米議会議員,ソニーの日本での“独占”を批判

PlayStationは同国の“ハイエンド”ゲーム市場をめぐる反競争的行為で非難される

米議会議員,ソニーの日本での“独占”を批判

 米国議会の議員たちは,ソニーが日本の“ハイエンド”ゲーム市場を“独占”していることに懸念を示し,同国での健全な競争を妨げていると指摘した。

 Politico(外部リンク)が報じたように,Maria Cantwell米上院議員(ワシントン州選出)は先週,上院財政委員会の公聴会でこの発言を行い,Katherine Tai米通商代表に対し,現在進行中の貿易協議でこの問題を日本に提起するよう求めた。

 注目すべきは,この議論が日本市場における任天堂の存在(そして普及)を完全に無視していることだ。2022年,Nintendo Switchは日本でその年に最も売れたハードであり,トップ10のゲームのうち9つが任天堂のファーストパーティタイトルだった。Microsoftの日本でのシェアは歴史的に極めて低い(2022年のSwitch販売台数は480万台,PS5は120万台,Xboxは26万9737台)。

 「ソニーはハイエンドゲーム市場の98%を独占していると聞きましたが,日本政府はソニーのゲームパブリッシャとの独占契約や支払いによる露骨な反競争的行為を認めています」とCantwell氏は述べ,日本の公正取引委員会が“これらの排除行為を調査していない”と付け加えた。

 Tai氏は,この問題は「繁栄のためのインド太平洋経済枠組み」の一部として扱われることになると語った。

 Axios(外部リンク)が報じたように,Cantwell氏の発言を受けて,Tai氏とGina Raimondo商務長官に2通の手紙(民主党の政策立案者から1通,共和党から1通)が送られた。どちらも,“不均衡な日本のビデオゲーム市場”(共和党の手紙に記載)に注意を喚起しており,“差別的な貿易慣行の結果である可能性”を指摘している。

 “日本政府のソニーに対する効果的な不起訴政策は,米国の輸出に対する深刻な障壁となっているようで,世界的に販売しているものの日本での収益がこうした慣行によって落ち込んでいる,Microsoftや多くの米国ゲームデベロッパ・パブリッシャに重大な影響を与える”と手紙は付け加えた。

 Microsoftの広報担当者であるDavid Cuddy氏は,Axiosの取材に対してこう語った。「ソニーの反競争的な戦術は議論に値するものであり,ビデオゲーム業界における公平な競争条件を確保するために,さらなる調査を歓迎します」

 この議論は,Microsoftが提案したActivision Blizzardの買収をめぐる議論が続き,反競争性が話題となっている興味深い時期に行われた。何が起きているのか,今後どうなるのか,もっと知りたい人はMicrosoft/ABKの状況についてのガイド(関連英文記事)をチェックしてほしい。

※本記事はGamesIndustry.bizとのライセンス契約のもとで翻訳されています(元記事はこちら