CRI・ミドルウェア,ブラウザゲーム用のADX2と今後の製品ロードマップを発表

 2016年11月9日,CRI・ミドルウェアは,PCブラウザゲーム用のサウンドミドルウェア「CRI ADX2 for ブラウザ」の提供を開始した。
 最近ではUnity 5でのWebGL出力など,一般的なゲームをそのままHTML5に変換できる環境が整いつつあり,コンシューマゲーム・スマホアプリなどのマルチプラットフォーム化対象としてのPCブラウザゲームに注目する人も多い。コンシューマゲーム・スマホアプリなどで使われることの多い同社ミドルウェアがPCブラウザゲームに対応することで,マルチプラットフォーム展開がいっそう簡単になることが期待される。
 第一弾として発表されたのは,すでにYahoo!ゲームでサービスが行われている「解離性ミリオンアーサー」のPC版だ。スマートフォンなどからの移植がそのまま行われていることが分かるだろう。
 また,CRI・ミドルウェアは今後の同社製品発表予定を明らかにしている。12月にはNintendo Switchに対応したミドルウェア群がリリースされるほか,HAPTIXのVR機器対応やADX2への外部プラグイン対応などが発表されている。
 今後のゲーム開発シーンを先取りする意味でも目を通しておきたい。

CRI・ミドルウェア,ブラウザゲーム用のADX2と今後の製品ロードマップを発表

CRI・ミドルウェア公式サイト

CRI、ブラウザゲーム向けに新ミドルウェア「CRI ADX2 for ブラウザ」を提供開始
採用第 1 弾にスクウェア・エニックス「乖離性ミリオンアーサー」 PC 版

株式会社CRI・ミドルウェア(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:押見正雄、東証マザーズ:証券コード 3698、 以下CRI) は、 ゲーム開発向け統合型サウンドミドルウェア「CRI ADX2(以下 ADX2) 」を ブラウザゲーム開発向けに対応した新ミドルウェア「CRI ADX2 for ブラウザ(以下 ADX2 for ブラウザ) 」の提供を開始いたしました。
ADX2 for ブラウザは、マルチプラットフォーム展開や豊かなサウンド演出をサポートするサウンドミドルウェアとして数多くのタイトル開発に採用されている ADX2 を、 新たにブラウザゲーム向けに最適化した製品です。昨今、新たなゲーム市場として、 PC からゲームページにアクセスするだけでプレイできる手軽さでブラウザゲームが注目されています。 CRIは ADX2 の対応プラットフォームを従来のスマートフォンや家庭用ゲーム機に加えてブラウザにも拡充し、高品質なブラウザゲームの開発を強力にサポートします。
ADX2 for ブラウザを採用したタイトル第1弾は 、株式会社スクウェア・エニックスの「乖離性ミリオンアーサー」PC 版です。すでに iOS、 Android、 PlayStation Vita、 PlayStation 4 にマルチプラットフォーム展開している人気ゲームですが、さらにユーザー層を拡げるために、この度 PC 版がリリースされました。 PC 版とスマホ版のデータ連携を可能にし、自宅では PC、外出時はスマホと、デバイスを使い分けて同じゲームをプレイできることが特長です。
ADX2 for ブラウザは、すでに ADX2 を使って開発されていた「乖離性ミリオンアーサー」を PC ブラウザに展開する際のプログラムやデータを変換するコストを大幅に軽減し、スムーズかつスピーディな PC版開発をサポートしました。


CRI ADX2 for ブラウザの特長


・ Unity WebGL に対応
ゲームエンジン Unity の WebGL(※)出力に対応しています。 Unity で開発されたゲームタイトルのブラウザゲーム移植を容易に実現します。
※ブラウザ上で 3D グラフィックを表示させるためのシステム

・ブラウザを含むマルチプラットフォーム展開を強力に支援
スマートフォンや家庭用ゲーム機、アーケード、 PC など幅広い機種に対応しており、コンテンツのマルチプラットフォーム展開を強力に支援します。

・大量のサウンドデータを効率的に管理し、豊かなサウンド演出を実現
DAW 感覚で使える直観的なインターフェースのオーサリングツールによって、 BGM、 SE、ボイスなどの大量のサウンドデータを効率的に管理することができます。また、 BGM の自然な切り替えやユーザーの操作と連動した効果音など、ゲームに必要なサウンド演出もツール上で手軽にデザインできます。
高画質・高品質ムービー再生システム「CRI SofdecR2」についても順次対応を予定しています。


CRI、ゲーム開発向け CRIWARE ロードマップを発表
対応プラットフォームさらに拡充、触覚を VR へ展開

音声・映像のミドルウェアブランドCRIWARE(シーアールアイウェア)を展開する株式会社CRI・ミドルウェア(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:押見正雄、東証マザーズ:証券コード 3698、以下CRI)は、ゲーム開発向け CRIWARE のロードマップを発表いたします。
ゲーム開発向け CRIWARE ロードマップにおけるポイントは以下の 3 点です。

(1) 対応プラットフォーム(ゲーム機)の拡充
(2)VR 向け触覚対応および音声・動画機能の強化
(3)CRIWARE のオープンプラットフォーム化


■対応プラットフォームさらに拡充、触覚を VR へ展開


(1) 対応プラットフォームの拡充で、幅広いゲームビジネス展開を支援
2017 年 3 月発売予定と発表された任天堂の次世代プラットフォーム「ニンテンドースイッ チ」や、全世界で 2,350 万台以上(出展: VGChartz)を販売している Xbox One の Unity 開発向けに CRIWAREを対応します。 また、 昨今、 新たなゲーム市場として拡大しているブラウザゲームにも対応し、 CRIWAREの対応プラットフォームの拡充を図ります。
既存ゲームタイトルの新プラットフォームへの移植時や、新規タイトルのマルチプラットフォーム開発時に CRIWARE を使うことで、ゲーム開発者はプラットフォーム固有のプログラム開発にかかる工数を大幅に削減できます。 CRIWARE は、スムーズかつスピーディな開発を実現し、顧客のゲームビジネス拡大を支援します。

(2) 触覚対応および映像・音声機能の強化で、よりリアルな VR コンテンツ開発を支援
触覚ミドルウェア CRI HAPTIX(以下 HAPTIX)を、 PlayStation VR、 HTC Vive、 Oculus Rift のコントローラに対応します。 HAPTIX は、 VR の映像や音声に連動した触覚演出を実現します。コントローラの振動機能を使い、プレイヤーの動きなどに応じてインタラクティブに変化する映像・音声に合わせた触覚演出を実現します。映像や音声面の機能も VR 向けに強化し、視覚・聴覚・触覚トータルで、よりリアルで没入感の高い VR 体験の作り込みをサポートします。

(3) オープンプラットフォーム化で拡張性の高いミドルウェアへ
サウンドミドルウェア CRI ADX2(以下、 ADX2)に対して、第三者が独自のプラグイン(エフェクトやレベルメータ)を組み込める、カスタムプラグインの仕組みを提供します。これにより、ゲーム開発者は、サウンド演出で独自のエフェクトを使えるようになります。将来的には、オーディオ専門企業などのサードパーティーが、 ADX2 上でオリジナルの高品質なエフェクトを提供できる環境を実現します。

[対象製品]
‐統合型サウンドミドルウェア「CRI ADX2」
‐高画質・高機能ムービーミドルウェア「CRI Sofdec2」 (以下、 Sofdec2)
‐触覚ミドルウェア「CRI HAPTIX」


■ロードマップ概要


●2016 年 11 月リリース
[ADX2] ブラウザ向け
ブラウザゲーム開発に対応した、 「CRI ADX2 for ブラウザ」を提供開始します。大量のサウンドデータを効率的に管理し、豊かなサウンド演出を実現します。ゲームエンジン Unity の WebGL 出力に対応しており、 Unity で開発されたゲームタイトルのブラウザゲーム移植を容易に実現します。

●2016 年 12 月リリース予定
[ADX2] ニンテンドースイッチ向け
[Sofdec2]ニンテンドースイッチ向け

ニンテンドースイッチに対応した CRIWARE(ADX2、 Sofdec2、ファイルマジック PRO)を提供します。ゲームエンジンの Unity、 Unreal Engine 4 を使った開発にも対応しています。 CRIWAREはプラットフォームの違いをミドルウェア側で吸収し、プラットフォーム共通の開発環境を提供します。ゲーム開発者は CRIWARE を使うことで、新しいプラットフォームでもスムーズに開発に着手できます。

[ADX2] Unity for Xbox One 向け
[Sofdec2] Unity for Xbox One 向け

Unity for Xbox One 向け CRIWARE プラグインを提供いたします。 Unity を使用したハイエンドゲーム機向けタイトル開発のマルチプラットフォーム展開を可能にします。

[Sofdec2] エンコーダの MP4 素材対応
VR や動画コンテンツの普及により、データが重く取り扱いが難しい非圧縮の動画データではなく、MP4 形式の圧縮動画データを扱うのが一般的になってきています。 そこで Sofdec2 エンコーダの入力として、 MP4 ファイルを扱える機能を追加します。 MP4 からの素材変換の手間を省略でき、 エンコード作業量を大幅に軽減できます。

●2017 年 3 月リリース予定
[HAPTIX] VR 機器対応
触覚ミドルウェア の HAPTIX を、各種 VR デバイスのコントローラ向けに提供します。音に合わせた振動演出を生成し、 直感的な触覚表現を実現します。 PlayStation VR、 HTC Vive、 Oculus Riftへの対応を予定しています。

[ADX2] カスタムプラグイン対応
独自のエフェクトを追加できる仕組みを提供します。ライブラリとツール両方に追加でき、ゲームエンジンと組み合わせた場合にも利用できます。タイトル固有の演出を自作するなど、ユーザーごとのカスタマイズが可能になります。

[ADX2] Mac 版ツール
サウンドデザインを行うための ADX2 ツール(Atom Craft)の Mac OS X 版を提供します。 Mac 上で高度なサウンド演出からデータ圧縮、再生確認、ゲームへの組込みまでスムーズに行えるようになります。スマートフォン開発者やサウンドクリエイターなど、 Mac OS X を主な開発環境としている方の利便性を大きく向上します。

●2017 年 6 月リリース予定
[Sofdec2] ブラウザ向け
Sofdec2 独自のアルファ (透過値付き )ムービーを、 ブラウザゲームの演出に使用できるようになります。背景を抜いたエフェクトやキャラクターをムービーとしてゲーム画面に重ねることで、リッチな演出を軽量に実現できます。

[ADX2] PC 向け立体音響対応
PlayStation VR に続けて、 PC 環境向けの立体音響に対応します。 HTC Vive や Oculus Rift向けコンテンツ開発で、 ADX2 の立体音響機能を使えるようになります。

●2017 年 9 月リリース予定
[Sofdec2] ネットワーク再生(HLS 再生)対応
HLS(HTTP Live Streaming)形式の動画再生に対応し、ネットワークからの動画ストリーミング再生を可能にします。 HLS 再生は、 ストリーミング再生で待ち時間がかからない動画再生を実現します。
また、タイムリーな更新が行いやすいことも特長で、イベント対応や動画広告に適しています。ゲーム機やスマートフォンなど、マルチプラットフォームに対応した HLS 再生を実現します。
※ネットワーク再生における動画のデータサイズと画質の調整向けには CRI DietCoder を提供しています。

[ADX2] プロシージャルオーディオ対応
様々な状況に応じてプログラムが音を自動生成する、プロシージャルオーディオに対応します。あらかじめ音を制作しておく必要がないプロシージャルオーディオでは、少ないデータ量で効率的にバリエーション豊かなサウンド表現が可能です。

■お問い合わせ

ロードマップの詳細や上記以外の機能の追加など、お気軽にお問い合わせください。
(「製品についてのお問い合わせ」をご利用ください。 )
http://www.cri-mw.co.jp/contact/

■製品版の無償試用お申し込み

ADX2、 Sofdec2、 HAPTIX は、無償で製品版の試用・評価が可能です。
http://www.cri-mw.co.jp/contact/trial/

■CRI・ミドルウェア 製品紹介ページ

すでに対応済みの機能や、対応プラットフォーム/ゲームエンジン等の詳細情報については、各製品ページをご覧ください。
http://www.cri-mw.co.jp/product/

CRI・ミドルウェアは、多彩なツール&ミドルウェア製品群「CRIWARE」を通じて、開発者の皆様が創る驚きや感動の表現をサポートするとともに、事業拡大や開発効率化にも貢献してまいります。
※「Xbox One」は、米国 Microsoft Corporation の米国及びその他の国における登録商標または商標です。
※「Unity」は Unity Technologies またはその子会社の商標です。
※「PlayStation」は株式会社ソニー・インタラクティブエンタテインメントの登録商標です。
※「Vive」 、 「HTC」は、米国およびその他の国における HTC Corporation およびその関連会社の商標および/または登録商標です。
※「Oculus」 、 「Rift」は、Oculus VR, LLC の商標または登録商標です。
※「Unreal」 は、米国およびその他の国と地域における Epic Games, Inc. の商標または登録商標です。
※「Mac OS X」は、米国 Apple Inc.の米国およびその他の国における商標または登録商標です。
※その他、文中に記載されている会社名および商品名は、各社の商標または登録商標です。
※CRI・ミドルウェア、CRI・ミドルウェアロゴ、 「CRIWARE」 、 「ADX」 、 「Sofdec」 、 「CRI HAPTIX」 、 「DietCoder」は、日本およびその他の国における株式会社CRI・ミドルウェアの商標または登録商標です。