Brendan Greene「私の受けた憎しみは狂っています。無視するしかないのです」
内容に関する警告:このレポートには,生々しい脅迫と迷惑行為の引用が含まれています。
多くの人にとって,プロのゲーム開発者としての成功を見出すことは夢である。Vlambeerの共同設立者であるRami Ismail氏とPUBGの生みの親であるBrendan Greene氏はどちらもその夢を手にしたが,先月のGamelabでの会話では,すべての成功は犠牲を伴うことを明らかにした。
Ismail氏はスペインの開発者カンファレンスであるGamelabのステージ上でGreene氏とインタビューを行い,多くの開発者が希求するもの(目立ち方,影響力,そして多くの人々をゲームに夢中にさせる)を手に入れることの暗黒面を話題にした。例えば,ピーク時には,PlayerUnknown's Battlegroundsには300万人以上の同時接続プレイヤーがいたが,そのようなレベルの注目はしばしば情熱だけでなく毒性も伴う。
「みんな意見を持ちたがります」とGreene氏は語る。「私の娘がレイプされるのを願っているとか,彼らは私がゆっくり焼け死ぬことを願っているということを言われました。これは,公開されているFacebookのプロフィールからのもので,彼らの写真付きです……。Web開発者になりたいと思っている人がいます。彼はデザインビジネスをしています。そして,彼は私をTwitterでホモ野郎と呼んでいます。
「彼らは一心にゲームに取り組みますが,いつも金玉を蹴られるだけです」
- Brendan Greene氏
「私の受けた憎しみは狂っています。無視するしかないのです……。私はオンラインで共有するものについては非常に注意を払っています。そして,一般的に私の詳細のすべてはかなり閉じ込められています……。私はその背後にある考えが分かりません。なぜ人々はこいうことをやっているのですか? なぜこれが大丈夫だと思いますか? 」「私はかつて匿名で(直接メッセージで送られた)うちの玄関の写真を受け取ったことがあります」とIsmail氏は付け加えた。「たいしたものではないですが」
非常に多くの場合,その毒性は実際の問題 ― おそらくはアップデートの遅延,または修正が必要なバグ ー に起因するが,そのフラストレーションは必ずしも有用な方法で表現されているわけではない。Greene氏が説明したように,PUBG Corporationでの彼のチームへの「フィードバック」は「私のゲームのクソなところを修正する」ことにすぎない。これらは単なる言葉だと氏は強調した。しかしそのような否定的なコメントに前向きに反応するのは難しいかもしれない。
「Erangel (PUBGのマップ)を再設計していたとき,多くの複合物を含んだマップのリークがありました。それは我々が社内で使用していたテストマップの一つでした。― そしてインターネットは激怒しました。『おまえはErangelを台なしにした! お前何をしているのか分かってないだろ! お前は最低のクソデザイナーだ!』
「デザインチームは本当にそれを心に痛めました……。本当に心を痛めたのです。そしてそれは私を殺します。私にはDayZ開発チームに何人かの友人がいますが,状況は同じです。彼らは一心にゲームを開発しますが,いつも金玉を蹴られるだけなのです」
PUBGの成功は急激に起こった。そしてGreene氏のチームは追いつくのに苦労続きだった
Ismail氏によると,有害な振る舞いは開発者が「怠惰」だという信念に基づいているという。― ゲームに問題があるという事実は,それを作っている人々が十分に働いていない,あるいは単に気にしていない証拠と見なされる。しかしその逆は真実だ。ゲームを作るのはとても困難なことだと氏は説明した。絶え間なく勤勉に努力してさえ,すべての問題を根絶することはできないと氏は語った。
「多くのアーリーアクセスのゲームが失敗する理由についてよく聞かれます」とGreene氏は語った。「それは我々が怠け者だったろり,人々を騙そうとしているからではありません。解決できない問題を見つけて予算がなくなったからです」
こういった問題は,作品に投資している大規模なプレイヤーコミュニティを抱えるすべてのデベロッパに共通するものだろうが,PUBGの場合,成長する規模とスピードによって問題が拡大した。Greene氏は,パブリッシャであるBlueholeの経営陣に,このゲームはおそらく100万部を販売するだろうと助言したことを思い出していた。
「誰がゲームを所有しているのか? 私,それともコミュニティ? 私ですよ」
-Brendan Greene氏
「それが私の目標でしたが,彼らは500万人を目指していました」と氏は語った。「我々は数週間でそれをクリアしました……。それが問題を引き起こしたのです。我々は30人,35人のチームで,最大320万人の同時接続プレイヤーを抱えるゲームを運営していました。我々のサーバーシステムは,百万人の同時接続プレイヤーを対象に設計されています。なぜなら,100万人に達することなどないと思っていたからです。これに対応するだけで大変な作業が必要になりました」これはGreene氏のチームが膨大な量のフィードバックを受けていたことをも意味している。そのうちのいくつかは上記の例のように有害で反動的なものだった。そしていくつかは単純にPUBGの改善には役立たないものだった。― しかし,多くのプレイヤーたちはそれがゲーム経験を向上させると確信して送っていたのだ。
「彼らにとってより良いゲームにしてほしいというフィードバックと,誰にとってもより良いゲームにしてほしいというフィードバックがあります」と氏は語る。「我々にとって,ええ,我々は批判に耳を傾けますが,ときにはそれを無視してただ先に進むこともあります。なぜなら,我々はゲームをどのようにしたいかというビジョンを持っているからです」
「GDCで質問を受けました。誰がゲームを所有しているのかと。私ですか,それともコミュニティですか? それは私です。あなたはゲームプレイを楽しみます。そして,我々はあなたのフィードバックを大事にします。しかし結局,それは我々のビジョンでなければなりません……。あなたはフィードバックに対処すること,そしてビジョンが純粋なままであることを保証することについては,本当に注意しなければなりません」
Greene氏は,今年4月にPUBG Corporation内の "Special Projects"チームに引っ越して,何か新しいことに取り組んでいる。その次のゲームがどんなものになっても,Greene氏は,非常に多くのオンラインコミュニティで見られているような,虐待的な行為を根絶することはまずないだろう。しかし,氏は生産におけるボトルネックを特定することについて多くのことを学んだ。― それはしばしば有害な行動の原因になる ― そして慎重な計画と正しいプロセスを通してそれらを避ける方法もだ。氏は同時に休憩を取ることの価値を学んでいる。
「私は休みを取るようにしています」と氏は語った。「私は一生懸命働きますが,週末は休みを取ります。私は自分の休暇を取るようにしています……。休みをとることは最も重要なことです。オーバーワークをしてはいけません」。
「私はソウルで2年間働きました。私は易々と日に14時間,長い間働いていました。しかし,私は今43歳です。私の新しい会社では,週に4日働いて,何でもいいので自分たちのやりたいことをやる日を作るという目標を立てています。そこにたどり着くために我々は懸命に働かなければならないことになるでしょうが,それが目標です。人々が幸せになってほしいですよね」
GamesIndustry.bizはGamelab 2019のメディアパートナーであり,主催者の協力を得てイベントに参加している。
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