「転職したらコミュニティマネージャーだった件」第1回:なにはともあれコミュニティ施策をやろう
みなさんの会社のゲームタイトル,コミュニティ活用は上手くできていますか? SNSは効果的に運用できているでしょうか?
「上手くいっている!」という人は,これ以降は読まなくても大丈夫です。
ここからは
- コミュニティ活用ってそもそも何? どうすればいいの?
- コミュニティ施策なんかやってる場合じゃないんだけど
という方にこそ読んでいただきたいお話です。
そもそもコミュニティ活用施策で成果が上がらない理由は,「コミュニティが上手くいっている状態」をイメージできていないことが一因かもしれません。
今回はそこを紐解いていきましょう!
モバイルゲーム市場で戦うために
「data.ai」の「2024年版モバイル市場年鑑」によると,2023年のモバイルゲーム市場は世界全体で週間支出額15億ドル(約2300億円)に達したとのこと。2021年に過去最大規模を記録して以降落ち込み傾向にはあったものの,まだまだ勢いのあるビジネスであることに疑いの余地はありません。ただ,ではやすやすと戦っていける市場かというと,まったくそんなことはない……と,皆様ならよくご存知のはず。MOTTOがまとめた以下のデータを見ても,セールスランキングトップの顔ぶれが昔とまったく入れ替わっていないことが分かります。
また,新規リリースタイトルの平均課金額と,過去タイトルの平均課金額を比較すると,日本,中国,アメリカ,タイなど多くの国で,2019年から2023年まで5年間ずっと,過去タイトルのほうが多く課金されている状態が続いています。
このような状況の中,国外からの黒船でもなくIPものでもない新規タイトルが勝つために何が必要なのか? それはズバリ「コミュニティ活用」。つまり,固定ユーザーと密接なつながりを作り,ユーザーと関係性を強めていくための取り組みです。
「コミュニティが上手くいっている」とは?
コミュニティが上手くいっている状態とは,具体的に何を指すのでしょうか。リアルイベントで大勢集客できること? キャンペーンが必ずXのトレンドに入ること? ユーザーから要望をたくさんもらえる状態? それとも課金額,課金率,あるいは……?
残念ながらどれも正解ではありません。なぜなら上記はいずれも点で見える結果だからです。
コミュニティが上手くいっている状態は,かなり汎用的な言い方をするなら以下の形を指します。
(1)多くのユーザーと関わることで事業インパクトを拡大し
(2)良好な関係を作り
(3)それを持ち続けることで
(4)「積極的にゲームに関わってもらえる」状態を作る
と書いてはみたものの,抽象的過ぎますね。
ここから「自社のタイトルでは上記のどこが上手くいっていて,どこが上手くいっていないか」を見極める作業が必要となります。見極めた後は,それぞれがどの数値に当てはまるのかをつなげてKPIを設定していくことも必要です。つまり,コミュニティが上手くいっている状態を作るための作業は,タイトルごとにまったく異なるんです。
そんなことやってる場合じゃないんだけど!
コミュニティ構築には時間がかかる。提案をもらうと「半年から1年ほどかかります」なんて言われたりする。そんなの待ってられない! というケースもたくさんありますよね。ただ,コミュニティ作りに時間がかかるとはいえ,一般的なブランディングに比べると圧倒的にサイクルは早いです。特にゲームにおいては,3か月から半年で一定の成果を出す取り組みも可能です。
なぜなら,ゲームジャンルはユーザーのSNSリテラシーが圧倒的に高いからです。例えばほかの業界だと,まずSNSを意識してもらうところから始めないといけないケースもありますが,ゲームの場合「とりあえず公式はフォローしておこう」と思ってもらえる確率も非常に高いです。
ほかにもゲームにはゲーム業界ならではの特性が多々あります。コミュニティ作りは,ゲーム支援実績の豊富なパートナーとやったほうが早い,と私たちが日頃からお伝えしているのは,このあたりも大きな理由の1つです。
今後
- 限られた予算内でコミュニティ運営をどうすればよいのか
- コミュニティやSNSを売上貢献に繋げるためにはどうすればよいのか
- SNS担当者はどう選ぶべきか
- どんな体制でSNSを運用するのが理想的なのか
- マーケティング戦略とコミュニティ戦略の違い
またNAVICUSのゲーム専門チーム・ドゥでは,国内外のさまざまなタイトルのコミュニティ作りにおける戦略設計や,SNS運用(X,TikTok,Discordなど)のサポートを行っています。内製につなげていくためのノウハウ提供も積極的に行っていますので,お悩みのことがあれば公式サイト,note,メンバーのXアカウントなどから気軽にご連絡ください。
ゲームチーム・ドゥメンバーX(旧Twitter)アカウント
・くぼだい
・めぐ
武内 一矢 X(旧Twitter)
株式会社NAVICUS 代表取締役。2018年に株式会社NAVICUSを設立し,事業会社に近い目線で数々の企業・団体のSNS支援に携わってきたコミュニティマネジメントのスペシャリスト。株式会社ディー・エヌ・エーではソーシャルメディアチームを立ち上げ,SNSを起点としたプロモーション戦略の立案・実行を担った。「クラッシュ・ロワイヤル」で立ち向かってくる社員をボコボコにするのが趣味。
株式会社NAVICUS 代表取締役。2018年に株式会社NAVICUSを設立し,事業会社に近い目線で数々の企業・団体のSNS支援に携わってきたコミュニティマネジメントのスペシャリスト。株式会社ディー・エヌ・エーではソーシャルメディアチームを立ち上げ,SNSを起点としたプロモーション戦略の立案・実行を担った。「クラッシュ・ロワイヤル」で立ち向かってくる社員をボコボコにするのが趣味。
※次回の更新は2024年5月27日を予定しています