alive 2017レポート:キム・ヒョンテのキャラが動きまくる「デスティニーチャイルド」はどう作られたのか
最近のLive2Dシーンの中でとくに目立っているゲームに「デスティニーチャイルド」がある。今回のイベントのイメージキャラクターとしても採用されているくらいなのだが,デスティニーチャイルドの制作を行っているのはキム・ヒョンテ氏が代表を務めるSHIFT UPだ。同社の初作品ということでとくにビジュアルに気合の入った作品になっている。描画には全面的にLive2Dが取り入れられ,Live2D史上でも有数の動きまくるタイトルだといっていいだろう。
alive 2017では,そのキャラクターたちがどのように作られたのかについての講演が行われた。SHIFTUPのリン・ミュンスー氏から,日本では未実装のボスキャラを題材に,どのようにキャラクターの魅力を引き出す動きをつけるのかなどのノウハウが語られたのだ。
最初に語られたのは,このキャラクターでは動く要素が多いということだ。中央にお尻を向けた女性,周囲を飛び回る提灯(灯篭?),地面にリスが2匹という構成だ。リス1匹を取っても細かく書き込まれているので,通常のキャラクターと同様にしっかり動かすことにしたとリン氏は語っていた。
そして,動く光源は3種類。提灯と宙を舞う魔除け札,そして鬼火だ。
提灯は本体と光の部分を分離して明るさを変化させるなどの工夫がさせたり,提灯本体が傾いても光のフレアエフェクトは常に水平に出るような調整が行われている。
画面内には5つの提灯が飛んでいるが,原画レベルでそのうちの2つはコピーされたものだったので,Live2Dでもデータを流用しているという。
原画には提灯の光によって,キャラクターにハイライトが出ているのだが,Live2D化して光源が動くようなら,当然ハイライトも変化する必要がある。こういったハイライトの表現では,キャラクターと同じ動きをする,ハイライトだけのレイヤーを重ねておき,光源の距離などに応じて透明度を調整するなどのテクニックが紹介された。
このゲームでは,魔除け札の放つ青い光と提灯の黄色い光に対応したハイライトが別レイヤーで重ねられている。
そのような反射のレイヤーはちゃんと分けて原画が作られているのかという会場からの質問に対しては,必ずしもそうではないとのことだった。イラストレーターは自由に描くため,足りない部分は自分で描き足してレイヤー分けをしたり,そのほか,見えてない部分も描き加えることが必要になるという。そのため,ある程度自分で絵が描けない人だとちょっと難しいだろうとリン氏は語っていた。
また,このゲームで非常に多い女性キャラの動かし方については,「上半身と下半身に分けて,逆方向に動かす」ことが基本となるという。女性らしい動きの基本となるもののようだ。
なお,攻撃時のパターンでは,ボスキャラということもあって,目元に若干余裕の笑みを混ぜつつ,表情を動かしているところが紹介されていた。
テクスチャアトラスはびっしりと隙間なく詰め込まれているが,これは手作業で行われているとのこと。また,キャラクターの顔だけはテクスチャサイズを大きくして拡大表示に耐えるようにするなどの工夫が行われている。
今回のボスキャラでは,描画オブジェクト数は432個,ポリゴン数は4418,曲面デフォーマは30個,回転デフォーマは223個が使用されているとのこと。
キャラクターモデルのポリゴン数については,4000というポリゴン数は少なめではないかという会場からの質問があったが,実際にはボスということもあって,むしろ多めに使っているのだという。ゲームでは複数体の表示などもあるため,通常は1500〜2500程度でやっているそうだ。
また,曲面デフォーマが少ないことに関しては,アートメッシュを直接変形させているのかという質問が上がったが,そのとおりだそうだ。同社ではキャラクターの立体感を重視しているとのことで,頂点を手作業で動かしていく形の変形を多用しているとのこと。
このキャラクターの制作期間はほぼ3週間とのこと。これはイラストを受け取ってから動きを付け,チェックに出して修正して完成するまでの期間だ。ボスキャラは通常もっと時間をもらえるらしいのだが,今回は時間がとれず一般キャラと同じスケジュールで仕上げられたとのことだった。
リン氏は長年アニメーターとして働いていたそうだが,Live2Dは最も原画を生かせるツールだと評価していた。セルアニメなどだと原画とは別のモノができることが多いのだが,Live2Dなら原画をそのまま動かせる。これはクリエイターにとって大きな武器となり,ほかとは違う作品が作れると語っていた。
リン氏は,Live2Dに出会わなければ,平凡なアニメーターで終わっていただろうと自身の人生を振り返り,Live2Dに出合えてよかったとまとめていた。
最初に語られたのは,このキャラクターでは動く要素が多いということだ。中央にお尻を向けた女性,周囲を飛び回る提灯(灯篭?),地面にリスが2匹という構成だ。リス1匹を取っても細かく書き込まれているので,通常のキャラクターと同様にしっかり動かすことにしたとリン氏は語っていた。
そして,動く光源は3種類。提灯と宙を舞う魔除け札,そして鬼火だ。
画面内には5つの提灯が飛んでいるが,原画レベルでそのうちの2つはコピーされたものだったので,Live2Dでもデータを流用しているという。
原画には提灯の光によって,キャラクターにハイライトが出ているのだが,Live2D化して光源が動くようなら,当然ハイライトも変化する必要がある。こういったハイライトの表現では,キャラクターと同じ動きをする,ハイライトだけのレイヤーを重ねておき,光源の距離などに応じて透明度を調整するなどのテクニックが紹介された。
このゲームでは,魔除け札の放つ青い光と提灯の黄色い光に対応したハイライトが別レイヤーで重ねられている。
そのような反射のレイヤーはちゃんと分けて原画が作られているのかという会場からの質問に対しては,必ずしもそうではないとのことだった。イラストレーターは自由に描くため,足りない部分は自分で描き足してレイヤー分けをしたり,そのほか,見えてない部分も描き加えることが必要になるという。そのため,ある程度自分で絵が描けない人だとちょっと難しいだろうとリン氏は語っていた。
また,このゲームで非常に多い女性キャラの動かし方については,「上半身と下半身に分けて,逆方向に動かす」ことが基本となるという。女性らしい動きの基本となるもののようだ。
なお,攻撃時のパターンでは,ボスキャラということもあって,目元に若干余裕の笑みを混ぜつつ,表情を動かしているところが紹介されていた。
テクスチャアトラスはびっしりと隙間なく詰め込まれているが,これは手作業で行われているとのこと。また,キャラクターの顔だけはテクスチャサイズを大きくして拡大表示に耐えるようにするなどの工夫が行われている。
今回のボスキャラでは,描画オブジェクト数は432個,ポリゴン数は4418,曲面デフォーマは30個,回転デフォーマは223個が使用されているとのこと。
キャラクターモデルのポリゴン数については,4000というポリゴン数は少なめではないかという会場からの質問があったが,実際にはボスということもあって,むしろ多めに使っているのだという。ゲームでは複数体の表示などもあるため,通常は1500〜2500程度でやっているそうだ。
また,曲面デフォーマが少ないことに関しては,アートメッシュを直接変形させているのかという質問が上がったが,そのとおりだそうだ。同社ではキャラクターの立体感を重視しているとのことで,頂点を手作業で動かしていく形の変形を多用しているとのこと。
このキャラクターの制作期間はほぼ3週間とのこと。これはイラストを受け取ってから動きを付け,チェックに出して修正して完成するまでの期間だ。ボスキャラは通常もっと時間をもらえるらしいのだが,今回は時間がとれず一般キャラと同じスケジュールで仕上げられたとのことだった。
リン氏は長年アニメーターとして働いていたそうだが,Live2Dは最も原画を生かせるツールだと評価していた。セルアニメなどだと原画とは別のモノができることが多いのだが,Live2Dなら原画をそのまま動かせる。これはクリエイターにとって大きな武器となり,ほかとは違う作品が作れると語っていた。
リン氏は,Live2Dに出会わなければ,平凡なアニメーターで終わっていただろうと自身の人生を振り返り,Live2Dに出合えてよかったとまとめていた。