経済危機を終わらせ，経済を安定させ，人々の職場復帰を支援するための合理的な解決策を損なうものです」

　Gearbox Entertainment Companyの広報は，同社の創業者Randy Pitchford氏の声明も発表した。

　「H-1B停止の決定は，どのような合理的な観点からも支持することは不可能です」とPitchford氏は述べている。「反移民の決定は，市民のための新しい雇用を創出するのではなく，アメリカの最大の強みである，世界最高の才能を引き付け，アメリカンドリームに参加するために移住させる能力を排除することになるでしょう。アルバート・アインシュタイン，ジョセフ・ピュリッツァー，ボブ・マーリー，リーバイ・ストラウス，オードリー・ヘップバーンのいないアメリカを想像してみてください。私にはできません」