Vitaは単純に遅すぎた − 元SCEA Tretton氏

かつてのSCEAのCEOは,ソニーの最新携帯ゲーム機は素晴らしいマシンだったが,ローンチの時点で携帯ゲーム専用機を望む人などほとんどいなかったと語った。

 Jack Tretton氏がソニー・コンピュータエンタテインメントアメリカを去ってから2年ほど経過し,彼が会社の欠点を避けて回る必要もなくなった。IGNとの最新のインタビューでTretton氏は彼の任期での最大の失望となったPlayStation Vitaについて議論している(参考URL)。

 「私はもはやそこで働いていません。私が思うにVitaは内部的には“これはすごいマシンだが,ちょっと遅すぎた”ということになっています」とTretton氏は語った。「世界はすでに携帯型ゲーム専用機でないデバイスへとシフトしていました。そして私が考えるに,PSPは信じられないほどの成功を収めていました。私は私がやってきたことを愛していますし,PSPが据え置き型ゲーム機に近い携帯ゲーム体験とそういったジャンルを年長のゲーマーにもたらしました。彼らはほぼそういった携帯ゲーム機を持っていなかったんです。しかし,Vitaは素晴らしいマシンでしたが,ゲーム専用の携帯型デバイスをほとんど誰もほしいと思っていなかった時期に現れました」

 Vitaは北米とヨーロッパでは2012年2月に発売さるやいなや,強い失望を持って迎えられた。そして8月にはTretton氏はインタビューでハードウェアのパフォーマンスを守らなければならないと答えている。
 「この業界では,調子に乗ったり卑屈になりすぎてはいけません。状況はすぐ変わるのです。私が思うに,受け入れられる台数というのがあるのだと思います。我々は,その台数を売ってきました。その数字が限界なのです。もし,それが3倍だったらとても幸せだったでしょうし,3分の1だったらとても失望したでしょうね」

 「なんであれ,大きな報酬には大きなチャレンジはつきものです。我々は,技術があったらとか,ゲームサポートがよかったらとか,もっとユーザーがいたらと感じていました。……私は4か月前に比べればいまはずっとよくなったと思います」と付け加えた。
 しかし,1年以上前から会社に「レガシープラットフォーム」扱いされて,西洋ではソニーに捨て去られているにもかかわらず,Vitaはいまだに販売され続けている。

※本記事はGamesIndustry.bizとのライセンス契約のもとで翻訳されています(元記事はこちら