「転職したらコミュニティマネージャーだった件」第3回:コミュニティと共にあらんことを


 今回は,NAVICUSのゲームチーム「ドゥ」でコミュニティマネージャーを務める黒木が先日行ったプレゼン内容を,改めて紹介していきます。

 プレゼンは「長寿タイトルになるためのコミュニティを作る10の秘訣」と題し,コミュニティマネジメントにおいて欠かせないポイントを10個ピックアップした内容です。今回は前半の5つを解説していきます!

1. リーダーを見つける
 コミュニティは運営だけでは作れません。コミュニティを引っ張るリーダーを見つけ,運営の一部として巻き込むことが重要です。

 コミュニティに影響力を与えられるリーダーというと,やはり配信者をイメージしがちですし,実際配信者がコミュニティを引っ張っていくケースは多いです。ですが,必ずしもリーダーが配信者である必要はありません。重要なのは,どんなコミュニティを作りたいのか,そしてどの層からリーダーを見つけ育てていくかを具体的に想定することです。

2. 環境を整備する
 プレイヤー同士が盛り上がり,熱量が広がっていくコミュニティにするためには,まずはプレイヤーがある程度自由に動けるような環境を整えることが必要です。
 同じゲームであっても,配信を楽しむタイプ,創作に落とし込んで楽しむタイプ,ガチプレイ勢などプレイヤーの関わり方はさまざまな系統があります。ひとつひとつのコミュニティが活性化するだけでなく,異なるコミュニティの間につながりが生まれるような仕組みが作れると効果的ですね。

3. 見守りとケアを続ける
 プレイヤー同士で盛り上がっているからといって放っておくと,コミュニティは停滞してしまいます。そうならないよう,公式が丁寧にきっかけづくりを続ける意識を忘れないようにしましょう。今あるコミュニティのためのきっかけ作りだけでなく,まだ生まれてはいないもののこれからニーズが出てきそうな新たなコミュニティがあるとすればそれはなんだろう,と未来の可能性も探りながら施策を展開していくことが重要です。

4. ルールを明確に設定する
 プレイヤーが自由に活動できる環境を形成するためには,意外に思えるかもしれませんが,明確なルールを定めることが非常に大切です。「ここまではOK。ここからはNG」といった線引きを公式がはっきりさせることでプレイヤーは動きやすくなりますし,無用な炎上,プレイヤー同士のトラブルを避けることにもつながります。許容される範囲と禁止事項を分かりやすく示しましょう。

5. ゲームの外での体験を提供する
 ゲーム以外の部分で,プレイヤーにリアルな体験や思い出を提供できるような施策を考えてみましょう。五感で感じてもらえる体験は,強く心に残ります。何も幕張メッセなどを貸し切る巨大なイベントばかりが体験価値ではありません。大きなイベントを東京だけで実施するより,もしかすると参加者が50人に満たない小さなイベントを各地でやったほうが,圧倒的にプレイヤーに情緒的価値を提供できるケースもあるかもしれません。

 ゲーム以外の場所で,プレイヤー同士/プレイヤーと公式がつながりを作ることは,よく似た後発タイトルが登場したとしてもそう簡単には揺るがない関係性の構築につながります。

 今までコミュニティについてあまり優先度を上げて考えたことがない,という場合は,まず今回紹介したポイントを試してみるとよいのではないでしょうか。

 残りのポイント5つは,次回の記事でご紹介します! そのほか,感想やテーマのリクエストなどもぜひお気軽にお寄せください。

武内 一矢 株式会社NAVICUS 代表取締役。 X(旧Twitter)
2018年に株式会社NAVICUSを設立し,事業会社に近い目線で数々の企業・団体のSNS支援に携わってきたコミュニティマネジメントのスペシャリスト。株式会社ディー・エヌ・エーではソーシャルメディアチームを立ち上げ,SNSを起点としたプロモーション戦略の立案・実行を担った。大学で講義を行っている最中,教室に「ブロスタ」で遊んでいる学生がいたので,フレンド申請をしたかったがギリギリ踏みとどまった。

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※次回の更新は2024年7月22日を予定しています