「Oculus Quest」「Rift S」発売,インサイドアウト型ポジショントラッキングでVRは新次元へ
両製品の価格は,Oculus Questの64GBモデルが399ドル(4万9800円:送料・税込),128GBモデルが499ドル(6万2800円),Rift Sが399ドル(4万9800円,いずれも送料・税込)となっており,
国内における発売日は,どちらも5月21日の予定だ。
Oculus Questは,Android OSをベースにしたVR HMDだ。SoCとしてQualcommの「Snapdragon 835 Mobile Platform」を搭載している。
製品としては,同社製のスタンドアロン型VR HMD「Oculus Go」(Snapdragon 821搭載)の上位版に相当する。SoC以外に画面解像度も向上しており,片目当たり1400×1600ドットと,ドット数にして25%の向上が行われている。
Oculus Goとの違いとしては,4つのカメラを内蔵して,いわゆるインサイドアウト方式で外界の状況とハンドコントローラ「Touch」のトラッキングができるようになったことが挙げられる。そう,Oculus Goが3DoF(3軸自由度)のヘッドセットだったのに対し,Oculus Questは6DoF(6軸自由度)の製品となっているのだ。6軸というのは,XYZ軸それぞれの傾きとXYZ軸それぞれの移動量をトラッキングできるということを意味する。
VR動画を見るだけなら3DoFでもあまり問題はないのだが,ゲームではプレイヤーの体の動きに対して画面の追従がちゃんと行われるようになることで,近づいて覗き込んだり,しゃがんで見上げたりといった挙動も再現されるようになる。
加えて,2基のハンドコントローラをサポートすることも大きなトピックだ。すでにPC用のハンドコントローラとして実績のあるTouchが,インサイドアウト用に改修されて標準添付されるのだ。VR空間に直接的なインタラクトが行えるようになることで,VRゲームでの操作性や自由度は大きく改善されることが見込まれている。
このあたりのSnapdragon 820/821とSnapdragon 835の性能比較からして,Oculus QuestはOculus Goと比較しておよそ25%程度の描画能力向上が見込まれるのだが,ピクセルの増分も25%であり,画面解像度を除いたゲームの挙動は同程度になるのではないかと思われる。
一方のRift Sは,上記のとおりPCと接続するタイプのVR HMDで,従来のRiftの上位版に位置付けられる製品だ。最大の特徴は,Oculus Questと同様のインサイドアウト型ポジショントラッキングシステム(Oculus Insight)を搭載しており,外部センサーを必要としなくなった点だ。ほかにも画面解像度の向上などの改良が行われている。Riftでは片目あたり1080×1200ドットの解像度だったものが,1280×1440ドットと42%増加している。
半面,リフレッシュレートは90Hzから80Hzに低下し,画質が向上している代わりにゲーム側の負荷も上昇している。解像度とリフレッシュレートから換算すると,26%程度負荷が重くなっていることになる。Rift Sでは,最低動作環境はRiftと変わらないものの,推奨動作環境は少し引き上げられているので導入を考えている人は注意しよう。
両製品の詳細は,以下のリンクから確認することをお勧めしよう。