[TGS 2018]モーションキャプチャデバイスでVR空間を遊ぶ
東京ゲームショウのVR/ARコーナーでのクレッセントブースの模様を紹介してみよう。クレッセントはさまざまなVR機器を扱っている会社で,業務用VR機器では老舗といっていいだろう。東京ゲームショウには初出展となるが,かなり大きなブースを展開していた。以前からエンタテイメント系の仕事もやっているところだが,さらに拡大していこうということらしい。
ブースの半分を占めるのは,ライド系の大型VR筐体(モーションベース)を使ったゲームのデモだ。数年前の東京ゲームショウで派手に出展していた台湾Injoy MotionのVRデバイスのTOTALMOTIONシリーズを覚えている人もいるかもしれない(関連記事)。クレッセントは同社の日本代理店となっているため,Injoyのモーションベースをアピールしていたわけだ。Injoyはいろいろな種類のモーションベースを扱っているのだが,今回は最も一般的な可動椅子型のものが並べられていた。
残りのエリアではクレッセントが得意とするモーションキャプチャデバイスを使ったデモが行われていた。モーションキャプチャとしての使い方ではなく,ポジショントラッキングを主用途とした使い方だ。
モーションキャプチャにもいろいろあるが,一般的なのはたくさんの赤外線カメラが設置された部屋の中で,白い球状のマーカー(赤外線をよく反射する)や角(棒の先に球状のマーカーが付いている)を付けて,マーカーの位置を割り出していくものだ。
人間の身体の動きを詳細に取るには,身体の各部にたくさんのマーカーを使用することになる。当然ながら,それらすべてのマーカーの空間座標を正確に出せていないと正しい動きは得られない。つまり,たくさんのモノの空間位置を把握することは,モーションキャプチャデバイスの得意とするところなのだ。
マーカーの空間配置がユニークになるように配慮する必要があるが,複数のモノの動きを同時に検知できるのも強みといえるだろう。
それを使ったゲームとしてデモされていた「夜鷹行動」というのは台湾XPEC ART CENTER製のVRゲームで,銃を手にフリーロームでプレイする2プレイヤー仕様のシューティングだ。互いに撃ち合うタイプではなく,共同で潜入ミッションなどを行うタイプのゲームである。
プレイヤーはバックパックPCを背負い,一定範囲の空間の中で自由に動き回って戦っていく。使用するVRヘッドセットにはRiftが使われているが,外部からのポジショントラッキングを使うのでルームスケールの移動もOKになっている。銃とヘッドセットの上部に角状のマーカーがつけられており,周囲のカメラによってポジショントラッキングが行われているのだ。
残りの区画で行われていたAbal Game Studioによるデモは,モーションキャプチャデバイスによる可能性をさらに端的に示すものとなっていた。
ポジショントラッキングにはクレッセントの機材を使っているが,ソフトはAbal製のSDKで作られているとのこと。今回のデモは1週間ほどで作られたものだそうだ。
さて,スペース内にはたくさんのものが置かれている。剣(のようなもの),盾,ギターなどだ。それぞれに白い球状のマーカーが取り付けられている。
椅子代わりの台とか飲み物のボトルとかにもマーカーが付けられており,VRヘッドセットをつけたまま休憩や水分補給ができるようになっていた。ルームスケールというか部屋丸ごとVR空間に持っていけそうな勢いだ。
カメラとマーカーを使った方式は精度と自由度が高く,「Viveトラッカーが足りません!」みたいな悲鳴は上がらない。まあその分,機材は高額になるのだが。
デモはいくつか用意されており,Gear VRとOculus Goといった簡易的なVRヘッドセットでのポジショントラッキングが実現されていた。ゴーグルの上部分に角,手の甲と足先に別途マーカーを付けて前進の動きを拾っていることが分かる。
剣と盾を使った戦闘ゲーム(というか,試合?)では,ソフトな感じの剣と小盾を持って剣術の一騎打ちが行われていた。相手の剣の部分が身体に当たったと判定されると負けになる。ムービーを見れば,結構ちゃんと剣の当たり判定を再現していることが分かるだろう。
また,空間内を移動していくアクションゲームのようなものでは,通路を走って障害物をよけたり隙間を飛び越えたりするデモが行われていた。
当然ながら,これらのデモで画面内に映るアバターキャラクターの動きはプレイヤーのものそのままだ(画面も写るように撮影したのだが,VR180カメラだと画面はほとんど飛んでしまっていた……)。モーションキャプチャ機材とAbal製のSDKを使えばこのようなものも簡単に作れますよというデモである。
ViveとSteam VRの登場でルームスケールやマルチプレイヤーのVRもかなり手軽になってきているが,さらに本格的なことをやりたい場合には,このようなモーションキャプチャ機材は強力な選択肢といえるだろう。
ブースの半分を占めるのは,ライド系の大型VR筐体(モーションベース)を使ったゲームのデモだ。数年前の東京ゲームショウで派手に出展していた台湾Injoy MotionのVRデバイスのTOTALMOTIONシリーズを覚えている人もいるかもしれない(関連記事)。クレッセントは同社の日本代理店となっているため,Injoyのモーションベースをアピールしていたわけだ。Injoyはいろいろな種類のモーションベースを扱っているのだが,今回は最も一般的な可動椅子型のものが並べられていた。
残りのエリアではクレッセントが得意とするモーションキャプチャデバイスを使ったデモが行われていた。モーションキャプチャとしての使い方ではなく,ポジショントラッキングを主用途とした使い方だ。
モーションキャプチャにもいろいろあるが,一般的なのはたくさんの赤外線カメラが設置された部屋の中で,白い球状のマーカー(赤外線をよく反射する)や角(棒の先に球状のマーカーが付いている)を付けて,マーカーの位置を割り出していくものだ。
人間の身体の動きを詳細に取るには,身体の各部にたくさんのマーカーを使用することになる。当然ながら,それらすべてのマーカーの空間座標を正確に出せていないと正しい動きは得られない。つまり,たくさんのモノの空間位置を把握することは,モーションキャプチャデバイスの得意とするところなのだ。
マーカーの空間配置がユニークになるように配慮する必要があるが,複数のモノの動きを同時に検知できるのも強みといえるだろう。
それを使ったゲームとしてデモされていた「夜鷹行動」というのは台湾XPEC ART CENTER製のVRゲームで,銃を手にフリーロームでプレイする2プレイヤー仕様のシューティングだ。互いに撃ち合うタイプではなく,共同で潜入ミッションなどを行うタイプのゲームである。
プレイヤーはバックパックPCを背負い,一定範囲の空間の中で自由に動き回って戦っていく。使用するVRヘッドセットにはRiftが使われているが,外部からのポジショントラッキングを使うのでルームスケールの移動もOKになっている。銃とヘッドセットの上部に角状のマーカーがつけられており,周囲のカメラによってポジショントラッキングが行われているのだ。
残りの区画で行われていたAbal Game Studioによるデモは,モーションキャプチャデバイスによる可能性をさらに端的に示すものとなっていた。
ポジショントラッキングにはクレッセントの機材を使っているが,ソフトはAbal製のSDKで作られているとのこと。今回のデモは1週間ほどで作られたものだそうだ。
さて,スペース内にはたくさんのものが置かれている。剣(のようなもの),盾,ギターなどだ。それぞれに白い球状のマーカーが取り付けられている。
椅子代わりの台とか飲み物のボトルとかにもマーカーが付けられており,VRヘッドセットをつけたまま休憩や水分補給ができるようになっていた。ルームスケールというか部屋丸ごとVR空間に持っていけそうな勢いだ。
カメラとマーカーを使った方式は精度と自由度が高く,「Viveトラッカーが足りません!」みたいな悲鳴は上がらない。まあその分,機材は高額になるのだが。
デモはいくつか用意されており,Gear VRとOculus Goといった簡易的なVRヘッドセットでのポジショントラッキングが実現されていた。ゴーグルの上部分に角,手の甲と足先に別途マーカーを付けて前進の動きを拾っていることが分かる。
剣と盾を使った戦闘ゲーム(というか,試合?)では,ソフトな感じの剣と小盾を持って剣術の一騎打ちが行われていた。相手の剣の部分が身体に当たったと判定されると負けになる。ムービーを見れば,結構ちゃんと剣の当たり判定を再現していることが分かるだろう。
また,空間内を移動していくアクションゲームのようなものでは,通路を走って障害物をよけたり隙間を飛び越えたりするデモが行われていた。
当然ながら,これらのデモで画面内に映るアバターキャラクターの動きはプレイヤーのものそのままだ(画面も写るように撮影したのだが,VR180カメラだと画面はほとんど飛んでしまっていた……)。モーションキャプチャ機材とAbal製のSDKを使えばこのようなものも簡単に作れますよというデモである。
ViveとSteam VRの登場でルームスケールやマルチプレイヤーのVRもかなり手軽になってきているが,さらに本格的なことをやりたい場合には,このようなモーションキャプチャ機材は強力な選択肢といえるだろう。