つぶやく【ACADEMY】それで，あなたは自分のピザ屋を設立したいと……ああ，待って，ゲーム開発スタジオ？
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ゲーム業界には夢見る人がたくさんいるのだが，私自身も含めて，その夢が打ち砕かれるのを何度も見てきた。
ゲーム業界は，クールで楽しいものでありながら，ビジネスチャンスにも恵まれるというイメージがあるようだが，それはほとんど正しいことだ。
私は，この業界で働く，あるいは自分の会社に資金を提供するというアイデアに惹かれた多くの人々に会ってきた。その多くは，ビジネスが活況を呈しているときに出会った人たちだった。しかし，それは今も起きており，不況が去ればもっと増えることだろう。ところが，市場はかつてないほど競争が激しくなっている。では，新人でもベテランでも，スタジオを作る際に気をつけるべき本質的な部分というのは何なのだろうか。
今回私は異業種からの参入者にも分かりやすい記事になるよう，チャレンジしてみた。より身近なレストラン，とくにピザ屋を経営するという比喩を使うことにしたのだ。なぜピザなのか？ それは，ほとんどの人がピザを愛し，多くの人がピザを単純なビジネスだと考える傾向があるからだ。レストランはクリエイティブなビジネスでもあり，ピザは単純なレシピに見えるかもしれないが，そこには多くの複雑さが隠れている。
業界を意識する
これまであまり多くのピザを試したことがなく，何が素晴らしいピザなのか……を理解していないのであれば，素晴らしいピッツェリアを持つことは非常に困難だ。ここで言っているのは，本当にちゃんと理解しているのか，ということだ。
このビジネスは急速に進化しているので，たとえあなたがゲーム業界のことをよく知っていて，自分はベテランだと思っていたとしても，そうではないと仮定して，自分自身に多くの質問をすることはよいことだ。
その質問とは，次のようなものだ。
- 他の店のピザが人気なのは……，生地のせいなのか，それとも提供の仕方やいつも新鮮なピザを届けてくれるからなのか？。それとも，具材とその混ぜ方なのか？ これはゲームも同じだ……。 あるゲームがヒットするのはなぜか。ジャンルなのか，それとも開発チームの実行方法なのか。最新鋭のライティングや，実績のある方式を取り入れた新鮮さなのか。あるいは，楽しくて面白い伝承やかわいいキャラクターなのか。もしかしたら，そのすべてかもしれない。あなたのチームには，そのような実行力があるだろうか？ もしそうでないなら，我々のチームがそのレベルに達するには何が必要であり，それはあなたのビジネスにとって実現可能なのか，実行可能なのか？
- 現代のピザが発明された当初は，誰もピザにパイナップルを乗せることなど考えもしなかったろう。レシピは変化し，人々が求めるものも変化する。プレイヤーの好みはどのように変化しているのだろうか？ 数年前と同じゲームを求めているのだろうか？
- 私は，クールな子供たちだけが集まるスイートでナウう地区にピザ屋を作り，彼らが今好きそうなピザを提供したい。でも，そこにもう一軒ピザ屋が必要なのか，それともすでに混雑しているのか？ 同様に，このようなゲームは毎年何本作られ，何本が成功し，何本が失敗したのだろうか？ もっと特殊なジャンルのスペースはあるのだろうか？ 我々は何かに長けているのか，それとも他の人に欠けているものを提供できるのか。インディーズゲーム開発スタジオのうち，最初のゲームをリリースした後に閉鎖するところはどれくらいあるのだろうか？ ネタバレ注意：たくさんある 準備はできているか？
- ピザを作るには，特殊な産業用オーブンで3分しかかからないんだろう？ 違う! プロレベルでも，もっと長い時間がかかる。ゲームは実際どのように作られるのか？ 技術やパイプラインはどうなっているのか？ どんな人が必要で，どれくらいの時間をかけてようやくゲームが作られ，きれいにプレイできるようになるのか？ またもやネタバレだが，長い時間が必要だ。覚悟はできているか？
このような業界のノウハウなしに，健全なゲーム開発ビジネスを確立して運営できるとは到底思えない。絶対に不可能というわけではない。多くの時間を投資して，（痛みを伴いながら）学びながら，あるいはギャップを埋めてくれる大物を（費用をかけて）雇うことは可能だ。
しかし，市場を理解することは，さらに1つの大きな特典がある。それは，あなたとチームとの間の緊張を最小限に抑えることだ。また，時間，お金，労力をよりよく投資することに貢献する。
新参者のためのリアリティチェック
自分はこの業界を本当に理解しているのだろうか，それともチーム内に理解している人がいるのだろうか？
ベテランのためのリアリティチェック
最近のあるゲームがなぜ成功しているのか，本当に理解できているだろうか？ 現実的にプレイヤーに提供できるエキサイティングなものは何だろうか？ すでに混雑していないだろうか？
成長するための時間を与える
2時間生地を休ませるピザ屋もあるが，本物のピザの逸品は生地を休ませるのに16時間必要だ。開発チームも同じだ。人々は自分の仕事を学ぶか，あるいは単に仕事とコミュニケーションをとり，最も効率的なパイプラインを見つけるなど，調整する必要がある。
これは素晴らしいことに聞こえるかもしれないが，業界の専門家であるChris Zukowski氏によると（参考URL），ほとんどのインディーズスタジオ（75％以上）は1本しかゲームをリリースしていない。なぜだろう？ 自分たちのやることを信じることはもちろん必要だが，現実的に考えて，計画どおりにいかないときに適用できる不測の備えをいくつか持っておくことも必要だ。
おいしいピザには質の高い材料が必要なことは誰もが知っているが，未熟なチームでもゲームを作ることができると考える人は少なくない
最初のインディーズゲームが大成功する確率は，統計的に言って非常に低い。だから，3年がかりの大きな開発ゲームを作るのではなく，毎年1本，あるいは半年に1本，もっと頻繁にサイコロを振るべきなのではないだろうか？ ゲーム開発ではすべてが抽選というわけではないが，最初のインディーズゲームを必ず成功させられるとは思っていけない。最悪のケースを想定して，1作めがうまくいかなかった場合の次のゲーム作りを計画しておくほうがよいだろう。そうすれば，貴重なパブリッシングの経験を積み，ゲームのポートフォリオを広げると同時に，チームが学び，成長するための前例のない機会を得ることができる。
新参者，ベテランを問わないリアリティチェック
スタジオの将来は，私の最初の/次のプロジェクト以降も確保されており，私のチーム，経験，ゲームポートフォリオが成長できるのだろうか？ また，パブリッシングするチャンスはあるのだろうか？ スタジオの存続がゲームの成功に依存しているという感覚に，チームが圧倒されていないだろうか。現在のプロジェクトの範囲では，経済的に成功しなかった場合，別のものを作る可能性はないのだろうか？
ビジネスに全力を注ぐ
これは短い言葉だが，重要なことだ。もしあなたが本当に美味しいピザを作りたいなら（そしてこれこそ開発チームに必要な考え方だ），"チャンス "だからといってベルギーポテトを提供してはいけない。
私は，スタジオが他のプロジェクトの中でゲームを作ろうとしたり，今ある最も人気のあるジャンルを作ろうとしたりするのを見てきたが，ほとんどはうまくいかない。なぜか？ ゲーム開発というのは，非常に複雑なもので，多くの，ときには相補的でない，注意力，経験，細部への配慮を必要とする技術や商売が混在しているからだ。
もしあなたがゲーム開発（またはニッチな分野）に全力を注げないのであれば，あなたの代わりにそれができる人を雇い，彼らにあなたの全幅の信頼と責任と資源を預けていることを知らせよう。
新参，ベテランを問わないリアリティチェック
自分のビジネスモデルとは何なのか？ プレミアムインディーズゲームなのか，雇われ仕事なのか，迅速なイテレーションと小規模なゲームなのか，現在のトレンドの高速フォローなのか？ ビジネスに全力を注げるか？ もしできないなら，できる人がいるか？ その人たちは，私の全幅の信頼と責任，そしてリソース（スタジオを拡大する際に超重要）を持っていると感じられるか？
原材料を慎重に選ぶ
おいしいピザを作るには，質の高い材料が必要なことは誰もが知っているが，経験の浅いチームでもゲームが作れると考える人は少なくない。適切なチームを編成せずに，質の高いゲームを作れると考えるのは，健全ではない。業界の人材を雇うのは非常に難しく（そして高くつく），確立された評判やポートフォリオのない新しいスタジオならなおさらだ。
おいしいピザの土台となるのは生地だ。しかし，生地は……生地でできているわけではない。小麦粉，水，酵母，塩など，質の高い材料が必要なのだ……コアチームも同じだ。
だから，1人の才能ある人にスタジオ全体を依存してはいけないということを忘れないでほしい。非現実的な期待を抱かせたり，共通の目標を理解できなかったりすることで，チーム内につらい緊張が生まれる。親切な態度，さまざまな経験，才能を持ったプロフェッショナルなチームが必要なのだ。
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そして，もう1つ，ほとんどの人が忘れている重要な要素，それは「時間」だ。一朝一夕にできるものではないのだ。
もちろん，あなたには異なるスキルレベルの人材が必要であり，才能ある業界の新人に投資して，彼らとともにスタジオのDNAを形成する必要がある。しかし，間違いなく，レシピは80：20であり，20％は新人を意味し，その逆ではない。スタジオに資金を提供する場合，大きなお金が動く。そのリスクを冒してまで，運に賭けたくはない。適切な人材に賭けてほしい。
もし，「完璧なチーム」を見つけるのに苦労したら，適応して規模を縮小すればいい。才能ある人を雇い，資金をすべて燃やすような大作ゲームを作るのではなく，チームの経験を活かして，もっと控えめだけどおいしいものを作る方法を考えたほうがいい。10種類の食材を使った，誰も好きではない半生ピザよりも，素晴らしいマルゲリータを提供し始めたほうがいいだろう。そして，やっていくうちに，より多くのものを出荷し，より多くのことを学ぶことができるのだ。
新参者のためのリアリティチェック
自分には強力でバランスの取れたコアチームがあるのか？ もしそうでなければ，期待値や生産量を縮小しなければならないかもしれない。
ベテランのためのリアリティチェック
私のチームは幸せか？ コアチームの相性はいいのか？ 全員が気持ちよく働けるように，年功序列のレベルは十分に高いか？ もし，どれかが「ノー」なら，それを実現するために，誰が必要なのか，誰を交代させる必要があるのか？ もしかしたら，期待値や生産量を下げなければならないかもしれないのか？
ムードを作る
我々は皆，魅力的で居心地の良い場所に行くのが好きだ。そこでは，サービスが親切で，明るいオーナーが入口で出迎えてくれ，彼らがビジネスに完全に投資し，気にかけていることが分かる。それと同じように，スタジオの雰囲気や価値観を正しく設定する必要がある。
素晴らしいゲームのレビューを読むと，「このゲームを作るのに，たくさんの心が込められていることが感じられる」と書かれていることがある。魚は頭から腐り始める」というポーランド語のことわざがあるが，これはマネジメントが問題の原因であることが多いという意味だ。あなたはチームにとって刺激になる存在であるべきだ。
ゲームビジネスにおいて，お金を稼ぐことは重要であり，不可欠であるが，それだけが原動力であってはならない
ゲームビジネスにおいて金儲けは重要かつ不可欠だが，それだけを原動力にすることはできない。遅かれ早かれ，デベロッパ（そしてプレイヤー）はそれを感じ，あなたに背を向けることになるだろう。ゲームは芸術であり，優れたゲームには，優れた芸術と同じように，心が必要だ。あなたが彼らの仕事を気にかけていることをチームに示し，ゲームに対する情熱を表現してほしい。親切でプロフェッショナルな態度でチームに接しよう。あなたの信頼と，彼らの代理人であることを感じさせてほしい。そうすることで，彼らは感謝し，それが製品に反映されるだろう。
新参者のためのリアリティチェック
自分のスタジオが共有したい価値観は何だろうか？ 自分にはゲームに対する純粋な情熱と，スタジオの雰囲気を盛り上げる姿勢があるのか，この役割にふさわしい人が必要なのか？
ベテランのためのリアリティチェック
我々の価値観をアップデートする必要があるか？ チームは私に満足しているのか，それとも何か改善できることがあるのか？
新しいスタジオ，あるいは既存のスタジオを立ち上げるのは簡単なことではないが，最もやりがいのある経験の1つだ。上記のリストは決して完全なものではないが，このリストが提供する教訓と正しい考え方が，我々の愛する業界の荒波を乗り切る助けとなることを願っている。
Mariusz Leśniewski氏は，Kool2Playのスタジオ責任者だ。モバイルおよびPCゲームの開発におけるデザイナーおよびプロデューサーとして10年の経験を持ち，チームの目標達成を支援することに重点を置いている。Linkedinで連絡を取ることができる（参考URL）。
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※本記事はGamesIndustry.bizとのライセンス契約のもとで翻訳されています（元記事はこちら）
