Microsoft「我々はゲーム機の枠を超えてゲームビジネスを拡大している」
同社は,2020年までに20億人のゲーマーを魅了する展望を広げている。
2020年までにビデオゲーム人口は20億人に達することが見込まれている。
そしてMicrosoftはそのすべてにリーチしたいと望んでいる。
とはいってもXbox Oneの売り上げがあと2年で20億台になると同社が期待しているわけではない。これはMicrosoftの「Xboxカスタマー」の定義が変わっただけだ。
世界には1億4400万人のMinecraftユーザーがいる。それはすべてXboxカスタマーである。たとえPlayStation 4上のものを持っている人でもである。
Windows 10で Sea of Thievesをプレイしようと思っている人はXboxカスタマーである。
PlayerUnknown's BattlegroundのストリーミングをMizerで見ている人も……またXboxカスタマーである。いい加減だが。
そしてIdle Miner Tycoonというゲームがある。iOSとAndroid用のシミュレーションゲームだが,Fluffy Fairyによって開発されている。これはMicrosoftのPlayFabプラットフォームとAzureクラウドテクノロジーを使っている。この場合,Xboxカスタマーなのはゲーマーというよりデベロッパのほうになるのだが,依然としてそれはMicrosoftがゲーマーのゲーム体験で隠れた役割を演じていることを意味している。
「Philが執行副社長に昇進したとき,Satya(Nadella:Microsoft CEO)への報告で,彼はMicrosoft全体でどうゲームを成長させるのかと聞かれたそうです」と, Microsoftのゲーミングクラウドのゼネラルマネージャーを務めるKevin Gammill氏は語った。
「例としてMinecraftを使うと,我々はPC,Xbox,PlayStation,任天堂そしてモバイルデバイスで1億4400万本を売ってきました。我々の行く先を考えると,それはまさに我々がどのようにゲーム機を超えてビジネスを拡大できるかにかかっています」
「我々は,いかなる意味においてもコンソールビジネスから離れるわけではありません。そこへの投資は続けています。リビングルームでのプレミアム名体験はXbox One X上のものです。この状況が今後数年間続いて繰れたらと思います。しかし,我々がどれほどビジネスの幅を広げようとしているのかを考えたとき,成功するにはゲーム機を超えたところで考える必要があります」
ブリーフィング中に,同社は何度も繰り返して,どれほどそのツールとプラットフォームがほぼすべてのゲームプラットフォーム上で動くのかを述べていた。―PC,Mac,そしてスマートフォン。同社の統合開発環境Virtual Studioは(※Visual Studioか),MicintoshではUnityの標準IDEになっている。MicrosftはOSやゲーム機を捨てたりはしない。しかし,彼らのビジネスは完全にそれにフォーカスしているわけでもない。実際,それらは必要でさえない。
それはコンシューマサイドのXboxで起きている幅広いトレンドに適合している。これが,Microsoftがクロスプレイを採用している理由である。SwitchでRocket Leagueをプレイしている人がXbox OneでのRocket Leagueプレイヤーと対戦しているすると,ああ,それはMicrosoftが間接的にリーチしている別のゲーマーグループとなる。
「ここであなたが見ているのは,Microsoftが何年にもわたって引き継いできた変化です」とGammill氏は語る。「たとえばもし,あなたがOfficeについて考えたら,Officeは我々の自社OS上だけで動いてるわけではありません。iOSでも動いています。我々は手にしたいものにたどりついたら,翼を広げています。あなたは我が社の企業哲学がゲーム分野に展開されているところを見ているのです」
「我々のビジネスを本当に拡大させるには,我々は自分のデバイスやOSだけでやっていくわけにはいきません。我々は本当にすべての人に触ってほしいと思っています。もしあなたがカスタマーのことを,この場合のカスタマーは開発者のことになりますが,そしてなにが彼らとってよいものなのかを考えるならば……,それはまさにデバイスないしOSの見えないレンズから見ようとしており,どのプラットフォームで動いているかに関係なく恩恵を受けられるサービスを提供しているのです」
Microsoftのクラウドベースゲームテクノロジーは多くの異なった分野に広がっている。それには,1200以上のゲームに使われているライブゲームのバックエンドである最近買収したPlayFabも含まれる。Gammill氏はよどみなくいくつかのブランド名を挙げていた。Visual Studio,Simplygon,App Centre,Azure……これらの名前の多くはほとんどの人には意味のないものだろうが,いずれもゲームメーカーに提供される強力なファーストパーティクラウドを展開しようというMicrosoftの刷新の成果で中軸をなすものである。
Microsoftは,Amazonがやっているようなクラウドゲームイニシアティブを推進するテクノロジービジネスだけをやっているわけではない。ではなぜ,クラウド制御の主戦場でゲームの提供をするのだろうか?
「ゲームデベロッパに関して分かるのは,彼らが血がにじむような最先端技術の場にいたがるというものがあります」とGammill氏は説明する。「彼らは既存の技術に飽き足らず,マシンでできることの限界まで追い詰めるような傾向があります。これは往々にして事業面やその他の分野で副次的利益となります。なぜMicrosoftが急にゲームに興味を持つようになったのかを考えると,私は我々はいつもゲームに興味を持っていたのだと主張したいですね。しかし,これはゲーム開発者がどれほどテクノロジーを進められるのかを認めているのです。
ゲームに使われているテクノロジーはその他のMicrosoft製品を改善し続けている。―それがOfficeあるいはWindowsないしそれ以外のビジネス製品だったとしても。しかしXboxについてはちょっと特殊だ。これは同社のゲーマーへのリーチを広げることを主目的としている。同社は20億人のゲーマーを3種類の方法で勝ち取ると語っている。―MinecraftやHaloのようにゲームを通じて,Xbox LiveやMizer,Game Passのようなサービスを通じて,そしてゲームデベロッパー向けのクラウドサービスを通じてである。
この戦略の最も面白い点は,リストを作らないことだ。すべてのゲームやサービスは特定のハードウェアなしでゲーマーのもとに届けられる。
ボックスなしのXBOXビジネスを我々が目にするのはまだまだ遠い話だ。我々が,このクラウド技術はどれくらいゲームストリーミング ―伝説的な「Netflix for games'」― で使われるのかを切り出したとき,Gammil氏は端的に,Xbox One Xのようなクオリティはストリーミングサービスで置き換えるのは難しいだろうと述べた。少なくとも今は。Microsoftがゲーム機なしの未来に準備しているという言質は取れなかった。
同社がこの戦略に本気なのであれば,HaloをPlayStationでプレイしたり,NintendoでXbox Liveにアクセスするといったアイデアは,もはや誰しも考えたことのあるような架空のものではない。
2020年までにビデオゲーム人口は20億人に達することが見込まれている。
そしてMicrosoftはそのすべてにリーチしたいと望んでいる。
とはいってもXbox Oneの売り上げがあと2年で20億台になると同社が期待しているわけではない。これはMicrosoftの「Xboxカスタマー」の定義が変わっただけだ。
世界には1億4400万人のMinecraftユーザーがいる。それはすべてXboxカスタマーである。たとえPlayStation 4上のものを持っている人でもである。
Windows 10で Sea of Thievesをプレイしようと思っている人はXboxカスタマーである。
PlayerUnknown's BattlegroundのストリーミングをMizerで見ている人も……またXboxカスタマーである。いい加減だが。
そしてIdle Miner Tycoonというゲームがある。iOSとAndroid用のシミュレーションゲームだが,Fluffy Fairyによって開発されている。これはMicrosoftのPlayFabプラットフォームとAzureクラウドテクノロジーを使っている。この場合,Xboxカスタマーなのはゲーマーというよりデベロッパのほうになるのだが,依然としてそれはMicrosoftがゲーマーのゲーム体験で隠れた役割を演じていることを意味している。
「Philが執行副社長に昇進したとき,Satya(Nadella:Microsoft CEO)への報告で,彼はMicrosoft全体でどうゲームを成長させるのかと聞かれたそうです」と, Microsoftのゲーミングクラウドのゼネラルマネージャーを務めるKevin Gammill氏は語った。
「例としてMinecraftを使うと,我々はPC,Xbox,PlayStation,任天堂そしてモバイルデバイスで1億4400万本を売ってきました。我々の行く先を考えると,それはまさに我々がどのようにゲーム機を超えてビジネスを拡大できるかにかかっています」
「我々は,いかなる意味においてもコンソールビジネスから離れるわけではありません。そこへの投資は続けています。リビングルームでのプレミアム名体験はXbox One X上のものです。この状況が今後数年間続いて繰れたらと思います。しかし,我々がどれほどビジネスの幅を広げようとしているのかを考えたとき,成功するにはゲーム機を超えたところで考える必要があります」
「我々は,いかなる意味においてもコンソールビジネスから離れるわけではありません。そこへの投資は続けています」
GDCの事前ブリーフィングでMicrosoftは,Kareem Choudhry氏をフロントにした新たなクラウドゲーム部門を発表した。この新部門は,同社が現在デベロッパに提供しているすべてのクラウドゲーム製品を含むものとなる。ブリーフィング中に,同社は何度も繰り返して,どれほどそのツールとプラットフォームがほぼすべてのゲームプラットフォーム上で動くのかを述べていた。―PC,Mac,そしてスマートフォン。同社の統合開発環境Virtual Studioは(※Visual Studioか),MicintoshではUnityの標準IDEになっている。MicrosftはOSやゲーム機を捨てたりはしない。しかし,彼らのビジネスは完全にそれにフォーカスしているわけでもない。実際,それらは必要でさえない。
それはコンシューマサイドのXboxで起きている幅広いトレンドに適合している。これが,Microsoftがクロスプレイを採用している理由である。SwitchでRocket Leagueをプレイしている人がXbox OneでのRocket Leagueプレイヤーと対戦しているすると,ああ,それはMicrosoftが間接的にリーチしている別のゲーマーグループとなる。
「ここであなたが見ているのは,Microsoftが何年にもわたって引き継いできた変化です」とGammill氏は語る。「たとえばもし,あなたがOfficeについて考えたら,Officeは我々の自社OS上だけで動いてるわけではありません。iOSでも動いています。我々は手にしたいものにたどりついたら,翼を広げています。あなたは我が社の企業哲学がゲーム分野に展開されているところを見ているのです」
「我々のビジネスを本当に拡大させるには,我々は自分のデバイスやOSだけでやっていくわけにはいきません。我々は本当にすべての人に触ってほしいと思っています。もしあなたがカスタマーのことを,この場合のカスタマーは開発者のことになりますが,そしてなにが彼らとってよいものなのかを考えるならば……,それはまさにデバイスないしOSの見えないレンズから見ようとしており,どのプラットフォームで動いているかに関係なく恩恵を受けられるサービスを提供しているのです」
Microsoftのクラウドベースゲームテクノロジーは多くの異なった分野に広がっている。それには,1200以上のゲームに使われているライブゲームのバックエンドである最近買収したPlayFabも含まれる。Gammill氏はよどみなくいくつかのブランド名を挙げていた。Visual Studio,Simplygon,App Centre,Azure……これらの名前の多くはほとんどの人には意味のないものだろうが,いずれもゲームメーカーに提供される強力なファーストパーティクラウドを展開しようというMicrosoftの刷新の成果で中軸をなすものである。
Microsoftは,Amazonがやっているようなクラウドゲームイニシアティブを推進するテクノロジービジネスだけをやっているわけではない。ではなぜ,クラウド制御の主戦場でゲームの提供をするのだろうか?
「ゲームデベロッパに関して分かるのは,彼らが血がにじむような最先端技術の場にいたがるというものがあります」とGammill氏は説明する。「彼らは既存の技術に飽き足らず,マシンでできることの限界まで追い詰めるような傾向があります。これは往々にして事業面やその他の分野で副次的利益となります。なぜMicrosoftが急にゲームに興味を持つようになったのかを考えると,私は我々はいつもゲームに興味を持っていたのだと主張したいですね。しかし,これはゲーム開発者がどれほどテクノロジーを進められるのかを認めているのです。
ゲームに使われているテクノロジーはその他のMicrosoft製品を改善し続けている。―それがOfficeあるいはWindowsないしそれ以外のビジネス製品だったとしても。しかしXboxについてはちょっと特殊だ。これは同社のゲーマーへのリーチを広げることを主目的としている。同社は20億人のゲーマーを3種類の方法で勝ち取ると語っている。―MinecraftやHaloのようにゲームを通じて,Xbox LiveやMizer,Game Passのようなサービスを通じて,そしてゲームデベロッパー向けのクラウドサービスを通じてである。
この戦略の最も面白い点は,リストを作らないことだ。すべてのゲームやサービスは特定のハードウェアなしでゲーマーのもとに届けられる。
ボックスなしのXBOXビジネスを我々が目にするのはまだまだ遠い話だ。我々が,このクラウド技術はどれくらいゲームストリーミング ―伝説的な「Netflix for games'」― で使われるのかを切り出したとき,Gammil氏は端的に,Xbox One Xのようなクオリティはストリーミングサービスで置き換えるのは難しいだろうと述べた。少なくとも今は。Microsoftがゲーム機なしの未来に準備しているという言質は取れなかった。
同社がこの戦略に本気なのであれば,HaloをPlayStationでプレイしたり,NintendoでXbox Liveにアクセスするといったアイデアは,もはや誰しも考えたことのあるような架空のものではない。
※本記事はGamesIndustry.bizとのライセンス契約のもとで翻訳されています(元記事はこちら)