【ACADEMY】導入研修:新入社員を成功に導く方法
Fundamentally GamesのCOOとして,私がチームを一から作り上げる責任を負うのは,今回で2回めだ。
私自身の経験だけでなく,他の企業や個人からのアイデア,そしてチームからのフィードバックや提案をもとに,私は常に学び,チームのサポート方法を改善したいと考えている。昨年,5人から11人に増えた我々は,まだとても小さなチームだが,新メンバーの受け入れは私の重要な役割の1つだった。
我々は完全なリモートチームだ。しっかりとしたオンボーディングプロセスは,対面式のチームにとってもリモートチームにとっても同様に重要だが,後者では,新しいチームメンバーがチームの一員であると感じ,必要なサポートや体制を確保できるように,より積極的な組織作りが必要になる可能性がある。
- 採用
- 1日め
- 1週間め
- 1か月め
- 最初の3か月間とそれ以降
採用
我々は,採用プロセス全体をオンボーディングプロセスと位置づけているが,具体的な活動としては,以下のようなものがある。
- 面接最終段階での「ゲームをする」セッションを,既存のチームメンバー3〜4人と一緒に行う。これは,チームでパーティタイプのゲーム(通常はJackboxのゲーム)を選んで一緒にプレイし,おしゃべりをする機会も設けるというものだ。通常,候補者と密接に仕事をするであろう人たちを選ぶが,とくに面接官や最終決定権者は含めないようにしている。現チームは,このセッションのフィードバックを最終的な意思決定に反映させ,候補者とチームとの関係は入社初日以前の段階で構築される。
採用活動は,新メンバー候補者に会社やチーム,仕事の進め方などを知ってもらう機会でもある
- 雇用契約手続きの一環として会社ハンドブックを共有し,候補者が我々の期待,価値観,アプローチを理解できるようにする。
- 雇用契約が締結されたら新メンバーと電話会議を行い,今後の入社プロセスについて予想を設定する。とくに,新しい職務に就いてから数日,数週間,数か月の間に何が起こるかを説明する。基本的なことを説明し,入社後数カ月間のプロセスや期待事項を詳細に記載した「入社時チェックリスト」も共有しよう。また,リモートチームであるため,仕事を始めるために必要なものが揃っているかどうかも確認する。これは,必要な機材やフレックスタイム制の適用について合意することを意味する。
- 内部的には,少なくとも最初の2,3週間はオンボーディングのタスクを計画し,そのタスクを遂行するために候補者がどのようにサポートされるかに同意する。
- 最後に,候補者に歓迎の品を送り,初日の少し前に到着するようにする。これは会社のウェルカムパックではなく,個人的な(たいていは食べられる!)贈り物を送って,候補者を会社に迎え入れたいと考えている。
- また,我々のプロジェクトに慣れてもらうために,現在進行中のゲームを1人でプレイしてもらうか,チームプレイのセッションに参加してもらうことも可能だ。
1日め
入社初日までに,新メンバーが初日から何をすべきかを知っており,必要な機材を揃え,少なくともチームの何人かを知っている状態が目標だ。
- チームスタンドアップ ― チーム全員を紹介され,ミーティングに耳を傾ける。
- 退屈なことを片付ける ―メールからSlackまで,すべてのシステムのセットアップを行い,毎日のスタンドアップから日報まで,報告とコミュニケーションの必要事項を確認する。
- 会社についての短いプレゼンテーションを行い,我々が何をしているのか,どのようにそれを行っているのか,そして自分たちの役割がその中でどのようにフィットしているのか,そしてチームについて見ていくのだ。時間がかかるので,すべてを覚えてもらうことは期待さないが,これが出発点だ。
- 最初のタスクの割り当て ― 新しいチームメンバーには,最初の数日間,あるいは数週間を過ごすための最初のタスクをいくつか設定し,最初の期間に何らかの構造と方向性を与えたいと考えている。とくに若手のメンバーには,トレーニングのための特別なタスクや,プロジェクトに直接参加するための特別なタスクが考えられる。どのようなタスクであれ,重要なのは,チームメンバーがどのように質問すればよいか,どのようなサポートがあるか,タイミングや成果物の範囲など,何を期待されているかを確実に理解することだ。
第1週
1週間めは,新しいチームメンバーが日常生活に慣れること,自分の役割や会社について理解することに重点を置く。そして,フィードバックとサポートに重点を置きながら,最初に与えられた仕事を進めていく。
最初の1週間は,以下のような活動を行う。
- 定期的なチェックインをミーティングとは別に行い,具体的なタスクについて話し合う。新メンバーが一般的な質問をできるように,最初の週に1,2回,一般的なチャットをするようにしている。
- 新メンバーと他のメンバーとの「1対1のコーヒーモーニング」を奨励する。これは,直接一緒に仕事をしないチームメンバーにとってはとくに重要なことだ。1週間めですべてが完了するわけではないが,少なくとも2,3回は完了させ,他のメンバーも今後数週間の間にセットアップしておくようにする。
- 週1回のマーケティング会議,特定のゲームに関する開発チームとの定例会議など,そのメンバーが関わっているプロジェクトやタスクに関する特定の会議に参加し始める。
1か月め
我々はいつも,チームメンバーが足元を固めるのに最低でも1か月,長ければ3か月かかると想定している。
チームメンバーが足元を固めるのに,最低でも1か月,長ければ3か月かかると常に想定している
最低でも最初の1か月は,新メンバーが慣れるための期間と考え,この期間に新メンバーの役割,期待,目標について一緒に理解を深めていく。これと並行して,主な活動を紹介する。- 最初のソーシャルイベント:我々は遠隔地にいるため,通常は夜のZoomパーティで,おしゃべりをしたり,ゲームをしたりする。
- 特別な趣味のグループ:チームメンバー全員に特別な趣味のグループに参加することを勧めている。主にSlack上のカジュアルなグループだが,チームの成長に合わせて,グループの数や活動内容を増やしていきたいと考えている。
- 個人開発計画(※PDP):最初の1か月は,新チームメンバーのPDPを設定する。この計画では,まず具体的な役割の責任(ジョブスペックから),成功とはどのようなものか(我々が期待すること,チームメンバーの目標),その達成に必要なサポート,予想されるスケジュールなどに焦点を当てる。PDPの第2部では,役割とキャリアに関するチームメンバー自身の目標と,それに対して当社が提供できる支援について検討する。
最初の3か月とそれ以降
通常,最初の3か月は試用期間となるため,3か月めの終わりは重要なマイルストーンとなる。この期間にチームメンバーが成功するために何が必要かを知るためにPDPを使用し,通常この最初の3か月の間に少なくとも1回はPDPを見直す。
その後,3か月に1回,ずっとPDPを見直すのだが,これにはかなりの時間がかかってくる。しかし,我々はそこから大きな価値を得ており,チームもそうだと信じている。このような取り組みにより,従業員が自分の役割とキャリアを前進させることができるのだ。また,疑問や不安を相談する機会にもなっている。
PDPで重要なことは,悪いニュースや批判は決してこのセッションのために取っておかないということだ。問題があれば,その都度提起する。なぜなら,PDPはチームが心配するようなものではなく,ポジティブな経験であってほしいからだ。
年に4回,チームのための戦略デーを開催し,ビジネスのさまざまな側面を探り,我々のやり方を改善するための意見をもらっている
その他の主な活動は以下のとおりだ。- FGの知識共有(※FGはFundamentally Gamesの略と思われる):デベロッパをサポートし,知識を蓄積するために,直接的なプロジェクト以外でも多くの活動を行っている。これには,FG Discordコミュニティ,毎月のウェビナーや記事などが含まれる。我々は,各チームメンバーがこのような活動に参加することに興味があるかどうか,またどのように参加するかについて,各メンバーと検討する。
- 戦略日:年に4回,チームのための戦略日を開催し,ビジネスのさまざまな側面を探求し,課題の解決ややり方の改善についてチームから意見をもらう。
- 直接会ってのミーティング:可能であれば,通常はロンドンで直接会ってミーティングを行う。COVIDの関係で,まだ定期的な開催には至っていないが,いずれは年に数回行えるようにしたいと思っている。
オンボーディングは,チームメンバー1人ひとりと過ごす旅の始まりにすぎず,最初に出会った瞬間から,そして本当は,決して終わることのないものだ。雇用主としてのあなたの第一の責任は,従業員が自分の役割とキャリアにおいて成長できる環境を作ることだ。
そのためには,従業員が自分に何が求められているかを知り,自分の役割とキャリアをコントロールできていると感じ,あなたとともに歩む道を理解できるような,協力的で体系的な環境を提供することに力を注ぐ必要がある ―これは,3人のチームでも300人のチームでも変わらない。
Ella Romanos氏は,リビングゲームパブリッシャFundamentally GamesのCOO兼共同設立者だ。元々はプログラマで,ゲームスタジオ,チーム,プロジェクトの構築と管理で14年の経験を持つ。
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※本記事はGamesIndustry.bizとのライセンス契約のもとで翻訳されています(元記事はこちら)