「24Frameの邪道経営哲学」第14回:アップデートを配信するときの哲学
今回のアップデート
おそらくこの連載の公開と同じ位のタイミングで,「INUMEDA」のアップデートが公開されている運びかと思います。詳細は上記の画像を見てもらえればと思いますが,今回はその内容の注釈などを少し説明します。
キーボード操作への対応
象徴的なのは「キーボード操作への対応」でしょうか。INUMEDAの操作は単純なのに,リリース時には対応なし。今回晴れて実装となりました。
とはいえキーバインドなどはまだ検討の余地あり,という状態で,これ一つとっても「アプデはされても完成ではない」という状況にあります。
なぜこのような運びになっているかと言いますと,そもそもは現場スタッフ的に「すべてをマウスクリックだけでもできるようにしよう」というところを目指したものの,それを僕のほうでもっと単純でいいとの判断から今回の仕様をオーダー,しかしてその右往左往もあって今回ようやくテスト的な実装がリリース,という経緯がありました。
という風に普通の(というとちょっと乱暴ではあるのですが)ゲームではあまりない謎のペースで物事が進むのが我々の自主制作でもある「INUMEDA」の進行ペースとなっております。
正式リリースへの道のりや遠し,といった感はありつつも,気長に見守っていただければ幸甚です。
基本的にはすべてこのペースで物事が進んでいるのですが,他のか所にも触れていきましょう。
連れ歩く仲間の並びの変更
まずは見た目の問題からですが,本作は14体まで仲間が増えるので,それが一列に並んでいるととても長い。なので3列に並べるという風に変更。
橋(一体分の幅しかない)を渡るときなどに,列がギュッとなるのが個人的には気に入っています。
バトルエフェクトなどの追加
次に同じくグラフィックス関連だと,バトル時に表示されるエフェクトの数が増えました。これはまずは負荷テスト的な意味もあって増やしています。
細かいところではキャラクター死亡時の死亡モーションなども追加していますね。
また,主人公が装備する武器のグラフィックスをいくつか追加した,というのもあります。
フィールドマップの調整
マップはあまりに簡素だった地形にメリハリをつけていく,ということがなされています。これは今後作りこんでいくべきエネミーエンカウント部分の下準備のようなものですね。
多少の調整は入っているものの,これはあくまで見た目のアタリが着き始めたという状態で,エンカウント内容やバランスはまだまだ何度か考え直す余地あり,です。
続いては機能関連。
所持スキルの確認画面
INUMEDAは発動可能なスキルが状況によって変化していくのですが,その一覧はリリース時には一応あったものの,結構ワイルドな実装だったので,大きく変更しました。
そのほか,アイテム画面などのいくつかの確認画面に変更があり,まだ解決すべき課題が残っているため,現在も改善作業が続いています。
バトルスピード変更方法の変更
同じくバトルでいうとバトルスピードの変更方法もワンボタンに変わっています。この挙動が確定したら,画面内に常に操作ガイドを出しておきたいところです。
全滅時復帰場所の変更
ここは東京ゲームショウでのユーザーさんの様子を見つつ,序盤で全滅した場合に復帰位置が遠いケースがある,という箇所への対応です。
とはいえこの手のユーザービリティ関連はまだまだ課題があるのですが,今回は軽微かつ安全そうな場所からの実装,ということでこれが適用されました。
価格と日本語対応
価格の調整も行っていますが,ここは謎というだけあって我々も本作の価値を決めかねている部分なので,今後も上がったり下がったりするのだろうな,というのが正直なところです。
実は現状のリリース版には開発中の日本語版が見られる状態にしてあるのですが,ここは実情としては日本語版リリースに向けて準備中の状態です。今回,日本語はしっかりふさいでしまってもよかったのですが,一部のユーザーさんに本作のこの状況が発見されていることもあり,とりあえず開示されたままです。
しかし,これもどこかのバージョンで一旦閉じて正式日本語リリースに向かう,という流れがやってきそうです。
奇妙な進行ペース
このように奇妙なペースで進行しておりますのがINUMEDAの状況です。
もちろんこれ以外にも細かな諸々や,ゲームの土台の部分をちょっといじりたい部分もあり,手探り状態が続いておりますので,リリースできるものはまだまだ少しずつといった状況が続きそうです。
諦めず進行していきたいと思います。
そしてこの奇妙な制作ペースの遠因でもある本作の奇妙かつ謎なシステムというものがあるのですが,今回はそれについても少しふれておきましょう。
今後に向けて考えるべきこと
「初日の売り上げが1本だった」という聖痕を背負って生まれた我らのゲーム「INUMEDA」,そのセールス無風の理由でもある「広報活動が未着手」という状況。
それを引き起こした原因の一つには,この作品中に孕む「謎」というものがあります。
この「謎」をもう少し自覚的に分析が済まないことにはその魅力を第三者に伝えていく広報活動をすることができない。
このデッドロックを解くために我々は急遽「東京ゲームショウ」への出展を行い,そこに来ている人々と直接的な「ユーザーコミュニケーション」によりその謎解き,すなわち言語化を進めようとしました。
それらを含めたここまでのまとめを以下に整理してみます。
戦闘はWizardry,移動はUltima,なローグライク
- 戦闘はWizardry,移動はUltima,なローグライク
- 2Dコマンドバトルのローグライク
- レトロゲーム風ローグライク
・レトロRPGローグライク
ということになるでしょうか。
これらを基盤としてそのうえに「集めた動物の組み合わせでスキルが発動する」というバトルシステムがのっかって「INUMEDA」というゲームが完成します。
要素が出揃ったところで,ここまでを簡単にまとめておくと
- 初日の売り上げが一本だった
- レトロRPGローグライク
- 集めた動物の組み合わせでスキルが発動する
ここまでさんざん「謎だ謎だ」と言っておいてなんですが,改めて整理してみると,上記の要素には別に謎めいた要素はないように思えます。
我々もそう思っていました。この「スキル」の発生条件のパターンが1万通りを超えてくるまでは。
という訳でここからは1万という数が引き起こす,さまざまなことについて考察を行っていきたいと思いますが,数が数だけにそれなりの文字数が必要になってきそうです。というわけで,奇妙な制作ペース,相変わらず謎のままのシステム,という状況のみを設定しつつ,以降は次回に続きます。乞うご期待!