世界保健機構(WHO)は「ゲーム障害」を病気として認定

新分類は2022年1月1日から施行される。

 世界保健機構の194の加盟国は,今日(※2019年5月25日)行われた第72回世界保健総会において,「賭博障害」を病気として認定した(参考URL)。

 WHOは昨年6月に提出された(関連英文記事),ゲーム障害を含む国際統計的疾病分類と関連する健康問題の第11改訂(ICD-11)を最終決定した。この障害は,以下のように記述されている。「ゲームに対する統制の喪失,ほかの興味や日々の活動よりもゲームが優先される範囲でほかの活動よりも優先されるゲーム,および悪影響が発生してもゲームの継続またはエスカレーションを特徴とする行動パターン」

 WHOはその時点で次のように述べていた。「ゲーム障害を診断するには,その行動パターンは,個人,家族,社会,教育,職業またはそのほかの重要な機能分野において,重大な機能障害をもたらし,さらに通常,最低12か月間は症状が表れているなど,十分に厳密である必要がある」

 この病気は,ESA,ISFE,UKIEを含む,世界的なビデオゲーム団体と対立していた(関連英文記事)。これらはこの問題で否定的な研究と主張を強調していた。業界団体とそのメンバーからの主張は,もっと多くの研究がなされる必要があるということ,そしてゲーム障害は,おそらくより深刻で根本的な精神的健康問題の徴候であるということだった。

 ESAはさらに進んで,優れたビデオゲームは経済的,創造的,政治的に機能しており,WHOの分類によって教育,健康,その他多くの面で危険にさらされていると述べた(関連英文記事)。

 これらの反対にもかかわらず,ICD-11は本日の世界保健総会で採択することで合意された。2022年1月1日に施行される予定だ。WHOは,ICD-11にゲーム障害を含めるという決定は,入手可能な証拠の検証に基づいており,さまざまな分野や地域からの専門家の合意を反映していると述べている。

 同機構は「ICD-11に賭博障害を含めることは,世界の多くの地域でゲーム障害に特徴的なものと同一の健康状態を有する人々のための治療プログラムの開発に続き,さらにこの疾患の発症リスクに対して,そしてそれに応じて,関連する予防および治療措置に対して健康専門家の関心の増大をもたらすでしょう」と述べている。

 今週初め,MicrosoftはGamesIndustry.bizに子供を守るための安全対策について話をした(関連英文記事)。同社は,年配のプレイヤーを支援する方法についても検討すると述べていた。

 WHOの加盟国は,ICD-11は透明かつ協力的な方法で策定されていると指摘している。

※本記事はGamesIndustry.bizとのライセンス契約のもとで翻訳されています(元記事はこちら