Microsoft,スマホゲームの体感を落とさずに消費電力を下げる技術「RAVEN」を紹介
RAVENはMicrosoft Research AsiaとKorea Advanced Institute of Science & Technology(KAIST)が共同で開発したシステムで,ゲームの見た目や体感を変えることなくスマートフォンの消費電力を下げることができる技術だという。
その基本原理は,人間の目では十分近いグラフィックスの変化を近くできないことを利用して,変化が小さいときにはレンダリングをしないようにすることにある。
まず,彼らは人間の目の色の違いに対する感受性に基づく類似性測定法を開発したが,輝度成分で変化を測定するのが電力効率のよい方法だとしている。続いて,ゲーム画面に対して80×45ピクセルといった極端に小さな仮想画面を導入し,それをベースに処理をすることで省電力化(と高速化か)を図っている。
Nexus 5Xに実装されたRAVENシステムで11人の被験者を使った実験では,平均21.8%,最高34.7%の電力消費削減が達成されたという。
原理的に,画面が動きまくるグラフィックスヘビーなゲームでの有効性には疑問が残るものの,見た目に分からない範囲で電力だけ削減してくれる技術というのは,プレイヤーにとってありがたいものだろう。論文の詳細はACM Digital Library(有料)で入手可能だ。