[CJ2018]「皇陵異界」地形と連動したより本格的な大規模VRへの動き
ChinaJoy会場のB2BブースにあったVRデモの様子を紹介してみたい。昨年のChinaJoy取材では,広範囲での位置トラッキング技術の出展を中心にVRの動向をお伝えしたわけだが(関連記事),ここで紹介するのは広範囲VR用のコンテンツの動きだ。
さて,上の写真はぱっと見はよくあるVRコンテンツの体験コーナーなのだが,足元だけちょっと異質だ。足元に大きな仕掛けがあるVRコンテンツは珍しい。なにせ足元は見えないのだから,リアルな地形とVRの映像を一致させないととても危ないのだ。
逆に言えば,リアルな環境とVRの映像を一致させれば,それまでにないリアルなVRが実現できるということでもある。壁を突き抜けたりすることもなく,手を伸ばせばリアルな物体に触れることもできる。そんなVRアトラクションを高次元で実現しているものに「STAR WARS:Secrets of the Empire」などがあるわけだが,(一応)同じようなアプローチによるデモが行われていたわけだ。
とはいえ,足元に数個の足場が設置されただけであり,ちょっとしたデモの域を超えるものではない。実際に体験してみると,足場が悪い崖のような場所でやや東洋系の怪物が襲ってくるといった展開になっていた。手にしたたいまつで怪物を追い払いつつ進むのだ。
「皇陵異界」というタイトルは,ゲームの世界観全体を意味するもののようで,ストーリーまでは分からないが,古い王家の墓で「転生」などの単語も見える伝奇モノであるという。
実際のアトラクションでは最大25人が同時にプレイ可能で,プレイエリアは600m2 といった広さ(20×30mくらい)にまで対応できるという。
プレイヤーのモーショントラッキングにはOrionが使われていた。これはもともとViveトラッカーを利用してモーショントラッキングを行うものだが,会場では互換品と思われるトラッキングデバイスが使用されていた。トラッキングユニットを頭,背中,両手の先,両足の先に取り付けている。
Rift使用のSteam VR環境でOrionを使ってサードパーティ製トラッキングデバイスを動かすという異種混成のVR環境ではある。開発に3年かけたとのことなので,Vive Proでトラッキングエリアが拡大される前から機器選定がされていたのはほぼ確実で,可能なソリューションを使っていたらこんな感じになっていたというところだろうか。
ブースには,床に段差のついたセットが用意され,頭上にはViveのベースステーションに似たトラッキング用デバイスが複数設置されている。プレイヤー側の装備はHPのバックパックPCとRift,そして両手,両足先,頭上,背面に取り付けられたトラッキングデバイスとなる。ついでにたいまつ用の木の棒も右手に持ってプレイする。開始時にスタート位置でのTポーズでキャリブレーションを行い,崩れる足場を前進していく。ダメな人はダメな高所一本橋系で,飛び石状態のうえ,足元は暗くてよく見えない。視界と少しずれているので足を伸ばして恐る恐る移動していく感じである。今回は簡易版であり,実際のアトラクションでは,もっときっちり映像と合わせるということではあった。
説明書きでやや気になったのは「7自由度」という単語だ。
一般的に6自由度は位置の移動と角度の変化を示すが,これはそういったものとは少し違うもののようだ。話を聞く限りステージの仕掛けのバリエーションに関わるもののようだ。いまひとつ具体的にイメージできていないのだが,足元の柔らかさの仕掛けなどを盛り込んで体感を上げているといった意味らしい。さらに実際のアトラクションでは同じ世界観で,船や空を飛ぶなどを含む5種類のゲーム体験が提供される予定だという。
ちなみにアトラクション本体は9月オープン予定であり,15分ほどの体験で価格は100元(約1600円)程度になる予定だそうだ。
今回のChinaJoyで出展されていたVRゲームの大半は,大型筐体などと組み合わせたアトラクション系のゲームコンテンツだった。中国では比較的あちこちでそういった施設があるらしい。日本で言うとデパートの屋上の遊戯スペースくらいの感じになるようで,体感+VRの簡易なものが多かった。全体で見るとライド系のものが圧倒的に多いのだが,こういった新しい傾向のものも登場しており,より本格的な大規模VRへの動きも確認できた。中国におけるVRの凋落が激しい感じではあるものの,少なくとも,VRアーケード系の動きは中国でも比較的活発であるようだ。
さて,上の写真はぱっと見はよくあるVRコンテンツの体験コーナーなのだが,足元だけちょっと異質だ。足元に大きな仕掛けがあるVRコンテンツは珍しい。なにせ足元は見えないのだから,リアルな地形とVRの映像を一致させないととても危ないのだ。
逆に言えば,リアルな環境とVRの映像を一致させれば,それまでにないリアルなVRが実現できるということでもある。壁を突き抜けたりすることもなく,手を伸ばせばリアルな物体に触れることもできる。そんなVRアトラクションを高次元で実現しているものに「STAR WARS:Secrets of the Empire」などがあるわけだが,(一応)同じようなアプローチによるデモが行われていたわけだ。
とはいえ,足元に数個の足場が設置されただけであり,ちょっとしたデモの域を超えるものではない。実際に体験してみると,足場が悪い崖のような場所でやや東洋系の怪物が襲ってくるといった展開になっていた。手にしたたいまつで怪物を追い払いつつ進むのだ。
「皇陵異界」というタイトルは,ゲームの世界観全体を意味するもののようで,ストーリーまでは分からないが,古い王家の墓で「転生」などの単語も見える伝奇モノであるという。
実際のアトラクションでは最大25人が同時にプレイ可能で,プレイエリアは600m
プレイヤーのモーショントラッキングにはOrionが使われていた。これはもともとViveトラッカーを利用してモーショントラッキングを行うものだが,会場では互換品と思われるトラッキングデバイスが使用されていた。トラッキングユニットを頭,背中,両手の先,両足の先に取り付けている。
Rift使用のSteam VR環境でOrionを使ってサードパーティ製トラッキングデバイスを動かすという異種混成のVR環境ではある。開発に3年かけたとのことなので,Vive Proでトラッキングエリアが拡大される前から機器選定がされていたのはほぼ確実で,可能なソリューションを使っていたらこんな感じになっていたというところだろうか。
説明書きでやや気になったのは「7自由度」という単語だ。
一般的に6自由度は位置の移動と角度の変化を示すが,これはそういったものとは少し違うもののようだ。話を聞く限りステージの仕掛けのバリエーションに関わるもののようだ。いまひとつ具体的にイメージできていないのだが,足元の柔らかさの仕掛けなどを盛り込んで体感を上げているといった意味らしい。さらに実際のアトラクションでは同じ世界観で,船や空を飛ぶなどを含む5種類のゲーム体験が提供される予定だという。
ちなみにアトラクション本体は9月オープン予定であり,15分ほどの体験で価格は100元(約1600円)程度になる予定だそうだ。
今回のChinaJoyで出展されていたVRゲームの大半は,大型筐体などと組み合わせたアトラクション系のゲームコンテンツだった。中国では比較的あちこちでそういった施設があるらしい。日本で言うとデパートの屋上の遊戯スペースくらいの感じになるようで,体感+VRの簡易なものが多かった。全体で見るとライド系のものが圧倒的に多いのだが,こういった新しい傾向のものも登場しており,より本格的な大規模VRへの動きも確認できた。中国におけるVRの凋落が激しい感じではあるものの,少なくとも,VRアーケード系の動きは中国でも比較的活発であるようだ。