「24Frameの邪道経営哲学」第25回:OIHAGI STREAMER SURVIVALを発売する時の哲学
さて,珍しくお休みをいただきました本連載ですが,その間にも気がつけば掲題の件「OIHAGI STREAMER SURVIVAL」の発売が間近に迫っております。
このゲームは弊社の過去作品である「サバイバールPG」の世界観を舞台に,今回は「配信者」へとその設定を変遷させたものになります。詳しくは本連載の以前の記事をご確認ください。
オートバトルで入手した装備品によるデッキを組んで,世界観はどうかしていて,前回のリリースタイミングでは全面的なアートの見直しを図り,という紆余曲折を経てきた本作ですが,晴れてこの年の瀬,2024年12月12日にリリースです。
お値段は非常にリーズナブルな約350円を予定(為替の関係もあって,値段に必ず端数が出るというのがやってみて初めて分かるSteamの面白いところです)。
あげる立場かもらう立場化はさておき,みなさんのお年玉の使い方はこれで決まり! といった風になることを願ってやみません。
12月といえば昔からゲームもクリスマスシーズンに向けたリリースラッシュの時期であります。先ごろリメイクされた「ロマンシング・サ・ガ2」もオリジナル版が出たのは約30年前のクリスマスシーズンでだったと記憶しております。
当時の僕といえば12月の後半は家族と離れて通っていた幼稚園が母体であるボランティア団体が主催するスキーに1週間ほど放り込まれることが通例化しておりました。
その都合もあってクリスマスとお年玉の合わせ技のような形で無理やり親に買ってもらったロマサガ2でありましたが,出発前に遊べるのはほんの数時間のみ。
なんとか最初のボス,クジンシーと相まみえるまでは進めたものの,この先は帰ってきてからな! とばかりに旅立ち,新年の挨拶をクジンシーにしたのも今ではいい思い出です。
そして先ごろ発売されたリメイク版「ロマンシング サガ2 リベンジオブザセブン」でも体験版はクジンシーまでと,まるで当時の僕のためにしつらえたかと勝手に勘違いしかねない符号を示しつつ,その見事なリメイク具合に驚嘆するばかりです。
今年も印象的なゲームは多く発売されました。「黒神話:悟空」「メタファー:リファンタジオ」「Call of Duty: Black Ops 6」諸々……。ここに挙げきることはもちろん,どれか1本,などとは到底選べないレベルの数と質でした。
また,こういった大作系以外にもさまざまなゲームが。いわゆるインディーとしてくくられるものにおいてはスロットを回して資本主義の権化を駆逐せんとする「幸運の大家様」や,スタックしていくカードを合成してスペースを確保しながら資産を増やしていく「Stacklands」。
個人的には今年1番プレイしたかもしれないポーカーとローグライクを混ぜるという荒業に挑んだ「Balatro」も忘れることができません。
この辺りのゲームは,初期のステ振りが自由,と思いきやかなり後半を意識して,ときには前半まったく使えないスキルなども育てておかないと後半がキツい,というローグライクの常識なのかハイエンドすぎるのか微妙な思考を要求してくるものが多く,いわゆるその「先読み」の遠さと,それがハマった時にめりめりステージを進めていける中毒性,というものから成り立ってるような気がします。
そしてこの流れは部分的にも家庭用を始めとした大規模なゲームにも組み込まれ始めており,一言でいえば「ユーザーに対し挑戦的」なゲームが増えつつある予感も致します。この辺りは業界の末端にいるものとして,今後の活況を予感させる非常にうれしいものでした。
24Frame社内におきましても,今年はリリースの件数が多かった年です。
METAL DOGSのDLCだけでも4回ほどのリリースがあり,毎月リリースというのは改めて大変なもんだなあ,と実感したものです。
改めて今年のリリースを振り返りますと,最初はこれでしたね。
METAL DOGSとしては初の有料DLC! ここでは以下の新規エネミーを追加しました
これらがどんどんバンバン襲ってくる。本編とは違うアクティブな敵の挙動は,本作に新たな一面を加えることができたのではないかと思っております!
また,新規のエネミーを加えたからにはドロップするアイテムもうれしい必要があるよね,ということで追加されたのはこちらのアイテム群。以下に一部を抜粋!
いや改めてメタルマックスの世界観っていい意味でいっちゃってるよね,という感想と,それに薫陶を受けたOIHAGI STREAMER SURVIVALもそりゃまあぶっ飛んだ世界観になりますよ,という感想もそこそこに,矢継ぎ早に以下のDLCが続きました。
迫りくる敵を撃破するのは,犬! 犬も追加せねばならん! ということでやってきたのはラブラドールレトリバーのゾーイちゃん。え,雌なの? という驚きもそこそこに,何度かのセールなんかも挟みながら,スタッフも犬に負けじと走り続けます。
そして次はこちら。
上記の新たなバトルの感覚をより拡大してお届けしたい! との号令の下にゲーム体験をさらに広げていく! おお,これは結構ウケもいいのかな? と皆さんの声援(と購入)をバネにさらに以下を追加していきます。
そしてそれらを元にある程度統合的な拡張として以下!
何が統合的かというと,ここではキャラの追加とプレイフィールの拡張ということを同時にやっております。ここでいうプレイフィールの拡張,というのはやはりこれですね。
改めてこうやって並べてみると,このように新たな仕組みやバトルのバランスなどを試すことができて,また何よりも安定したリリースができることが実感できて会社にとってもよかったんではないかと思うことができました。
そして,上記のリリースラッシュの直前にドロップされた作品としては,こんなものもありました。
この作品の制作経緯も,こちらの連載で内情暴露的に取り上げさせていただきました。こちらは結構メディアへの露出も多く,おぉ,なるほどな……読めねえ! という嬉しい困惑を我々に与えてくれたものです。
これは僕が足しげく通っていたインディゲームのイベントなんかでも少しずつお披露目していたりもして,その時の行脚が功を奏したといえる到達点でした。
そして今,2024年最後のリリースとして,冒頭でも紹介させていただきました「OIHAGI STREAMER SURVIVAL」をお届けして,24Frameの2024年は暮れていくことになりそうです。
こちらのリリースも気づけばもう間近! みんなお年玉(350円)の準備はいいか!? あるいはクリスマスプレゼント(350円)か!?
そんなこんなで気が付けば師走も間近。みなさま,来年もどうぞよろしくお願いいたします。