裁判所はネット中立性廃止を支持するも州での独自の通過を認める

FCCに対するMozillaの訴訟は大部分敗訴したが,DCの控訴裁判所は州および地方の立法阻止の先取りは行き過ぎだと語る。

 今週のコロンビア特別区控訴裁判所が下した新しい判決は,主にネット中立性支持者の敗北を意味するが,同様の保護を回復する独自の法律を可決したい州政府にとっては勝利と言えるものだった。

 2017年の連邦通信委員会(FCC)によるネット中立性の撤廃(翌年に発効)以来(関連英文記事),多くの企業,組織,および政治家が,ISPのインターネットトラフィックを優先する能力に対する禁止を復活させ,ほとんど成功しなかった。Mozillaが提起したそのような訴訟の1つで,FCCの決定の大部分を支持する最終判決が今日(※北米時間10月1日)下された(参考URL)。政府機関には実際にISPを再分類する権限があったとする判決だ。

 しかし,裁判所は,プリエンプション指令と呼ばれるFCCによる2018年の命令の一部を破棄した。この指令は,FCCの命令に反すると思われる州法または地方法を先取りし,個々の州が独自のネット中立法を通過させることを違法にするというものだった。裁判所は,この命令は「紛争の先取りをはるかに超える」ものであり,「従来の紛争の先取りの原則が許すよりも広範な州および地方の法律を一掃すること」を意味すると主張する。

 それにより,過去に独自のネット中立性を通過させようとしたカリフォルニアやワシントンなどの州は,独自に中立法を成立できるようになる。しかし,Mozilla対FCCの判決待ちで保留されていた,カリフォルニアに対するトランプ政権の訴訟は再燃するかもしれない(関連英文記事)。

 さらに,裁判所は命令のその他の2つのセグメントについて,さらなる説明と詳細を求めた:安全上の懸念,とくに緊急時にファーストレスポンダーがデータが抑制される可能性のある問題,および電柱へのアクセスに関するものだ。

 Mozillaは,訴訟のほぼ完全な敗北に対して,The Vergeに掲載された声明で応えている(参考URL)。「基本的なデジタル権利としてのネット中立性を維持する我々の戦いは,まだ終わりではありません。我々は,法廷が,州に消費者を保護するネット中立法を制定することを解放したことに励されています。我々は,FCCの2018年の命令に関する訴訟の次のステップを検討しています。裁判所,州,議会でのネット中立性保護を求める幅広いコミュニティの一員であることに感謝しています」

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