Pimax,8K広視野角VRヘッドセット「Vision 8K」シリーズを発表
これらはPimax 8KとしてKickstarterで出資を募り,かなり以前からプロトタイプが開発されており,一部は市販されていたものだ。日本でもCEATEC 2017で実機デモが公開されていた。今回の製品は,そのバージョンアップ版で一般市販版という位置付けとなるもののようだ。
CEATECでのデモ体験で確認した当時の記憶では,画質については画素はほぼ確認できないレベルで視野角も広く(公称視野角200度:左右170度,上下130度),没入感は非常に高いVRヘッドセットだった。斜めに2枚のパネルを配した概観は広視野角VRヘッドセットStar VRと似ているが,Star VRが中央部分の重なりで不連続感があるのに対して,Pimax 8Kは左右が完全に独立しているようで視野がリニアだったのが印象に残っている。
残念ながら,当時は8K画面を満足に動作させることのできるGPUが存在せず,非常に軽そうなデモしか体験できなかったのだが,最近のGPUであればそれなりのゲームを動かすことも可能だろう。
製品ラインナップは,
- Vision 8K X(4K液晶×2,75Hz)1299ドル
- Vision 8K Plus(4K液晶×2,90Hz)999ドル
となっている。いずれも視野角は200度に対応したデバイスだ。写真を見る限り,旧製品に比べて,額の上の部分に大きなヘッドパッドが取り付けられており,装着製が改善されていると思われる。
スペックの低いVision 8K Xのほうがかなり高価なのだが,これは同機が2560×1440×2の映像を3840×2160×2へとアップスケールする機能を備えているためだ。アップスケール時には90Hzで動作する。接続インタフェースはVision 8K Plusと変わらないので,ネイティブ8K時にも90Hz出そうなものだが,そちらは75Hzという仕様になっている。
どちらも4K液晶を2枚搭載しているのだが,8Kの映像を出せるのはVision 8K Xだけで,Vision 8K Plusでは5K相当の映像をアップスケールで8K画面に表示する。同社はすでに広視野角の5K対応製品をラインナップしているのだが,それらと比較すると画素によるスクリーンドアエフェクトなどは緩和されるものと思われる。
※Vision 8K Plusはアップスケールでのみ8K表示に対応しており,ネイティブ8Kが出るのはVision 8K Xだけだという指摘がありましたので修正いたします。
これらは基本的には,Steam VRの互換デバイスとして動作し,Viveコントローラやベースステーションを利用する。ただし,これらは製品には付属しないので別途用意する必要がある。
また,Steam VR以外にOculus VRのソフトにも対応しているとされている。以前の製品(Pimax 4K)ではOculus製品以外で使用不可と明記されたOculus VR製のドライバがそのままインストールソフトに入っていたりしたのだが,最近の製品でどのように対応しているのかは不明だ。
これらの製品は,Pimax Storeで予約販売されている。