Live2D Creative Awards 2023 受賞者インタビュー。第2弾は海外Live2DリガーのLanaoiさん
スマートフォンアプリや家庭用ゲーム,動画など幅広い用途で使われている“2Dリアルタイム表現”ツールLive2D(Live2D Cubism)。このツールの開発を手掛けるLive2D社が,その技術力を試す場としてLive2D Creative Awardsというコンペティションを毎年開催している。本稿でお伝えするのは,同コンペティションでフューチャー賞を受賞した海外在住のLive2Dリガー,Lanaoiさんへのメールインタビューだ。
gameindustry.biz japan editionでは,すでに第1弾として同賞のもう一人の受賞者であるmalinalliyさんへのインタビューの模様もお伝えしている。当該記事では,malinalliyさんのインタビューに加えて,なぜLive2D社が自社発信でコンペティションを開催しているのか,その狙いにも触れたので本稿と合わせてご覧いただきたい。
GamesIndustry.biz:
最初に,簡単な自己紹介をお願いします。
Lanaoiさん:
こんにちは! Lanaoiと申します。LanやAoiと呼んでも構いません。自分の名前は中国語でも日本語でも「青色」という意味になっています。Live2D Cubismを使ったお仕事がメインで,VTuberモデルのリガーとして3年以上働いています。
GamesIndustry.biz:
今回,Live2D Creative Awardsでの受賞を知ったときの気持ちを教えてください
Lanaoiさん:
私はわくわく感と深い感謝の気持ちでいっぱいでした! 受賞することで,自分の努力が報われたと感じましたね。また,今回が初めてLive2Dに公式で認められる機会となったので,コミュニティ内での自身の知名度の向上にもつながりました。
GamesIndustry.biz:
受賞後に何か変化はありましたか?
Lanaoiさん:
この賞をいただいて以来,私の人生は明確に変わりました。お仕事がより忙しくなりましたし,自分のSNSのエンゲージメントも上がりました。
GamesIndustry.biz:
どのような想いで受賞作を制作したか詳しく教えてください。
Lanaoiさん:
まず今回,私はYoriさんのモデルのリギングだけを担当させていただいたので,モデルのオーナーのYoriさんとイラスト担当のMandusaruさんにもお礼を伝えたいです。制作においては,Yoriさんのモデルの表現力を最大限に引き出したいと考えました。ですから細かい調整を完璧にするために,リギングやフェイストラッキングについて継続したテストを行いました。
目や口の形を少し調整するたび,モデルの外観がトラッキングでどのように影響されたかを確認するためにエクスポートをして確かめる……,そんな作業を何度も何度も繰り返しました。
GamesIndustry.biz:
受賞作の中で最も表現したかったことやメッセージがあれば教えてください
Lanaoiさん:
私の作品の中で重要なメッセージは,フェイストラッキングの可能性と二次元リギングの芸術性を示すことです。これらの技術を使いこなすことで,本当にそのキャラクターが存在するかのように,生命を吹き込むことができますから。
GamesIndustry.biz:
賞作品の制作において,Live2D以外のツールやソフトウェアを使用しましたか。 また,それらを選んだ理由はなんでしょうか?
Lanaoiさん:
モデルの実行にはVTube Studioを使いましたが,パーティクルエフェクトは友人のXiaoyeさんが作ったUnityのカスタムプラグインを使いました。Unityのパーティクルシステムでは,私が求める魅力的なビジュアルエフェクトを比較的容易に実現できたので助かりましたね。
GamesIndustry.biz:
制作中に苦労したことがあれば教えてください。
Lanaoiさん:
私はアニメーションが得意ではないので,その部分に特に時間がかかりましたし力を注ぎました。もう一つ課題だったのは,パーティクル効果をモデルと統合した際に,背景からクリップされていれば色が変わらないようにすることでした。望んだ結果を得るために,パーティクル制作を手伝ってくれたXiaoyeと,数日にわたってシェーダーなどを調整しながらテストをたくさん行いました。
GamesIndustry.biz:
Live2Dを始めたきっかけを教えてください。また,さまざまな表現の中からLive2Dを選んだ理由は何ですか。
Lanaoiさん:
私の場合,Live2Dを始めたきっかけは現実的なものでした。率直に言うと,自分の生活をサポートするお金を得るためです。当時,私は大学で3Dモデリングを学習していたのですが,それが非常に難しかったんです。一方のLive2Dは非常に直感的で,使い始めた頃から自分の情熱を作品制作に向けることができました。
GamesIndustry.biz:
Live2Dを使用するうえで,参考にしている作品やクリエイターはいますか。
Lanaoiさん:
私の仕事にインスピレーションを与えてくれたクリエイターはたくさんいます。Twitchで配信している笨蛋希さんやIron VertexのYanyuさん, MiggyさんやBrianさんにいろいろなテクニックを学びました。あとはHimonoさん,Cilliaさん,Dya Rikkuさん,2winさん,Bilibiliて゛喵耳滑稽菌さん,またX(旧Twitter)で活躍している多くのLive2Dリガーはすべて,自分のインスピレーションの源となっています。
GamesIndustry.biz:
Live2Dの技術を学ぶ過程で,特に役立ったリソースや学習法はありますか。
Lanaoiさん:
私はLive2Dの公式チュートリアルから勉強を始めました。それから上達するにつれて,ほかのリガーのリギングプロセスを観察するようになりました。
見慣れないものに遭遇したときはそのやり方を推測し,理解できるまで試行錯誤する。そうやって技術を自分のものにしていきました。
GamesIndustry.biz:
Live2Dを扱ううえで得意な表現,苦手な表現,目指している表現はありますか。
Lanaoiさん:
今のLive2Dの機能や使い方にはずいぶん馴れたと思っています。あと私は新しい機能がリリースされたらすぐにそれについて調べて,可能ならワークフローに統合しようと試みています。例えば,ブレンドシェイプや最近リリースされた3D表現機能はどっちも楽しく使っていますよ。
GamesIndustry.biz:
Live2Dを使って今後挑戦したいことを教えてください
Lanaoiさん:
将来はモデルのリギングだけではなく,Live2Dアニメーションの仕事も増やしたいと考えています。好きなイラスレーターの作品に命を吹き込むのが今の目標です!
GamesIndustry.biz:
ありがとうございました。
gameindustry.biz japan editionでは,すでに第1弾として同賞のもう一人の受賞者であるmalinalliyさんへのインタビューの模様もお伝えしている。当該記事では,malinalliyさんのインタビューに加えて,なぜLive2D社が自社発信でコンペティションを開催しているのか,その狙いにも触れたので本稿と合わせてご覧いただきたい。
Live2D Creative Awards 2023 フューチャー賞 Lanaoiさん
GamesIndustry.biz:
最初に,簡単な自己紹介をお願いします。
Lanaoiさん:
こんにちは! Lanaoiと申します。LanやAoiと呼んでも構いません。自分の名前は中国語でも日本語でも「青色」という意味になっています。Live2D Cubismを使ったお仕事がメインで,VTuberモデルのリガーとして3年以上働いています。
GamesIndustry.biz:
今回,Live2D Creative Awardsでの受賞を知ったときの気持ちを教えてください
Lanaoiさん:
私はわくわく感と深い感謝の気持ちでいっぱいでした! 受賞することで,自分の努力が報われたと感じましたね。また,今回が初めてLive2Dに公式で認められる機会となったので,コミュニティ内での自身の知名度の向上にもつながりました。
GamesIndustry.biz:
受賞後に何か変化はありましたか?
Lanaoiさん:
この賞をいただいて以来,私の人生は明確に変わりました。お仕事がより忙しくなりましたし,自分のSNSのエンゲージメントも上がりました。
GamesIndustry.biz:
どのような想いで受賞作を制作したか詳しく教えてください。
Lanaoiさん:
まず今回,私はYoriさんのモデルのリギングだけを担当させていただいたので,モデルのオーナーのYoriさんとイラスト担当のMandusaruさんにもお礼を伝えたいです。制作においては,Yoriさんのモデルの表現力を最大限に引き出したいと考えました。ですから細かい調整を完璧にするために,リギングやフェイストラッキングについて継続したテストを行いました。
目や口の形を少し調整するたび,モデルの外観がトラッキングでどのように影響されたかを確認するためにエクスポートをして確かめる……,そんな作業を何度も何度も繰り返しました。
GamesIndustry.biz:
受賞作の中で最も表現したかったことやメッセージがあれば教えてください
Lanaoiさん:
私の作品の中で重要なメッセージは,フェイストラッキングの可能性と二次元リギングの芸術性を示すことです。これらの技術を使いこなすことで,本当にそのキャラクターが存在するかのように,生命を吹き込むことができますから。
GamesIndustry.biz:
賞作品の制作において,Live2D以外のツールやソフトウェアを使用しましたか。 また,それらを選んだ理由はなんでしょうか?
Lanaoiさん:
モデルの実行にはVTube Studioを使いましたが,パーティクルエフェクトは友人のXiaoyeさんが作ったUnityのカスタムプラグインを使いました。Unityのパーティクルシステムでは,私が求める魅力的なビジュアルエフェクトを比較的容易に実現できたので助かりましたね。
GamesIndustry.biz:
制作中に苦労したことがあれば教えてください。
Lanaoiさん:
私はアニメーションが得意ではないので,その部分に特に時間がかかりましたし力を注ぎました。もう一つ課題だったのは,パーティクル効果をモデルと統合した際に,背景からクリップされていれば色が変わらないようにすることでした。望んだ結果を得るために,パーティクル制作を手伝ってくれたXiaoyeと,数日にわたってシェーダーなどを調整しながらテストをたくさん行いました。
GamesIndustry.biz:
Live2Dを始めたきっかけを教えてください。また,さまざまな表現の中からLive2Dを選んだ理由は何ですか。
Lanaoiさん:
私の場合,Live2Dを始めたきっかけは現実的なものでした。率直に言うと,自分の生活をサポートするお金を得るためです。当時,私は大学で3Dモデリングを学習していたのですが,それが非常に難しかったんです。一方のLive2Dは非常に直感的で,使い始めた頃から自分の情熱を作品制作に向けることができました。
GamesIndustry.biz:
Live2Dを使用するうえで,参考にしている作品やクリエイターはいますか。
Lanaoiさん:
私の仕事にインスピレーションを与えてくれたクリエイターはたくさんいます。Twitchで配信している笨蛋希さんやIron VertexのYanyuさん, MiggyさんやBrianさんにいろいろなテクニックを学びました。あとはHimonoさん,Cilliaさん,Dya Rikkuさん,2winさん,Bilibiliて゛喵耳滑稽菌さん,またX(旧Twitter)で活躍している多くのLive2Dリガーはすべて,自分のインスピレーションの源となっています。
GamesIndustry.biz:
Live2Dの技術を学ぶ過程で,特に役立ったリソースや学習法はありますか。
Lanaoiさん:
私はLive2Dの公式チュートリアルから勉強を始めました。それから上達するにつれて,ほかのリガーのリギングプロセスを観察するようになりました。
見慣れないものに遭遇したときはそのやり方を推測し,理解できるまで試行錯誤する。そうやって技術を自分のものにしていきました。
GamesIndustry.biz:
Live2Dを扱ううえで得意な表現,苦手な表現,目指している表現はありますか。
今のLive2Dの機能や使い方にはずいぶん馴れたと思っています。あと私は新しい機能がリリースされたらすぐにそれについて調べて,可能ならワークフローに統合しようと試みています。例えば,ブレンドシェイプや最近リリースされた3D表現機能はどっちも楽しく使っていますよ。
GamesIndustry.biz:
Live2Dを使って今後挑戦したいことを教えてください
Lanaoiさん:
将来はモデルのリギングだけではなく,Live2Dアニメーションの仕事も増やしたいと考えています。好きなイラスレーターの作品に命を吹き込むのが今の目標です!
GamesIndustry.biz:
ありがとうございました。