[GTMF 2018]システムソフトウェアから振り返るPS4進化の歴史
講演では,まずPS4にまつわる2017年度のデータについて解説が行われた。PS4本体は全世界で7900万台を販売されており,オンラインサービス「PlayStation Plus」のMAU(Monthly Active Users,月間アクティブプレイヤー数)は8000万,有料会員数は3420万人を超えているという。また,ゲームのプレイ時間は週に8億時間以上,2017年度のソフトの販売本数は2億4690万本に達しているとのことだ。
このようにオンラインサービスの利用が増えていることを受け,秋山氏は「PlayStation Plusのプレイヤー数が伸びており,DLCなどオンラインのアイテム販売も増えている。現在は1本ゲームを売って終わりという時代ではなく,ゲーム1本当たりの消費額も増加しているため,DLCやオンライン要素を入れないという選択はないと思う。プランニングの段階で(DLCやアイテムを販売できる)拡張性を盛り込むのではいいのではないか」と聴講者たちにアドバイスしていた。
続いての話題は,PS4におけるシステムソフトウェアの進化について。バージョン1.50では,PS Vita,Windows,Mac,XperiaでPS4のゲームを楽しめる「リモートプレイ」が登場。秋山氏曰く「単なるストリーミングサービスではなく,最適化を続けて快適な体験をしていただける。パソコンやXperiaでも使えるのは意外と知られていないのではないか」とのこと。2.00ではシェアプレイが実装されている。フレンドを招待してプレイを観戦してもらうだけでなく,代わりにプレイしてもらったり,対戦したりというように,家で一緒にゲームをしているかのような体験が可能だ。
こうしたアップデートの甲斐あり,フレンドやフォロー,メッセージ,動画配信といったソーシャル機能の利用数も増加傾向にあるという。会場では利用数を示すグラフも公開されたが,「うまいプレイヤーが自分のプレイを動画配信し,これを見た人がフォローする」「オンラインプレイに注力したタイトルが発売されると,動画配信の件数が跳ね上がる」といった相互作用が起きているという。また,トーナメント機能については対応しているタイトルはいまだ少ないものの,e-Sportsの流行に伴って利用数が増えていると秋山氏は語った。