PS4.5と噂される コードネーム「Neo」のスペックが判明?

 RAM,GPU,CPUがアップグレードされビジュアルが向上するも,新規タイトルは初代PS4への対応が義務付けられるという。

 今年のGDC以来,噂されながら確報の出なかった新型PS4について,CPU,GPU,メモリが改良されるというハードウェア仕様詳細記事がリリースされた。

 Giant BombのAustin Walker記者は,開発者と思われる複数のソースから初代PS4からのハード面での改良点に関する文書を入手したとしており(関連URL),開発者とユーザー双方に対する導入戦略を詳述している。

 同記事によると,新型は内部で「Neo」と呼ばれているという。ギリシャの神々の名前から取るという本来の命名規則を外れているが,PlayStation VRのコードネームが「Morpheus」であることを考えればさもありなん,というところか。Walker記者が目にした文書は,不満の声が上がっていた同コンソールの3つのパフォーマンス関連のコンポーネントが飛躍的に改善されることを示した興味深い内容である。

 Walker記者によれば,NeoのCPUはクロック速度が約3割増しになり,8つのJaguarコアが2.1GHz(現行モデルは1.6GHz)で動く。さらに,改良型AMD GPUにより,演算ユニットは現在の18個から倍増の36個となり,クロック速度が800MHzから911MHzへと向上する。最後にメモリ帯域幅も拡大が見込まれている。ベース値は変わらないが,8GBのDDR5メモリが218GB/秒(現行モデルは176GB/秒)で稼働する。効率の改善により,メモリバジェットは512MiB(512メビバイト=536870912B。日本ではほぼ512MBと同義)増加する計算だ。
※訳注:SP数が単純に倍化されているとすると,GPUコアの演算性能は従来の1.84TFLOPSから4.2TFLOPSに跳ね上がる。これはGeForce GTX 980の4.61TFLOPSには及ばないが,GTX 970の3.49TFLOPS(ベースクロック動作時)を上回る性能だ


現行モデル Neo
CPU Jaguarコア8個@1.6GHz Jaguarコア8個@2.1GHz
GPU AMD GCN,CU18個@800MHz 改良型AMD GCN,CU36個@911MHz
メモリ 8GB GDDR5,176 GB/秒 8GB GDDR5,218 GB/秒

 交換や外付けによる増加が可能なPS4のハードドライブは据え置きとなるという。

 おそらく単純な統計値よりも興味深いのは,追加された能力の使い道,特に開発者がソニーから課せられている制限だろう。ハードウェアの改良に関する噂が最初に浮上する時には,新しい強力なモデルが登場することにより,古いモデルでは遊ぶことのできないタイトルが登場するのではないかという懸念がつきものだ。ありがたいことに,今回の記事では新しいタイトルはすべて古い仕様のマシンでも遊べることが要件となるとされているため,そのあたりの不安は払拭されると思われる。それでも,Walker記者によれば,9月以降にリリースされるゲームにはハードウェア性能の向上の恩恵を受けられるNeoモードの搭載が義務付けられるという。Neoモードで実行されるゲームは,フレームレートの向上と安定化が見込まれ,4K出力にも対応する可能性が高いが,この点に関しては明記されていない。

 オンライン対戦は,クロスプラットフォームであっても統合されたままとなる。つまり,たとえばNeo PS4で「Call of Duty」を遊んでいる人は,新旧両方のハードウェアのプレイヤーと対戦可能であり,特に対戦時に有利になることはないということだ。また,Neoのみで利用可能な新しいモードやDLCなどの特別なゲーム機能が提供されることもないが,ローカルプレイでの上限プレイヤー数の増加やローディングタイムの短縮などの機能に対応する可能性がある。メニューシステムの見た目は同一なので,フロントエンドでの使用感は変わらない。購入したタイトルはすべて新システムに移行され,すべてのPS4タイトルが新モデルでプレイ可能となる。ソニーは,開発者たちが新しいチップの恩恵を受けられるために,古いタイトルにパッチを当てられるようにすることも検討している。

 興味深いことに,今回の文書には,ハードウェアの改良に関する決断において外すことができない,と広く考えられている要素であるPlayStation VRについての言及はないとされている。しかし,現行モデルのPS4でPlayStation VRのヘッドセットを利用するには, インラインブレイクアウトボックスの処理能力が不足している点を考慮すると,新モデルではこのユニットを丸ごと廃止するか,ローカル性能の向上を提供するというのはありそうなことだ。

 上記すべての内容についてソニーによる確認を求めているが,執筆時点では未回答である。

※本記事はGamesIndustry.bizとのライセンス契約のもとで翻訳されています(元記事はこちら