「S.T.A.L.K.E.R. 2」,NPCの肖像権の権利をNFTとしてオークションに出品

GSC Game Worldは,プルーフ・オブ・ワーク技術の利用を決定した理由として「コミュニティのニーズと要望」を挙げている

 GSC Game Worldは,「Stalker 2: Heart of Chernobyl」の開発会社が本日,ブロックチェーントークンで表されるNPCとしてゲーム内に登場する権利をオークションにかける計画を発表し,NFTに目を向けている。

 オークションは1月に行われ,落札者は自分の顔や容姿を「メタヒューマン」キャラクターとしてゲーム内に再現できる。

 「メタヒューマンの所有者は,ゲームの正式リリース前のある日まで,メタヒューマンになる権利(NFT)を取引することができます」と,GSC Game World CEOのEvgeniy Grygorovych氏はGamesIndustry.bizに語っている。「メタヒューマンになる権利は,最終請求日までユーザー間で取引可能です」。

 また,NFTにはGSC Game Worldが今後発売する未発表のゲームに登場する権利も含まれているため,Stalker 2の登場権を引き換えた後でも取引可能であると付け加えている。

 「これ以外にも,ゲーム発売後にメタ権の所有者がメタ人間を引き取ることができる機会も検討しています」とGrygorovych氏は述べた。「基本的に,所有者がゲーム内で主張し,スキャンしてNPCとしてゲーム内に登場するプロセスを経るまで,関連NFTの取引は無制限となります」。

 GSC Game Worldは,ネイティブマーケットプレイスであるDmarketでNFTを販売するたびに取引手数料を受け取ることになるが,その手数料がいくらになるかは明言されていない。また,NFTは他のマーケットプレイスでも取引可能だという。


SolanaやPolygonのような高効率のチェーンがあるが,それでもイーサリアムの需要は高い


 同社は,NFTの実装はゲーム外で行われており,開発者がKickstarterの支援者報酬として誰かの似顔絵を入れるのと同様,ゲーム内のブロックチェーンアイテムに関するプラットフォームホルダー規則に違反していないとしている。

 私たちは,NFTベースのアイテムを使用するゲームに関するXboxプラットフォームのポリシーを明確にするためにMicrosoftの担当者に連絡をとったが,本稿執筆時での回答はなかった。また,Valveの担当者は,コメントを求めてもすぐに返答してくれなかった。

 今回のNFTは,エネルギー効率の悪いプルーフ・オブ・ワーク検証システムを使用するイーサリアム・ブロックチェーンをベースにするという。より無駄の多い技術を選択する理由を尋ねると,同社は「コミュニティのニーズや要望を非常に重視している。SolanaやPolygonといった高効率なチェーンがあるにもかかわらず,イーサリアムの需要は高い(イーサリアムはより持続可能な採掘モデルに移行している)。とにかく,私たちはブロックチェーンにとらわれません」。

 Grygorovych氏は,NFT計画を透明化したいというスタジオの希望を強調し,GSC Game Worldの幹部が個人的にブロックチェーン資産に投資していることを認めながらも,それらの保有資産を開示することは考えていなかったと述べた。

 ブロックチェーン技術がなくても同じことができたのに,なぜ同社はNFTの導入を選択したのかという質問に対して,Grygorovych氏は「社内の複数のゲーム間や,このアイテムのIPの使用を許可してくれる他のゲームとの間での相互運用性」とと答えている。

 私たちは,それがGSC Game WorldがUbisoftのGhost Reconの取り組みのように他社が鋳造したNFTのサポートを開始することを意味するかどうかを尋ねた。Grygorovychは,「我々は,プレイヤーのためのユーザー体験を強化するすべてのWeb3を積極的に検討しています」と答えた。

※本記事はGamesIndustry.bizとのライセンス契約のもとで翻訳されています(元記事はこちら