[TGS 2017]VR/ARコーナーで見かけたVRヘッドセット製品あれこれ
昨年に引き続き,今年もVR/ARコーナーが設置されており,国内外から45社が出展をしている。昨年と比べるとゲームの出展が増えてハードウェア,とくに独自仕様のVRヘッドセットなどはめっきり少なくなった感がある。ここでは会場内で見かけたVRヘッドセット関連製品を展示していたブースをまとめて見てみよう。
昨年のVR/ARコーナーの模様その1
昨年のVR/ARコーナーの模様その2
●カールツァイス
さて,前の記事ではちゃんと把握していなかったのだが,VRヘッドセット(VR ONE Plus)自体は昨年発売されていた製品だそうだ。それをPCと接続するケーブルおよびコントローラがVR ONE Connectとなる。すでにカメラ屋系の量販店などで日本でも発売されているとのことだった。
ちなみに,VR ONE Plus自体はCardboard仕様のヘッドセットにすぎないので,実はConnectを使うと一般に市販されているスマホ用のVRヘッドセットでSteam VRのゲームができてしまうらしい。画質やレンズでの優位性はあるのだが,すでになんらかの製品を持っている人はわざわざ買い直す必要はないようだ。
頭の動きのトラッキングはスマートフォン側のセンサーを使用しており,ハンドコントローラも3DoF(角度のみ)の動きしか追えない。3DoFなので,やはりSteam VRのゲームのすべてに対応できるわけではないという。ZWISSでは,そのあたりを補完するソフトウェアで位置トラッキングを行う技術を他社と共同開発していたのだが,その会社が別の会社に買収されてしまったようで,今後どうなるかは不透明になっている。
表示は簡易的なものになるかもしれないが,Steam VRのゲームを手軽に体験できそうなユニークな製品であり,なにかと高価なことがネックになるPC VR環境では登竜門的な位置づけになりうる。今後の情報に注目しよう。個人的にはDaydream互換機ベースの6DoF対応版を望みたいところだが……。
●H2L
軽く試用したのだが,会場内のBluetoothの電波状況が最悪でまったくテストにならなかった。コンパニオンによるデモ実演を見ても「つかむ」といった動作は困難なようで,腕を振り回すような動作だけで進行しており,残念ながら筋電位計の本領が発揮されることはなかった。電波状況のよい環境ではちゃんと動くとのことだったが。
製品版となるFirst VRは9980円(税込)で4月に発売予定だ。ヘッドセット部分はプラスチックによる一体成型で,クリップのようにスマホを挟み込む構造になっている。装着感は……顔の形にもよるのかもしれないが,硬くて額が痛くなりそうだった。クッションはほしいところだ。
●Green Optics <韓国>
ヘッドセット内の画面は立体視ではなく,分かりやすくいうとPCのディスプレイとして使われる。頭の動きなどにも追従しない。しかし,別途ライフル状のガンコントローラを使うと,FPSなどのマウスルックタイプのゲームであれば,ガンコントローラの動きに視界が追従するようになる。これによって,普通のFPSなどをそのままガンコントローラで操作できるようになるのだ。ガンコンはマウス代わりとして使用するのだが,Windowsの操作はちょっと難しいかもしれない。ゲーム中の移動などはガンコン左手部のジョイパッドで行う。
良くも悪くも視野角は42度程度なので,見た目にはそこそこ大きい画面だが,動いてもひどく酔うということは(たぶん)ない。
VRデバイスではないので昨今の流行には乗っていないが,既存の3Dコンテンツがそのまま遊べるというのは面白い位置づけかもしれない。
●ビュージックス
●モジ
●TQ Interactive
デバイスについてはChinaJoyの記事を見てもらうのが早いかもしれないが,載せ忘れていたものもあるのでそれぞれについて簡単に紹介しておこう。Pico NEO Sはコントローラ部にスマホ相当のプロセッサを内蔵したオールインワンデバイスで従来製品のモデルチェンジ版,Pico NEO CVはコントローラ型をやめ,PSVR風の装着機構になったオールインワンデバイスだ。Snapdragon 835搭載のフラッグシップ機である。Pico Goblinは低価格なオールインワンデバイスとなっている。