SIE WWS:PS3は「純然たる傲慢の時代」だった

Sony Interactive Entertainment Worldwide Studiosの社長であるLayden氏は,前世代の失策とPS4でいかに軌道修正を行ったかを振り返った。

 2月12日に行われた2019 D.I.C.E. SummitでのShawn Layden氏の基調講演では,このような目立つ形で公開されたプラットフォームホルダーの声からは誰も予想しなかったであろう言葉が飛び出した。

 Sony Interactive Entertainment Worldwide Studiosの社長を務めるLayden氏は,2018年の北米でのゲーム機売り上げで任天堂の最新プラットフォームが最多となったことに注目してSwitchの成功を歓迎した。また氏は,MicrosoftのMinecraftがオンラインソーシャルプレイについての業界の考え方を変え,両親と子供たちが一緒に楽しめる体験を創造したことを褒め称えた。そして氏はソニーの失策について率直に語った。とくにPlayStation 3についてだ。

 「あなた方の多くはPlayStation 2が業界の覇者であったことをご存じでしょう」とLayden氏は語った。「これは現在でも歴代で最も多く売れたゲーム機のひとつでした。しかし,直後に続いたPlayStation 3は,PlayStationの25年近い歴史の中でも,純然たる傲慢の時代となりました。ときどき我々は,PS3を我々のイカロスだと呼んでいます。我々のビジネスの下降は急激でした。我々は顧客の声を聞いていなかったのです。我々は悪魔的な開発環境を作り出していました。我々の対応は遅すぎ,ネットワークは開発途上でした。覚えているかもしれませんが,なによりも最悪だったのは,その価格設定でした」

 「PS3と関連を保つための我々の戦いはうまく展開されていましたが,あまり手が回っていなかったのは,我々の会社を現在のような形に変えるための人材の招集でした。我々はデベロッパやゲーマーの話を聞きました。我々はMark Cernyに話を聞きました。我々が製作したPS4は,ファンのためであるのと同様にデベロッパのためのゲーム機なのです。我々はゲームのクオリティに注力し,タイトル制作に当たっては,最高の芸術作品がしばしばとるような方法で試練のときを耐えてきました」

 クオリティへの注力は,ソニーの創業者兼社長であった盛田昭夫氏の下で働いていたときにLayden氏に植え付けられたものだ。

 「彼は,たとえそれが最愛のものを犠牲にすることを意味していたとしても,永遠に改革を進めるべきだというでしょう」とLayden氏は語る。「我々は自分たちの製品を他社がやるよりも先に時代遅れにしていかなくてはなりません。なぜなら他社に時代遅れにされるからです。盛田さんは技術革新のジレンマをよく理解していました。そしていつもそれに取り組んでいたのです」

 Layden氏は,PS4でのエクスクルーシブ大作のいくつか―― Bloodborne,Horizon Zero Dawn,God of War ――は,PS3時代における同社の軌道修正に遡ることができると語った。氏はとくにオープンワールドアクションゲームであるHorizon Zero Dawnについて,デベロッパであるGuerrilla Gamesの過去の作品からの大きな方向転換だったと指摘している。同スタジオはFPSのKillzoneシリーズで頭角を現していた。Killzoneは人狼の追加はあったとはいえ,本質的に専門知識に裏づけされたプロジェクトを実際に持っていた。「準備に磨き」をかけたとLayden氏は語る。しかしGuerrillaは内部的にクリエイティブプロセスを開放し,次に取り組むべきプロジェクトについて従業員から30の提案を集めていたという。そのひとつがHorizon Zero Dawnだった。

 「何人かは『ロボットの恐竜なんて誰も興味ないよ』と言っていました。しかし,ご存じのように,またもや創造性が勝利したのです」

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