速度の違う2つの市場が2016年のゲーム取引を300億ドルに押し上げた
Digi-CapitalのTim Merel氏が2016年の業界M&Aがいかにして77%の伸びを示したのか考察する。
昨年はゲーム業界にとって記録破りの年だった。Digi-CapitalのGames Report 2017によると(参考URL),2016年度のゲーム産業は303億ドル(約3兆4500億円)の規模となったという。284億ドルというM&Aの規模はそれまで最高だった2014年の記録を77%上回り,19億ドルというゲームへの投資は歴代で2番めの額となる。ゲーム業界の氷河期といわれた2015年のあとで(参考URL),なにが昨年の市場を急上昇させたのだろうか?
このような大きな業績があるにもかかわらず,モバイルゲーム市場の長期年間成長率(CAGR)14.5%に減速し,2021年に800億ドルを超える見込みだ(iOS,Google Play,中国のマーケットすべて合計で)。これは数年前の全ゲーム産業の収入を上回る規模である。
コンシューマゲームやMMO/MOBAなどのゲームは,昨年それぞれモバイルよりは少ない額の収入を上げ,低い成長率ながら2021年時点でそれぞれ約300億ドルに達するだろうとされている。その時点ではモバイルゲームが,コンシューマゲームやMMO/MOBAを合わせたものを上回ることになる。残る大きな分野であるPCとゲーム機のハードウェア売り上げについては成長は見込まれず,2021年時点でも合計300億ドルと推定されている。
VRハードウェア(ヘッドセット,周辺機器,そしてPCやGPUを含む)は昨年数十億ドル規模だったが,2021年までに70億ドルを超えると予想されている。しかし,VRハードウェアはすでに大企業(Facebookなど)に支配されているので,特定の問題へのソリューションに特化するのがスタートアップでは最善であろう。
ARゲーム(とくにモバイルARゲーム)の最初のヒットはPokemon GOによってもたらされた(たとえ業界関係者がARと呼ばないとしても)。もし来年(2017年以降,2019年以前),真のモバイルARゲームがマスマーケットに登場したとすると,ARゲームはVRゲームを抜き,5年間でほぼ70億ドルに到達するだろう。
Pokemon GOは昨年のVRゲーム市場全体の売り上げを一作で上回ったかもしれない。しかしVRゲームにはまだ多くの可能性がある。高い成長率でVRゲームは2021年には60億ドルを上回るかもしれない。
e-Sportsは最後の高成長分野だ。しかし2021年までに10億ドル規模に達しない可能性がある。楽しさや興奮は多いものの,相対的に見れば小さな市場に留まるだろう。
モバイルゲームは市場の成長を後押しはしない,平均3億ドル規模で年間24億ドル以上というM&Aは年間の取引を支配した。最も大きな企業だけがゲームに参加でき,超大物の取引額は,
Tencent/Supercell: 86億ドル
Activision-Blizzard/King: 59億ドル (2015年発表,2016年完了)
Giant (など)/Playtika: 44億ドル
となっている。
有名企業の買収しかないわけではなく,その他には数億ドルから10億ドル規模のものがある。昨年はモバイルゲーム統合が高水準で進んだ年だったのかもしれない。しかし,まだ対象になりそうな大物企業はいくつか存在し,勇者を待っている。
ゲームの技術/サービスとモバイルゲームはベンチャーキャピタルと企業による投資で最大のシェアとなっており,その多くは中国からやってきている(そして中国に行っている)。チケットのサイズはさらに大きくなっており,平均投資額は1億6000万ドルに達している。以下に大きな投資が行われている例を挙げておこう。
Huayi Brothers/Hero Entertainment: 2億8800万ドル
Tencent (& others)/Douyu TV: 2億2600万ドル
DFJ (& others)/Unity: 1億8100万ドル
昨年はゲーム業界にとって記録破りの年だった。Digi-CapitalのGames Report 2017によると(参考URL),2016年度のゲーム産業は303億ドル(約3兆4500億円)の規模となったという。284億ドルというM&Aの規模はそれまで最高だった2014年の記録を77%上回り,19億ドルというゲームへの投資は歴代で2番めの額となる。ゲーム業界の氷河期といわれた2015年のあとで(参考URL),なにが昨年の市場を急上昇させたのだろうか?
より大きく,より遅く
では,現在の2つの速度を持った市場のうち,ローギアのほうから始めてみよう。それは巨人が支配する巨大な分野だ。これらの分野はそれぞれ昨年100億ドル規模の収入をあげており,統合に向かっているところだ。モバイルが支配的
昨年,モバイルアプリ(ゲームに限らず)はまさかの40%成長を見せた。これは中国が主な要因となっている。全世界のモバイルアプリ売り上げの4分の3以上を占めるものであり,モバイルゲームは完全に弾みがついた。このような大きな業績があるにもかかわらず,モバイルゲーム市場の長期年間成長率(CAGR)14.5%に減速し,2021年に800億ドルを超える見込みだ(iOS,Google Play,中国のマーケットすべて合計で)。これは数年前の全ゲーム産業の収入を上回る規模である。
コンシューマゲームやMMO/MOBAなどのゲームは,昨年それぞれモバイルよりは少ない額の収入を上げ,低い成長率ながら2021年時点でそれぞれ約300億ドルに達するだろうとされている。その時点ではモバイルゲームが,コンシューマゲームやMMO/MOBAを合わせたものを上回ることになる。残る大きな分野であるPCとゲーム機のハードウェア売り上げについては成長は見込まれず,2021年時点でも合計300億ドルと推定されている。
より少なく,より速い
これらの指標の逆側にあるのがインディーズの分野だ。まだ移住の余地がある。彼らに十分な資金はなく,初期のモバイルゲームの状況にちょっと似ている。VRハードウェア(ヘッドセット,周辺機器,そしてPCやGPUを含む)は昨年数十億ドル規模だったが,2021年までに70億ドルを超えると予想されている。しかし,VRハードウェアはすでに大企業(Facebookなど)に支配されているので,特定の問題へのソリューションに特化するのがスタートアップでは最善であろう。
ARゲーム(とくにモバイルARゲーム)の最初のヒットはPokemon GOによってもたらされた(たとえ業界関係者がARと呼ばないとしても)。もし来年(2017年以降,2019年以前),真のモバイルARゲームがマスマーケットに登場したとすると,ARゲームはVRゲームを抜き,5年間でほぼ70億ドルに到達するだろう。
Pokemon GOは昨年のVRゲーム市場全体の売り上げを一作で上回ったかもしれない。しかしVRゲームにはまだ多くの可能性がある。高い成長率でVRゲームは2021年には60億ドルを上回るかもしれない。
e-Sportsは最後の高成長分野だ。しかし2021年までに10億ドル規模に達しない可能性がある。楽しさや興奮は多いものの,相対的に見れば小さな市場に留まるだろう。
お金を見せて
モバイルゲームは市場の成長を後押しはしない,平均3億ドル規模で年間24億ドル以上というM&Aは年間の取引を支配した。最も大きな企業だけがゲームに参加でき,超大物の取引額は,
Tencent/Supercell: 86億ドル
Activision-Blizzard/King: 59億ドル (2015年発表,2016年完了)
Giant (など)/Playtika: 44億ドル
となっている。
有名企業の買収しかないわけではなく,その他には数億ドルから10億ドル規模のものがある。昨年はモバイルゲーム統合が高水準で進んだ年だったのかもしれない。しかし,まだ対象になりそうな大物企業はいくつか存在し,勇者を待っている。
ゲームの技術/サービスとモバイルゲームはベンチャーキャピタルと企業による投資で最大のシェアとなっており,その多くは中国からやってきている(そして中国に行っている)。チケットのサイズはさらに大きくなっており,平均投資額は1億6000万ドルに達している。以下に大きな投資が行われている例を挙げておこう。
Huayi Brothers/Hero Entertainment: 2億8800万ドル
Tencent (& others)/Douyu TV: 2億2600万ドル
DFJ (& others)/Unity: 1億8100万ドル
※本記事はGamesIndustry.bizとのライセンス契約のもとで翻訳されています(元記事はこちら>)