【PR】登壇者に聞くGTMF 2018のEpic Gamesセッションの概要。UE4.20最新情報と新パーティクルツールの実力とは

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(C)BANDAI NAMCO Entertainment Inc.
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 今年もGame Tools & Middleware Forum(GTMF)の季節がやってきた。
 ゲーム開発ツールとミドルウェアを一堂に集めたこのイベント,昨年に引き続いて今年もGTMF開催におけるプラチナスポンサーを務めるのがUnreal Engine 4(UE4)を擁するEpic Gamesである。
 UE4は,日本の大手ゲーム開発スタジオにおける採用事例が拡大しており,日本の大手ゲーム開発スタジオから2018年にリリースされたタイトル,リリース予定タイトルを思いつきままに列記してみると「Dragon Ball Fighter Z」(バンダイナムコエンターテインメント,アークシステムワークス),「キングダムハーツIII」(スクウェア・エニックス),「ソウルキャリバーVI」(バンダイナムコエンターテインメント),「Ace Combat 7: Skies Unknown」(バンダイナムコエンターテインメント),「Fighting EX Layer」(ARIKA),「ヨッシー for Nintendo Switch(仮称)」(任天堂)など,注目作が目白押しだ。

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(C) BANDAI NAMCO Entertainment Inc.(C) DigitalGlobe, Inc. All Rights Reserved.
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(C)Nintendo Developed by Good-Feel
 昨年から「UE4採用事例の新潮流」として注目されているVR(仮想現実)や,映像制作や建築,訓練用シミュレータに代表される「ノンゲームユース」についても採用事例が拡大中で,Epic Games側としても,新機能をそうしたノンゲームユースのユーザーからの要望に積極的に応えるようになってきている。

 また,2018年3月に発表された「DirectX Raytracing」(DXR)は,Windows環境下でリアルタイムアプリケーションを開発するためのマルチメディアコンポーネント「DirectX」にレイトレーシングパイプラインを統合するものだが,Epic GamesはNVIDIAと共同でいち早くDXR活用技術デモとして「Reflections Real-Time Ray Tracing Demo | Project Spotlight」を発表している。こちらはスター・ウォーズの世界観をモチーフに,従来のゲームグラフィックスで採用されてきたラスタライズ法によるレンダリングとレイトレーシング法によるレンダリングを組み合わせたハイブリッドスタイルで再現し,リアルタイムで動作させた映像作品だったわけだが,NVIDIA Volta世代のGPU「GV100」を4基搭載した日本円にして約1700万円のワークステーションDGX Station上で動作するものであった。このデモはゲームグラフィックスの未来を先取りしたものであったと同時に,UE4を用いた映像制作の実用性をノンゲーム業界にアピールする目的もあったように見受けられた。

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 そして,昨今のVRブームを受けて,UE4はVRコンテンツ制作のために活用されることが増えてきているが,Windows MRの提供後は,MR(複合現実)コンテンツ制作においてもUE4を活用していこうとする動きが台頭している。VRではゲームをはじめとしたエンターテインメント系コンテンツ制作事例が多かったため「ゲーム」エンジンとしてのUE4は,まさにそうした用途に「おあつらえ向き」であったわけだが,MR用途はノンゲーム分野での活用事例が多いそうで,いままさに現在進行系でUE4がそうした用途に向けた機能増強を行っているという。

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 最近では,ドイツの自動車メーカーの名門,BMWが,自動車設計の基礎研究分野にMR技術導入を決定し,その際に,UE4を活用していく方針を発表した。
 BMWでは,新規開発車両を構成するパーツ模型,試作デバイスを,内部まで再現した完成状態の車両CGと整合性の高い形で合成して,ユーザーの使い勝手の検証やドライバビリティの評価を行うシステムをUE4を使って開発していくという。これにより,フルサイズ模型制作回数の削減(→コスト削減),デザイン・イタレーション回数の増加(→設計の洗練化)を見込んでいるらしい。
 Epic Gamesとしても,現実世界の実態物とCGの的確な合成機能や,そうした実態物とCGの合成物に対するユーザーからの整合性を伴ったインタラクション機能の増強など,すでに現行UE4では対応済みのAR(拡張現実)対応機能をさらにMR用途向けに拡張していく方針を打ち出している。

 これらを踏まえて,GTMF 2018において登壇する岡田和也氏ロブ・グレイ氏はどのようなセッションを執り行うのか。実際に二人に話を聞いてみた。


UE4の最新動向と今夏リリース予定のUE4.20の注目機能をまとめて紹介


 UE4の2018年バージョンもというべきUE4.20が今夏,ちょうどGTMF会期前後にリリース予定となっている。このタイミングということもあり,岡田氏の講演「Unreal Engine 4の2018年上半期アップデート情報まとめ」では,UE4.20の概要と共に,近年のUE4の事例紹介や新機能を紹介していく内容となるようだ。

岡田氏:
 自分のセッションでは,UE4の初心者はもちろん,UE4をこれから使いたい人,そして「Unreal Engineシリーズをかつて使っていたが,最近はご無沙汰で,また改めて使って見ようと思っている」というような復活組のユーザーにも参考になるような「UE4の最新動向」と「UE4の最新機能」の紹介をしようと思っています。


 GDC 2018といえば,前述したようにDXR発表とそれをうけてのUE4のスター・ウォーズのシネマティック技術デモが来場者に強い印象を与えたわけだが,こうした内容についても言及されるのだろうか。

岡田氏:
GDC 2018で公開されたDegital Human「Siren」
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 はい。一つのテーマを深く切り込んで行くスタイルではなく,全体の流れが分かる感じにしようと思っています。GDC 2018ではDXR以外にも,Digital Humanのデモの紹介,MOBAゲーム「Paragon」で使われた全アセットの無料公開などの話題も取り上げたいと思っています。

 Digital HumanはEpic Gamesのほか,3Lateral,Cubic Motion,Tencent,ViconといったCG関連企業,モーションキャプチャ,フェイシャル/パフォーマンスキャプチャなどの関連企業との協業で開発された技術,およびデモであり,これは将来的な次世代ゲームグラフィックス開発の基礎技術になるだけでなく,直近では映像制作向けに応用されそうな技術である。協業している企業のラインナップを見れば,前節で触れたUE4のノンゲーム分野に対する機能拡充に関連した技術開発の一環でもあるはずだ。

岡田氏:
 ゲーム開発者の方々に参考になりそうテーマとしては弊社の大ヒットゲーム「Fortnite」にまつわる話題ですね。Fortniteは開発にあたっては,Epic Games側で専用の機能を新開発したのですが,そうした機能はすべてUE4.20に組み込まれているんです。
 例えば,グラフィックスに関してはGPU負荷に応じて動的にレンダリング解像度を変更する技術とかですね。Fortniteは広大なゲーム世界を遠方まで描画するシチュエーションが多いので,そのために新しいLOD(Level of Detail)モデル生成やその管理の仕組みなどを開発していますから,そのあたりの話題なども話しできればと思います。
 それと,Fortniteは100人ものプレイヤーが同時に同一世界で戦うので,この100人分のネットワークトラフィックを処理するためのネットワークエンジン部分の話題にも触れるかもしれません。

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 前段でも触れたVR,AR,MRについての話題は取り上げるのだろうか。

岡田氏:
 そのつもりです。最近の大きな事例としては中国で開催された「League of Legend」のファンイベントで大規模なARプレゼンテーションを行ったのですが,あれはUE4ベースです。ああした事例を紹介しつつ,UE4では簡単にARアプリケーションを制作できるといった話題も話したいですね。
 UE4.20では,グリーンバックを使ったクロマキー合成に対応したMRアプリケーション開発向けの新機能も搭載されたので,こういった話題もお届けしようと思っています。

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UE4.20新搭載のパーティクル・エフェクト制作システム「ナイアガラ」とは


 今夏リリース予定のUE4.20には,新ツールというか新機能というべきか,「Niagara」(ナイアガラ)と呼ばれる(パーティクル)エフェクト制作システムが搭載される。
 グレイ氏のセッション「待望のUE4新機能ナイアガラでプログラマブルVFX」は,このNIAGARAに特化したセッションになるようだ。

グレイ氏:
 UE4をこれまで使ってきた人にとってもNIAGARAと対面するのはこれが初めてという人が多いと思います。なので,私のセッションでは「NIAGARAでエフェクト制作をするための手引き」のようなものを行おうと思っています。
 最初に言っておきたいのですがセッションタイトルに「プログラマブル」とあっても,プログラマやエンジニアのためだけに向けたセッションというわけではないんです。むしろアーティスト,デザイナの方に満足いただける内容にしていくつもりです。
 私のセッションではもうお馴染みかもしれませんが,今回もステージ上の実機上で実際にNiagaraを動かしてゼロからエフェクトサンプルを制作していくスタイルになります。

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 エフェクトとは,古くは敵機が爆発したときの爆炎,近年のゲームでは召喚獣を召喚したときの美しい花火か万華鏡のような複雑な動く魔法陣グラフィックスまでが該当するが,最近のゲーム作品では単純な複数コマからなる連番テクスチャアニメーションではなく,より複雑でド派手なエフェクト表現が用いられる傾向にある。とくに日本で人気のRPG作品では,エフェクト表現に力の入った作品が目立つ。
 従来のUE4では,このエフェクト制作においては,Unreal Engine 3(UE3)から提供されてきたエフェクト制作ツール「Cascade」が用いられてきた。
 では新システム「Niagara」とはどのようなものなのだろうか。

グレイ氏:
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 Cascadeはどちらかといえばさまざまなプリセット機能を使って,発生させたパーティクルを算術曲線軌道で動かすことを組み合わせてエフェクトを作っていくスタイルでした。
 Niagaraは,この概念を一歩進めて,UE4のシェーダ制作ツールのマテリアルエディタのような,ノードベースのビジュアルプログラミングまでができるようなモダンなスタイルに進化しています。
 また,UE4のBlueprintで制作したゲームシーンやゲームロジックとの強い連携が行える点もNiagraの特長の一つです。ゲームシーンで起きた動的な状況に対してインタラクティブなエフェクト表現ができるようになっています。

昨年のGDCで公開された「Human Race」にもNiagaraが使われていたという。激突したクルマが四角い線状のデジタルノイズになって崩壊するシーンなどはCascadeでは難しいとのこと
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 グレイ氏によると,Niagaraは,UE3時代からのCascadeユーザーからの要望のほか,UE4を使って映像制作を行っている現場の声も取り入れて開発されたとのことだ。その意味では,グレイ氏のセッションは,ゲーム開発者だけでなく,ノンゲームユースでUE4を活用しているユーザーにとっても聴講する価値のあるセッションだといえよう。
 最後に,グレイ氏にGTMF 2018の来場者へのメッセージを聞いてみた。

グレイ氏:
YouTube番組Unreal Japan Stream 5/17回の模様
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 我々は展示コーナーでもブース出展をしていて,Digital Humanのほか,さまざまな最新UE4を活用したデモなどを展示する予定です。私と岡田はもちろん,ブースにはEpic Gamesの日本スタッフがおりますので,UE4に関する問い合わせなどがあれば,ぜひブースにお立ち寄りのうえ,質問してください。
 それと,もう一つ,私と岡田をはじめとしたEpic Games JapanスタッフでUnreal Engine 4をテーマにしたYouTube番組を毎月第一木曜日に生放送しています。ここでも,リアルタイムに質問を受け付けていますので,ぜひご覧ください。
 それでは,GTMF 2018でお目に掛かりましょう!

●岡田和也(サポートエンジニア)
 2016年よりEpic Games Japanに合流。UE4のライセンシー向けサポートを担当し,実際のUE4ライセンシーの開発現場に赴いて開発のヘルプを行うこともある。前職は関西の大手ゲーム開発スタジオにてゲームエンジン開発に従事した経験を持つほか,VR関連の開発も得意とする。最近は,UE4のスマホ/タブレット向けゲーム開発採用事例急増に伴い,モバイル関連のノウハウも豊富となりつつあるという。

●ロブ・グレイ(デベロッパリレーションズ・テクニカルアーティスト)
 2012年よりEpic Games Japanに合流。アメリカ人だが来日して20年ということもあって日本語のコミュニケーション能力が高い。もともとはアーティスト出身で,レベルデザインやアセット制作パイプラインなどにも明るく,技術だけでなくアーティスと目線でのUE4活用を解説することも得意としている。最近は自社作品の「Fortnite」にハマっており,日本プロデューサーを担当している。腕前はプロ級に到達しているのだとか。

Unreal Engine公式サイト

GTMF 2018公式サイト