[TGS 2018]VRデバイスなど東京ゲームショウで見かけたハードウェア展示あれこれ
2018年9月20日から23日まで千葉県・幕張メッセで開催された東京ゲームショウの展示から,主にハードウェア関係で気になったものをいくつかピックアップしてみたい。
●BeRISE & StarVR One
広島市立大学から派生してVRも手がけている企業BeRISEは,椅子型のモーションベースとトレッドミルの2種類の製品を展示していた。
そして,これらのデモに使われていたのは,日本では初公開となるStarVR Oneだった。Steam VRのアイコンがStarVR型になっているのが印象的だった。
以前のものと比べて視野角は上下方向に広がっており,元から圧倒的に広かった視野はさらに自然になっている。一般的なVRヘッドセットで感じられるような覗き込み感はほぼない。人間の視野角は左右200度程度,上下130度程度と言われており,以前からStarVR Oneは左右210度,上下130度というカタログスペックになっていた。一部で以前は上下90度としている資料もあり,今回聞いた話でも「90度から110度になった」とのことだった。現在のStarVR Oneでも公式スペックは変わっていないのだが,実際のところ,以前より上下に画面が広がったような印象はあった。完全に視野をカバーする数値である130度にしては,とくに下方向は少し足りない感じだったので110度というのは納得できる数値ではある。
ただ,左右の視野角が広すぎるため,装着した瞬間に左右の不連続部分が見える。このあたりは以前レポートしたときと変わらないのだが,すぐに気ならなくなるのも変わっていない。StarVRも発表されてからかなり時間の経つデバイスではあるが,視野角についてはいまだ最高峰である。
椅子型のライドマシン「Lumbus」は,あまり目新しい種類のデバイスではないのだが最大25度という傾斜を実現しているのが見どころだ。三角定規でお馴染みな30度よりも小さい角度だと,さほど急でもないように思う人もいるかもしれない。しかし,VR空間内では角度が誇張されているので,実際のところ結構な傾きとして感じられる。体感で2倍以上の角度だろうか。
元々この手のモノだとちょっと傾くだけでも十分な体感が得られるものなのだが,さらに凄いところまで表現できる。実際に転げ落ちる心配はまずないものの,VR空間内では普通は転げ落ちると思わせるくらいの角度が体感できるのだ。
デモ内容はビルの上から出発する短距離のジェットコースターというかトロッコ(?)の体験だった。
凄い逆バンクのコーナーをゆっくり曲がるという無理筋な設定のコースを経て,レールは途切れる。最後は前方に大きく傾いて,傾き終わった状態で垂直落下する。ただ,ちょっと傾けすぎなのか,個人的には方向がよく分からなくなっていた。身体の状態としては大きく前に傾いているのだが,さすがに真下90度を向いているほどの体感はない。左右とは違って,前後方向の傾きは座り方や姿勢で,効果がかなり緩和されるように思われる。
となると,四角いビルの窓がまっすぐ並んでいるのは水平方向なのか垂直方向なのか判断ができなくなったのだ。というか水平であるように感じられていたのだ。小さく見える景色も下にあるから怖いのであって,前方にあると思うと単に遠いだけに見えるというのは意外な気づきだった。落下時はほどほどの斜めにしたほうが効果は上がっていたように思われる。
続いて,移動系のデバイス,いわゆるトレッドミルだ。「トレッドミル」というのはルームランナー的なデバイスの総称として使われる単語であり,VRではその場で走った感じを出せる移動系デバイスを指す。
さて,VRでの移動については酔いの問題が絡んでおり,「VR空間を自由に歩き回る」といった当たり前に求められることがなかなかできないのが現実だ。
乗り物系以外だと,メジャーなVRゲームのほとんどは動かないかワープするかのどちらかだ。酔いをなくす=体感との齟齬をなくす,ということで,実際に歩く・走る体感を身体的に伴わせることが望ましい。手足を使って歩くという動作は,体感上,VR空間内での酔いを起こしにくいので,その自然な移動方法の確立が求められている。
理想で言えば,本当に広い空間をフリーロームで走り回るという体験が最上なのだろうが,なかなかそういう施設は作れない。トレッドミルは,限られた空間で,かなりリアルに「走る」ことを可能にするデバイスではある。
トレッドミルにもいろいろ方式があるのだが,BeRISEの製品は,大腿部の動きを圧力として検出するというものになっている。左右の脚の動きをまとめて取れて身体の支えも同時に行えるということで,構造自体はシンプルにできている。とはいうものの,脚の動きを取るというのは多少なりとも脚の動きが制限されるということでもあり,体感はやや低下することが懸念される。また身体を支える部分が一般的なトレッドミルと比べて低い位置であるのもやや気になる。3D&バーチャルリアリティ展で見たときよりもゴツい作りになっていたものの(関連記事),見ているとかなりもたれかかった状態で操作している人もおり,ちょっと強度的・安定性的に心配になってしまうのだ。
●Cybershoes
E3で発表されていたCybershoesはスリッパのような形状の移動系入力デバイスだ。マウスを両足に付けているようなものだと思うと分かりやすい。回転軸のある椅子と組み合わせて使用し,VR空間で全方向での移動入力を実現する。こちらの記事も合わせて読むとよいだろう。
https://www.4gamer.net/games/999/G999902/20180922121/
Cybershoesでは,デバイスを両足に装着し,椅子の下で足を滑らせる感じで使用する。これを自然な歩行といえるかどうかは微妙なのだが,足を動かすことと連動した移動は,VRで求められている体感と連動している。
本当に「歩く・走る」ができるトレッドミルと同じ体験ができるわけではないが,安価に代替できるものとして注目する人も多く,なにより,設置が簡単なのがよい。
若干気になったのは,椅子の回転だ。ケーブルが絡まないようにしなくてはならない。
Kickstarterでのキャンペーンがまもなく行われ,価格などは未定だが,だいたい300ドル以下になるとされている。公式サイトを見る限り,デバイス単体と回転椅子のセットでの展開が行われるようだ。一般的なキャスター付き5脚椅子とかだと,脚が移動の邪魔になったり,安定性に欠けたりすることは間違いない。椅子選びまで考えると素直に推奨品を使うのがいいのだろうか。
●TACTOT
韓国bhapticsと日本のIVRの共同出展ブースでは,触感機能付きVRスーツ「TACTOT」を使ったデモが行われていた。
現状,VR用ハンドコントローラのほとんどは振動によるフォースフィードバック機能を備えている。VR空間内ではオブジェクトの実体がないため,操作の手応えがないことは,ある種のもの足りなさを感じさせる要素である。さらなる触感要素を加えれば,没入度を上げることが期待でき,全身に振動を与えるデバイスを付けようというのが,bhapticsの製品群となる。
TACTOTは,ベスト状のVRスーツで,背中側はマジックテープ,腹側はジッパーで閉めて密着させる。ベストには,前面に20箇所,背面に20箇所,額に5箇所の振動子が配置されており,FPSなら弾が当たった場所が振動するといった感じの使い方となる。なお,額の部分は,VRヘッドセットのフェイスパッドを置き換えるような感じでの実装となるので,機材はあまり選ばない雰囲気ではあった。
デモとして使われたのは,IVR制作の名づけて「つんつんVR」だ。両手に持ったWindows MRコントローラは,VR空間内では棒の先に人差し指を伸ばした手がくっついており,2人のプレイヤーがその棒を使って互いにつつき合うという内容だ。当たるとごく普通の振動がくる。胴体部に40箇所のスポットがあるのだが,意外と真正面が薄いように感じられた。ちなみにアバターは女の子同士である。
これはてっきりこの展示専用のデモプログラムかと思ったら,Steamの早期アクセスゲームで無料配布されていた。TACTOTがなければあまり楽しめるものではなく,しかも2着必要だろうから(一応,自分の身体をつついても反応はする)かなり限られたターゲットに向けたソフトではある。
ほとんどデモは行われていなかったのだが,ベスト以外に手足に付けるモジュールも展示されていた。ともに20個の振動子を持つものとなっている。前述のベストのデモはWindows MRで行われていたのだが,こちらにはViveトラッカーが取り付けられている。
そのほか,まだ実験的なものとして温度を変化させるデバイスも展示されていた。振動子と同様に表面に取り付けられたペルチェ素子で温度を上下させるというものだ。温度変化を扱ったものはTGS2017でも別の韓国企業が「ThermoReal」を出展していたのだが,こちらはウェアラブルで使うという展開だ。
熱く,冷たくと,意外と素早く反応してはいたものの,ウェアラブルだと用途はかなり限定されるのではなかろうか。全身の肌に直接付ける仕様であれば,Tact Suitsの振動部位と合わせて,撃たれると熱いといった刺激を加えることもできなくはない。ただ,そういう実装は難しいだろう。ベストのように服の上から着る製品では威力は発揮できないので,設置部分が限られるのが難点だ。
温度変化の効果は局所的だ。全体的な気温変化を表現するならエアコンの風を制御するようなデバイスのほうが使いやすいだろう。「技術的に可能」ではあっても,ゲームデザインに取り込めるかのビジョンが見えづらいあたりが試作品な理由かもしれない。
●Aromajoin
ロマンスゲームコーナーに展示されていたハードウェア「Aromajoin」は,ゲームの状況に合わせた匂いを発生させるデバイスであった。
匂い関係というとVaqso VRを思い出す人もいるかもしれない。Vaqso VRはVRヘッドセットへの装着を前提にしたデバイスだが,こちらはVRなどに限らない汎用のものを目指しているようだった。
デバイス自体は写真のような六角柱形状をしており,6種類の香りをなお蔵できるという。香りは先端の穴の部分から漂ってくるのだが,デバイスを手に取って匂いを嗅ぎにいくと感じられるのだが,そうでないと難しい。単体で置いておくのは弱いと感じた。ファンなどと組み合わせるべきだろう。
特徴は固体香料を使っている点だ。3秒間の射出を4万5000回行うことができる。液体式のものと比べて格段に長寿命とのことだった。
一度にセットできるのは6種類の香りだが,ベースとなる匂い自体はほぼ「なんでも作れる」というのが基本らしい。ゲームやコンテンツに合わせて最適なものを調合できるようだ。
ゲームでの利用例として展示されていたのはクイズゲームだった。
クイズゲームは,世界各地の豆知識を問うもので,香りと直接の関係はないものだった。クイズが当たると香りが出ますよという軽いデモだ。
そのほか,ゲーム内からプログラムで制御する方法以外に,ムービーに同期して香りを出すためのオーサリングツールなどが展示されていた。このシーンではこのタイミングでコーヒーの香りを出すといったことが指定できる。
ゲーム用としての展開を模索してはいるが,ロマンスゲームコーナーは適しているようで適していないかもしれないと感じた。最も手軽そうな「〜君をイメージした香り」みたいな使い方をすると6種類ではとうてい足りないだろう。
女の子向けなら,ゲームとは結び付けなくてもプログラマブルなアロマディフューザとしてだけでも商品化はできそうは気はしなくもないのだが。
●BeRISE & StarVR One
広島市立大学から派生してVRも手がけている企業BeRISEは,椅子型のモーションベースとトレッドミルの2種類の製品を展示していた。
以前のものと比べて視野角は上下方向に広がっており,元から圧倒的に広かった視野はさらに自然になっている。一般的なVRヘッドセットで感じられるような覗き込み感はほぼない。人間の視野角は左右200度程度,上下130度程度と言われており,以前からStarVR Oneは左右210度,上下130度というカタログスペックになっていた。一部で以前は上下90度としている資料もあり,今回聞いた話でも「90度から110度になった」とのことだった。現在のStarVR Oneでも公式スペックは変わっていないのだが,実際のところ,以前より上下に画面が広がったような印象はあった。完全に視野をカバーする数値である130度にしては,とくに下方向は少し足りない感じだったので110度というのは納得できる数値ではある。
ただ,左右の視野角が広すぎるため,装着した瞬間に左右の不連続部分が見える。このあたりは以前レポートしたときと変わらないのだが,すぐに気ならなくなるのも変わっていない。StarVRも発表されてからかなり時間の経つデバイスではあるが,視野角についてはいまだ最高峰である。
元々この手のモノだとちょっと傾くだけでも十分な体感が得られるものなのだが,さらに凄いところまで表現できる。実際に転げ落ちる心配はまずないものの,VR空間内では普通は転げ落ちると思わせるくらいの角度が体感できるのだ。
凄い逆バンクのコーナーをゆっくり曲がるという無理筋な設定のコースを経て,レールは途切れる。最後は前方に大きく傾いて,傾き終わった状態で垂直落下する。ただ,ちょっと傾けすぎなのか,個人的には方向がよく分からなくなっていた。身体の状態としては大きく前に傾いているのだが,さすがに真下90度を向いているほどの体感はない。左右とは違って,前後方向の傾きは座り方や姿勢で,効果がかなり緩和されるように思われる。
となると,四角いビルの窓がまっすぐ並んでいるのは水平方向なのか垂直方向なのか判断ができなくなったのだ。というか水平であるように感じられていたのだ。小さく見える景色も下にあるから怖いのであって,前方にあると思うと単に遠いだけに見えるというのは意外な気づきだった。落下時はほどほどの斜めにしたほうが効果は上がっていたように思われる。
さて,VRでの移動については酔いの問題が絡んでおり,「VR空間を自由に歩き回る」といった当たり前に求められることがなかなかできないのが現実だ。
乗り物系以外だと,メジャーなVRゲームのほとんどは動かないかワープするかのどちらかだ。酔いをなくす=体感との齟齬をなくす,ということで,実際に歩く・走る体感を身体的に伴わせることが望ましい。手足を使って歩くという動作は,体感上,VR空間内での酔いを起こしにくいので,その自然な移動方法の確立が求められている。
理想で言えば,本当に広い空間をフリーロームで走り回るという体験が最上なのだろうが,なかなかそういう施設は作れない。トレッドミルは,限られた空間で,かなりリアルに「走る」ことを可能にするデバイスではある。
トレッドミルにもいろいろ方式があるのだが,BeRISEの製品は,大腿部の動きを圧力として検出するというものになっている。左右の脚の動きをまとめて取れて身体の支えも同時に行えるということで,構造自体はシンプルにできている。とはいうものの,脚の動きを取るというのは多少なりとも脚の動きが制限されるということでもあり,体感はやや低下することが懸念される。また身体を支える部分が一般的なトレッドミルと比べて低い位置であるのもやや気になる。3D&バーチャルリアリティ展で見たときよりもゴツい作りになっていたものの(関連記事),見ているとかなりもたれかかった状態で操作している人もおり,ちょっと強度的・安定性的に心配になってしまうのだ。
BeRISE公式サイト
●Cybershoes
E3で発表されていたCybershoesはスリッパのような形状の移動系入力デバイスだ。マウスを両足に付けているようなものだと思うと分かりやすい。回転軸のある椅子と組み合わせて使用し,VR空間で全方向での移動入力を実現する。こちらの記事も合わせて読むとよいだろう。
https://www.4gamer.net/games/999/G999902/20180922121/
Cybershoesでは,デバイスを両足に装着し,椅子の下で足を滑らせる感じで使用する。これを自然な歩行といえるかどうかは微妙なのだが,足を動かすことと連動した移動は,VRで求められている体感と連動している。
本当に「歩く・走る」ができるトレッドミルと同じ体験ができるわけではないが,安価に代替できるものとして注目する人も多く,なにより,設置が簡単なのがよい。
若干気になったのは,椅子の回転だ。ケーブルが絡まないようにしなくてはならない。
Kickstarterでのキャンペーンがまもなく行われ,価格などは未定だが,だいたい300ドル以下になるとされている。公式サイトを見る限り,デバイス単体と回転椅子のセットでの展開が行われるようだ。一般的なキャスター付き5脚椅子とかだと,脚が移動の邪魔になったり,安定性に欠けたりすることは間違いない。椅子選びまで考えると素直に推奨品を使うのがいいのだろうか。
Cybershoes公式サイト
●TACTOT
韓国bhapticsと日本のIVRの共同出展ブースでは,触感機能付きVRスーツ「TACTOT」を使ったデモが行われていた。
TACTOTは,ベスト状のVRスーツで,背中側はマジックテープ,腹側はジッパーで閉めて密着させる。ベストには,前面に20箇所,背面に20箇所,額に5箇所の振動子が配置されており,FPSなら弾が当たった場所が振動するといった感じの使い方となる。なお,額の部分は,VRヘッドセットのフェイスパッドを置き換えるような感じでの実装となるので,機材はあまり選ばない雰囲気ではあった。
デモとして使われたのは,IVR制作の名づけて「つんつんVR」だ。両手に持ったWindows MRコントローラは,VR空間内では棒の先に人差し指を伸ばした手がくっついており,2人のプレイヤーがその棒を使って互いにつつき合うという内容だ。当たるとごく普通の振動がくる。胴体部に40箇所のスポットがあるのだが,意外と真正面が薄いように感じられた。ちなみにアバターは女の子同士である。
これはてっきりこの展示専用のデモプログラムかと思ったら,Steamの早期アクセスゲームで無料配布されていた。TACTOTがなければあまり楽しめるものではなく,しかも2着必要だろうから(一応,自分の身体をつついても反応はする)かなり限られたターゲットに向けたソフトではある。
ほとんどデモは行われていなかったのだが,ベスト以外に手足に付けるモジュールも展示されていた。ともに20個の振動子を持つものとなっている。前述のベストのデモはWindows MRで行われていたのだが,こちらにはViveトラッカーが取り付けられている。
そのほか,まだ実験的なものとして温度を変化させるデバイスも展示されていた。振動子と同様に表面に取り付けられたペルチェ素子で温度を上下させるというものだ。温度変化を扱ったものはTGS2017でも別の韓国企業が「ThermoReal」を出展していたのだが,こちらはウェアラブルで使うという展開だ。
熱く,冷たくと,意外と素早く反応してはいたものの,ウェアラブルだと用途はかなり限定されるのではなかろうか。全身の肌に直接付ける仕様であれば,Tact Suitsの振動部位と合わせて,撃たれると熱いといった刺激を加えることもできなくはない。ただ,そういう実装は難しいだろう。ベストのように服の上から着る製品では威力は発揮できないので,設置部分が限られるのが難点だ。
温度変化の効果は局所的だ。全体的な気温変化を表現するならエアコンの風を制御するようなデバイスのほうが使いやすいだろう。「技術的に可能」ではあっても,ゲームデザインに取り込めるかのビジョンが見えづらいあたりが試作品な理由かもしれない。
bhaptics公式サイト
IVR公式サイト
●Aromajoin
匂い関係というとVaqso VRを思い出す人もいるかもしれない。Vaqso VRはVRヘッドセットへの装着を前提にしたデバイスだが,こちらはVRなどに限らない汎用のものを目指しているようだった。
特徴は固体香料を使っている点だ。3秒間の射出を4万5000回行うことができる。液体式のものと比べて格段に長寿命とのことだった。
一度にセットできるのは6種類の香りだが,ベースとなる匂い自体はほぼ「なんでも作れる」というのが基本らしい。ゲームやコンテンツに合わせて最適なものを調合できるようだ。
ゲームでの利用例として展示されていたのはクイズゲームだった。
クイズゲームは,世界各地の豆知識を問うもので,香りと直接の関係はないものだった。クイズが当たると香りが出ますよという軽いデモだ。
ゲーム用としての展開を模索してはいるが,ロマンスゲームコーナーは適しているようで適していないかもしれないと感じた。最も手軽そうな「〜君をイメージした香り」みたいな使い方をすると6種類ではとうてい足りないだろう。
女の子向けなら,ゲームとは結び付けなくてもプログラマブルなアロマディフューザとしてだけでも商品化はできそうは気はしなくもないのだが。