Intel,外界を認識する(?)Merged Realityと独自ヘッドセット「Project Alloy」を発表
まだ情報が少ないのでMerged Realityがどういったものを意味しているのか正確に把握するのは困難だ。IntelはMerged Realityのイメージビデオを公開しているが,残念ながらビジョンは伝わってこないので,ほぼ意味不明といってよい。
Intel CEOのBrian Krzanich氏は,既存のVRやARに対してMearged Realityで5つのアドバンテージを挙げている(参考URL)。
●6自由度のモビリティ
まあ,6自由度のセンサーと処理系はほとんどのVR/ARシステムには搭載されている機能ではある。おそらくオールインワンタイプのワイヤレスなので,動き回れる範囲についての優位性を語っているものと思われる。
●トラッキング機能の統合
位置のトラッキング補正を内蔵したカメラを使って行うことを意味していると思われる。
●より自然な操作
手を使った操作ができるとしている。おそらくRealSenseテクノロジーによる手のトラッキングで,コントローラなしで操作ができるのだと思われる。
●命綱不要
ヘッドセットやコントローラなどでケーブルを必要としない。
●リアルワールドをデジタイズしたコンテンツ
リアルタイムで現実の世界をスキャンしてVR空間に再現できるとしている。
RealSenseを活用し(「Array of cameas」とあるので,発展版かもしれない),現実世界をリアルタイムに3Dデータ化して,そこにCG画像を合成する技術とそのためのワイヤレスなヘッドセットがMerged Realityの要点ではあるらしい。
カメラやレーザースキャンなどで現実世界を3Dデータ化するような技術はすでに存在しており,限定された平面などに対しては,ある種のARでは当たり前のように行っていることではある。だが,それを前提に,現実空間とVR空間を合成するという立場であることを強調するため,Mixed Realityなどとは分けた用語を使用しているのだろう。
現状のバージョンはかなり大きめで,現行VRヘッドセットと比べてもひときわ大きい。イメージビデオのように,これをつけてパーティ会場に乗り込むのはなかなか勇者といえるだろう。
VRやAR,とくにMRで実現される世界に,外界を認識するという要素を必須機能として加えたことでMerged Realityが実現するであろう体験はより具体的なものとなったといえる。Intelが持つGPUコアの性能などの懸念点はあるが,オープンハードウェアであれば他社からの製品で解消される可能性は高い。今後の展開が期待できるプロジェクトといえるだろう。