Leap Motion,独自ARヘッドセット「Project North Star」を公開
これは手や指の動きを検知するLeap Motionコントローラを搭載するAR用のデバイスだ。製品そのものではなく,Leap Motionが提案するARヘッドセットの雛形となるものである。公開されてる動画と構成図を見ると,ハーフミラーと液晶パネルを使ったでものであることが分かる。解像度は1600×1440ピクセルとされているが,おそらく両眼でのものと思われる。視野角は100度で120fpsでの駆動が可能となっているという。シースルー型のARデバイスでは画像のズレが発生するので通常のVRデバイスよりもレイテンシにシビアであり,120fps程度の高速駆動は必要となってくるのだろう。視野角の100度というのは,この手のARデバイスではかなり広めといえる。
ハーフミラーは楕円体の表面を切り取ったような曲線となっており,その楕円体の焦点の1つに眼球が,もう一つの焦点の途中に液晶パネルが位置するような構造になっている。目から見て約50度の視野角部分を液晶パネルに投影するような構成である。
Leap Moionは指の動きを検出する専門デバイスだけに,手によるジェスチャー入力では圧倒的なアドバンテージを持っている。同社のOrion UIツールキットは現状では最高峰のものといえるだろう。以前試したときは認知範囲外に手が移動した場合の処理や誤認識などでまだ課題を抱えている感じではあったが,うまく動いているうちは本当にVR空間内で「手」が使える感覚が再現される。コントローラでは絶対に味わえないレベルの自由度だ。残念ながら現在のところVR/ARデバイスでの採用は行われていないのだが,ここにきて自前で新たなプラットフォームが作られたというのは面白い動きといえるだろう。
駆動には別途PCが必要なのは間違いなく,電源はそちらから取るのだろう。センサー類は図には描かれていないが,Leap MotionのカメラだけでInside Outのモーショントラッキングを行うのだろうか。
実際のところ,本当に液晶パネルがむき出しのままで製品化されるのかなど疑問もあるが,一般的なVRデバイスと比べても構成部品が少なく,安価にできそうではある。バックパックPCを買いたくなるくらいの品質で登場することに期待したいところだ。