Marvel's Spider-Man:海外評価のまとめ

Insomniacの最新作は,超一流の縦走ゲームであり,創造的な戦闘,機知にあふれたストーリーなどでレビュワーの喝采を浴びた。

 驚異的で壮観であり,上質でセンセーショナル。コミックではスパイダーマンはこれらの形容詞すべてをある時期に備えていた。そしてこれらの形容詞は,まさにビデオゲームでの壁這い男の最新の冒険を表すものであった。Marvel's Spider-Manのレビューは本日解禁となり(※欧米での解禁日のこと),InsomniacのPlayStation 4独占タイトルはThe Daily Bugle(※アメコミ世界での架空の新聞)から主人公が受けるであろうよりも多くの賞賛をプレスから受けている。

 多くのレビュワーがInsomniacの参加を強調していた。同社は
Ratchet and Clankで愛らしいキャラクターと面白い武器システムで名を成しており,さらにXbox One初期の独占タイトルSunset Overdriveでは一流の縦走(走破)システムをもって「スタジオが知られる理由」のリストに新たな項目を付け加えた。 EurogamerのChristian Donlanの推薦レビューによれば,これらすべて要素がふんだんに存在しているという(参考URL)。

 「パッケージと起動画面はこれはMarvel's Spider-Manだと言っており,そこには思いつく限りすべてのファンサービスが詰まっています」とDonlanは語っている。「しかし,実際にはInsomniac's Spider-Manです。それがこのタイトルの鍵になるでしょう。これはデベロッパとIP(うっ)のほぼ完璧なマリアージュです」

スパイダーマンは地上の多くのキャラクターと同じくらいニューヨークのビルの上で行動している
Marvel's Spider-Man:海外評価のまとめ

 USgamerのMike Williams氏は5点中4.5点というレビューでその思いを示している(参考URL)。

 「Insomniac Gamesはひとっ走りするためにMarvelで最も有名なキャラクターを採用しました。その結果は素晴らしいものです」とWilliams氏は語っている。「デベロッパは,ユニークなサブキャラと美しく再創造されたニューヨークを舞台にした独自のスパイダーマンを作り出しました。これは絶え間ない戦闘と素晴らしいストーリーを持った絶対的に美しいゲームです。なによりも,これは本当にスパイダーマンになったかのような感覚をもたらします。ゲームでのスパイダーマンの歴史は不均一でした。しかしこの作品はその歴史への素晴らしい入り口となるでしょう」

 Williams氏がこのゲームで愛するものの多くは,その環境に由来している。ランドマークが詰め込まれたオープンワールドのマンハッタン,そしてプレイヤーと会話する民間人の賑やかさ,自撮りのポーズやハイタッチなどだ。

 「この生き生きとした都市の演出は,Insomniacのスパイダーマンを過去の同シリーズの傑作よりもよいものとしている要素のひとつです」とWilliams氏は語る。「TreyarchのSpider-Man 2とUltimate Spider-Manでも交通や市民はありましたが。その時代の技術によって制限されていました。Spider-Man: Web of Shadowsは侵略状況下の都市での出来事でした。街の中をのんびり糸で飛び回っているだけでも,間違いなくスパイダーマンがなんのために戦っているのかという感覚がより鮮明に伝わってきます」

 とはいっても,ゲームにはファストトラベルのオプションもあるのだが(スパイダーマンは地下鉄を利用できるのだ。同行している乗客も驚きだろう),Williams氏は長い道のりを好んで飛んでいたという。
 Game Informerでの10点中9.5点というレビューでAndrew Reiner氏は一度もそれを使ったことがないと語っていた(参考URL)。 氏はスーパーヒーローの危険を伝えるJ. Jonah Jameson(※元Daily Bugleの記者)のpodcastを都市のBGMとしてInsomniacの作った都市に浸ることを好んだという。

このようにヒーローたちがニューヨークの地下鉄網を使って移動するのは2008年のセガによる映画版Hulkのゲームに始まったことではない
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 このようなことは,プレイヤーにより多くのゲーム内のクエストを発見させたり,ガジェットの更新や新しいコスチュームの入手に使えるリソースを集めさせたりすることになるかもしれない。しかし,これはおそらくこのゲームの欠点をも示すものである。

 「オープンワールドは活動で満ちています。しかし集中的な反復では落下による犠牲者も出ています」と Reiner氏は語る。「スピードの出た車を止めるのと同じボタンをタップすると鳩を捕まえることができます。Taskmasterのクエストはスキルのテストにはよい題材です。私は Black Cat's Where's Waldo式の写真ミッションの陽気さが好きですね。都市の活動とOsbornはなにもかも弱いです。闘技場,多くの種類がありますが,傾きすぎです。とくに最終章では」

 スパイダーマンの街と糸の移動はよく2004年のSpider-Man 2と比較されるが,レビュワーたちがしばしば評価していたのは,その戦闘システムとRocksteadyのBatman Arkhamのゲームシリーズとの関係だ。

 「ビジュアル的には,そうですね。スパイダーマンはBatmanのような敵から敵といったスタイルの影響を受けています。しかし本当に同じものというわけではありません」とWilliams氏は語る。「Arkhamはカウンターやタックルに重きを置いており,Batman自身がっしりした大きな体格をしており,主に腕力を使います。CatwomanとNightwingのようなArkham系ゲームとのいくぶん近い類似性がカウンター周りにあります。実際,このゲームは,実はArkham系ではなく古いスパイダーマンゲームに近いのです」

 Williamsは,Arkhamの避けとカウンターのプレイスタイルは当初からスパイダーマンにあったと語る。しかし,戦闘は一度クリックすることから始まり,プレイヤーはスパイダーマンが自由に使えるガジェットの品揃えを受け入れていると付け加えた。IGNのレビューで10点中8.7点をつけたJonathan Dornbush氏はほとんど同じ指摘を行っている(参考URL)。

 「最初に,自分がパンチとドッジばかり使っていることに気づきました。ときおり敵を吊り上げたので,より強力な敵に集中することができました」とDornbush氏は語る。「しかし,スパイダーマンのスキルツリーとガジェットをアンロックしていくと,戦闘は即興の喜びになってきました」

 まだその喜びには限界がある。

戦闘はArkhamシリーズと似て見えるかもしれないが,少し違うものとなっている
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 「4回か5回,犯罪を犯した敵の大群を捕まえる方法を理解するか,前哨戦で敵のウェーブを交わすことはまだ面白いでしょう」とDornbush氏は語り,続けて「40回めともなると遥かにつまらなくなります」

 しかしおそらく最も普遍的に賞賛されているのはストーリーだ。レビュワーたちはみなソニーとInsomniacに規制された詳細に不承不承で踏み込んでいた。

 「Insomniac GamesのSpider-Manはスーパーヒーローとストーリーテリングの勝利です」とおReiner氏は語る。「美しくリアルなニューヨーク市の中で,スパイダーマンは,畏敬の念を抱かせるような優雅さで地平線を越えて舞い上がり,犯罪者を打ちのめすために目も眩むような方法で暗い路地裏に飛び込みます……。物語には魂があります。ピーター自身がどの点から見ても,もうひとつの彼の姿と同じくらい興味深いことをプレイヤーに示すために大激闘を行いますが,そのあとでも物語がスローダウンする心配はありません。スパイダーマンが行うすべての動作は,名場面集に入れる価値があるものです。しかし最も注目に値する瞬間はMary Jane Watson,Peter,その他のキャラクターの目を通して描写されます」

 もしくはDonlan氏は付け加えた。「彼らはゲームを借り物とジャンルの慣習と日常的な疑惑に満ちたものとしました。そして彼らはそれにリアルなキャラクターに重要な意味を与えたのです。このオープンワールドによるスーパーヒーローゲームは,しばしばほかのどの作品とも違っているように感じられます。それはいつもやっているからやることのせいではなく,あなたがそれをやるときに理由にするもののためです。−文脈から表れる生活や性格,魅力などです」

 氏はさらに「ある種のゲーム(一定の予算の)は最近ではすべて収束しているように思われます。すべてのゲームが同じ仕掛けと同じ伏線を使って同じゲームになろうと焦っています。しかし最もリスクを嫌うようなデザインでも本物のキャラクターを花開かせるためにもう少しやりようはあるのです。これはそういうことを思い起こさせます」と加えた。

※本記事はGamesIndustry.bizとのライセンス契約のもとで翻訳されています(元記事はこちら