PS4のゲーム販売増加がソニーの年間売上高を780億ドルに押し上げた

PlayStation 5への投資が増加したため,ゲーム部門の営業利益は2億7830万ドルに。

 ソニーは2018年度の決算を発表した,PlayStation 4ソフトウェア販売の急増のおかげで781億ドルの収益を報告している。

 2019年3月31日に終了した12か月間における同社全体の売上高と営業収益はほぼ横ばいで,前年比1%増の8兆6600億円(784億4千万ドル)となった。 営業利益は,前年同期比22%増の8942億円となっている。

 堅調な業績は,「ゲームおよびネットワークサービス事業の大幅増収」によるもので,ソニーのスマートフォン事業を扱う移動体通信事業からの大幅な減収を相殺している。

 とくにゲーム分野を見ると,売上高は前年同期比19%増の2兆3111億円(207億ドル)となった。これは,ゲームソフトウェアの売上が増加したこと,およびPlayStation Plusの加入者数が増えたことによるものだ。これらの結果,営業利益も3111億円(27.8億米ドル)となっている。

 一方,PS4ハードウェアの売上は減少しており,ソニーは来年もこの傾向が続くと予想している。前会計年度に1900万台を販売したPlayStation 4は,過去12か月間で1780万台の売上にシフトした ― 19年度には1600万台に減少すると予想されている。

 これは,一部には,ゲーム機がそのライフサイクルの終焉にあること,および最近詳細になったPlayStation 5(まだソニーでは「次世代家庭用ゲーム機」とのみ呼ばれている)の影が地平線上に見えていることが原因だ。実際,ソニーはハードウェア売上高の減少が来年度の売上高を横ばいにし,2兆3000億円(205億9000万ドル)になると予測している。

 ソニーが次の会計年度中にゲームセグメントからの大幅な後押しを期待していないという事実は,2020年4月以降,次のゲーム機まで,その次のゲーム機が出ないことを示唆している。

 また,ゲーム分野の営業利益は,311億円(278.3百万米ドル)減少し,2800億円(25億米ドル)となる見込みである。PS4ハードウェアのコストは下がると予想されているが,PlayStation 5への投資が増えるにつれて,同社は開発費を増やしていくだろう。

 2020年3月期のソニーの事業全体の売上高は8兆8000億円(前年同期比2%増),営業利益は9%増の8兆1000億円(7.25ドル)を見込んでいる。

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