ポケモンの新たな進化は必然だった
2世代にわたるファンを抱え,ポケモンは大きく変わろうとしている。
振り返ると,Pokémon Goが同シリーズの根本を変えたのは明白だった。
Pokémon Goは期待されていた以上のところまで達していた。 ―楽しく,おそらくは底が浅い,子供向けの収集型ゲームになるはずだった。かつてのポケモンの広報の一人が我々に語ってくれたところによると,Pokémon Goのリリース前にプレビュー版を報道関係者に送ろうとしたのだが,ちゃんと興味を持ってくれたジャーナリストは一人だけだったという。
期待はそれほど高くなかったのだ。
もちろん,それは単に安っぽいスマホの抱き合わせや1990年代ゲーマーにノスタルジー祭りを起こすだけのものではなかった。確かに,150種のモンスターは大人たちを引き寄せた。しかし,近代的なプラットフォームとテクノロジーそしてアイデアの組み合わせは,あらゆる人を引きつけた。
とはいえ,それはまだ典型的なポケモンでもあった。過去22年以上にわたって「メインライン」シリーズは新たなコンセプトと戦略性の奥深さを積み重ねている。しかし,その本質は収集と訓練とバトル,そして友達づきあい(オンラインではなくリアルライフで)のゲームだというところにある。
その意味で,スピンオフという位置づけにもかかわらず,Pokémon Goは最近の「メイン」ポケモンタイトルと同様に,シリーズの本質に忠実だったといえる。
Pokémon Goは,それ以前のポケモンスピンオフタイトルがほとんど扱っていなかったことを実現した。― もとになったタイトルの人気を上回ったのだ。アニメシリーズは1990年代後半に同様なことをなしとげており,その結果はゲーム自体の一部として還元されている― ゲームに出る前に新キャラクターやモンスターがテレビに登場していたのだ。メインラインのタイトルであっても,1998年のポケットモンスター ピカチュウ などはアニメをベースにしている。
Let's Go! イーブイとLet's Go! ピカチュウは伝統的なポケモンとPokémon Goのマリアージュである。そのビジュアルや捕獲システム,協力プレイ,モンスターが世界の至るところを動き回っているという事実……22年以上にわたってただ反復的に変化を繰り返していたシリーズにとって,これはメインラインのポケモンにとって最高の門出がすでに用意されているということだ。
単純化されているようにも思える。22年かの繰り返しと歴史を持つシリーズでは,ゲームは徐々にコアファンをターゲットにするようになっていた。それは当然のことだろう。Let's Go! イーブイとLet's Go! ピカチュウはその多くを放棄しているように思われる。―ちょうど,Pokémon Goがやっていたように― さらに人気のモンスターと馴染みのある世界にフォーカスを下げている(このゲームは最初のポケモンと同じ世界に戻ってきた)。
Pokémon GoのファンをメインRPGのプレイヤーに持っていきたい同シリーズにとって,これは理にかなっている。そしてファンの一部がなんと言おうと,これはポケモンのメインゲームなのだ。デベロッパであるゲームフリークのディレクターであり,オリジナルのポケモン作者の一人でもある増田順一氏が開発を率いている。「メインライン」という言葉が昨夜(※2018年5月30日)の(常になく暗く真面目な)プレスカンファレンスで何度か繰り返されていた。さらに,ゲームは大企業間での製品であり,任天堂はポケボールプラスに取り組み,NianticはPokémon Goとの統合を可能にしようとしている。
ポケモンは,ほとんどのビデオゲームシリーズが ―多くなりすぎたファンによって― 死に至るという事態に挑んでいる。とくに異なったものを求めるファンが多すぎるのだ。彼らはシリーズ全作を持っており,トーナメントをコンプリートし,カードを集めて,新しいアニメシリーズを見ている。彼らは1990年代と2000年代初期のシリーズを愛しており,現在もまたそれに浸っているが,あなたが持っているツツケラからハリマロンに伝えることはできなかった。そして,2016年のPokémon Goで何百万人ものピカチュウを見つけて仲間になった人がいる。
両者の間にすべての人がいる。実際,昨晩は別のゲームも発表された。ポケモンクエストはスマートフォンとSwitch用のゲームで最もカジュアルなポケモンプレイヤーを狙ったものである。
Let's Go! イーブイとLet's Go! ピカチュウは可能な限り多くのファンを満足させようとしている。カンファレンスの終わりに,ゲームフリークは彼らがそれらのゲームがメインRPGラインへのよい導入点になると信じていると強調していた。しかし,これらはこれまでずっとシリーズで遊んできた人にもアピールできるユニークさを持っている。
そういうこともあるかもしれないが,それでもなお熱心なファンたちが望んでいたもの,そのものではない。彼らは第8世代を待っていたのだ。彼らが求めるのは新しいポケモンであり,新しい世界,新しい動き,新しいキャラクター……1996年以来滞っているシリーズの新章なのだ。
それが,ポケモンがカンファレンスを終えるにあたって,もっと「伝統的」なポケモンにも取り組んでいると述べた理由だろう。そのタイトルについての発表は一切なかった。しかし,同社は明らかに言及することの重要性を感じていた。―たとえ,もっと馴染みのあるゲームを求めていた人の潜在的失望に対応しただけのものだとしてもだ。
しかし現在の焦点はこれらのLet's Goシリーズに置かれている。そして,これらがリリースされる11月は任天堂にとっても都合がいい時期である。
Switchはいまだにホットな製品だ。しかし,その輝かしい最初の1年 ―次から次に出るビッグタイトルで支配されていた― のあとは下降が疑われていた。これまでのところ,任天堂にとっての2018年はニッチなタイトルで埋め尽くされている。Wii Uの移植とLabo ―これはいまだとくに重要なものとはなっていない― だ。年末には違った状況になっているだろう。Switchは2回めのクリスマスに向かって突進している。スーパースマッシュブロスと新たな野心的ポケモンがリリースリストにあるのだ。
任天堂が今後12か月で2000万台の販売を見込んでいるのも無理はない。
振り返ると,Pokémon Goが同シリーズの根本を変えたのは明白だった。
Pokémon Goは期待されていた以上のところまで達していた。 ―楽しく,おそらくは底が浅い,子供向けの収集型ゲームになるはずだった。かつてのポケモンの広報の一人が我々に語ってくれたところによると,Pokémon Goのリリース前にプレビュー版を報道関係者に送ろうとしたのだが,ちゃんと興味を持ってくれたジャーナリストは一人だけだったという。
期待はそれほど高くなかったのだ。
もちろん,それは単に安っぽいスマホの抱き合わせや1990年代ゲーマーにノスタルジー祭りを起こすだけのものではなかった。確かに,150種のモンスターは大人たちを引き寄せた。しかし,近代的なプラットフォームとテクノロジーそしてアイデアの組み合わせは,あらゆる人を引きつけた。
とはいえ,それはまだ典型的なポケモンでもあった。過去22年以上にわたって「メインライン」シリーズは新たなコンセプトと戦略性の奥深さを積み重ねている。しかし,その本質は収集と訓練とバトル,そして友達づきあい(オンラインではなくリアルライフで)のゲームだというところにある。
その意味で,スピンオフという位置づけにもかかわらず,Pokémon Goは最近の「メイン」ポケモンタイトルと同様に,シリーズの本質に忠実だったといえる。
「ポケモンのメインシリーズがSwitchで発売されることになったら,―Pokémon Go後に作られる最初のポケモンですが― それはスマートフォンを含むことになるのは必然でしょう」
Pokémon Goは,それ以前のポケモンスピンオフタイトルがほとんど扱っていなかったことを実現した。― もとになったタイトルの人気を上回ったのだ。アニメシリーズは1990年代後半に同様なことをなしとげており,その結果はゲーム自体の一部として還元されている― ゲームに出る前に新キャラクターやモンスターがテレビに登場していたのだ。メインラインのタイトルであっても,1998年のポケットモンスター ピカチュウ などはアニメをベースにしている。
Let's Go! イーブイとLet's Go! ピカチュウは伝統的なポケモンとPokémon Goのマリアージュである。そのビジュアルや捕獲システム,協力プレイ,モンスターが世界の至るところを動き回っているという事実……22年以上にわたってただ反復的に変化を繰り返していたシリーズにとって,これはメインラインのポケモンにとって最高の門出がすでに用意されているということだ。
単純化されているようにも思える。22年かの繰り返しと歴史を持つシリーズでは,ゲームは徐々にコアファンをターゲットにするようになっていた。それは当然のことだろう。Let's Go! イーブイとLet's Go! ピカチュウはその多くを放棄しているように思われる。―ちょうど,Pokémon Goがやっていたように― さらに人気のモンスターと馴染みのある世界にフォーカスを下げている(このゲームは最初のポケモンと同じ世界に戻ってきた)。
Pokémon GoのファンをメインRPGのプレイヤーに持っていきたい同シリーズにとって,これは理にかなっている。そしてファンの一部がなんと言おうと,これはポケモンのメインゲームなのだ。デベロッパであるゲームフリークのディレクターであり,オリジナルのポケモン作者の一人でもある増田順一氏が開発を率いている。「メインライン」という言葉が昨夜(※2018年5月30日)の(常になく暗く真面目な)プレスカンファレンスで何度か繰り返されていた。さらに,ゲームは大企業間での製品であり,任天堂はポケボールプラスに取り組み,NianticはPokémon Goとの統合を可能にしようとしている。
「ポケモンは,ほとんどのビデオゲームシリーズが ―多くなりすぎたファンによって― 死に至るという事態に挑んでいる」
これはスマートフォンからやってくる新しい世代をターゲットにデザインされた完全なポケモンRPGであり,必然的に同IPのコアなマニアを動揺させる結果となっている。ポケモンは,ほとんどのビデオゲームシリーズが ―多くなりすぎたファンによって― 死に至るという事態に挑んでいる。とくに異なったものを求めるファンが多すぎるのだ。彼らはシリーズ全作を持っており,トーナメントをコンプリートし,カードを集めて,新しいアニメシリーズを見ている。彼らは1990年代と2000年代初期のシリーズを愛しており,現在もまたそれに浸っているが,あなたが持っているツツケラからハリマロンに伝えることはできなかった。そして,2016年のPokémon Goで何百万人ものピカチュウを見つけて仲間になった人がいる。
両者の間にすべての人がいる。実際,昨晩は別のゲームも発表された。ポケモンクエストはスマートフォンとSwitch用のゲームで最もカジュアルなポケモンプレイヤーを狙ったものである。
Let's Go! イーブイとLet's Go! ピカチュウは可能な限り多くのファンを満足させようとしている。カンファレンスの終わりに,ゲームフリークは彼らがそれらのゲームがメインRPGラインへのよい導入点になると信じていると強調していた。しかし,これらはこれまでずっとシリーズで遊んできた人にもアピールできるユニークさを持っている。
そういうこともあるかもしれないが,それでもなお熱心なファンたちが望んでいたもの,そのものではない。彼らは第8世代を待っていたのだ。彼らが求めるのは新しいポケモンであり,新しい世界,新しい動き,新しいキャラクター……1996年以来滞っているシリーズの新章なのだ。
それが,ポケモンがカンファレンスを終えるにあたって,もっと「伝統的」なポケモンにも取り組んでいると述べた理由だろう。そのタイトルについての発表は一切なかった。しかし,同社は明らかに言及することの重要性を感じていた。―たとえ,もっと馴染みのあるゲームを求めていた人の潜在的失望に対応しただけのものだとしてもだ。
しかし現在の焦点はこれらのLet's Goシリーズに置かれている。そして,これらがリリースされる11月は任天堂にとっても都合がいい時期である。
Switchはいまだにホットな製品だ。しかし,その輝かしい最初の1年 ―次から次に出るビッグタイトルで支配されていた― のあとは下降が疑われていた。これまでのところ,任天堂にとっての2018年はニッチなタイトルで埋め尽くされている。Wii Uの移植とLabo ―これはいまだとくに重要なものとはなっていない― だ。年末には違った状況になっているだろう。Switchは2回めのクリスマスに向かって突進している。スーパースマッシュブロスと新たな野心的ポケモンがリリースリストにあるのだ。
任天堂が今後12か月で2000万台の販売を見込んでいるのも無理はない。
※本記事はGamesIndustry.bizとのライセンス契約のもとで翻訳されています(元記事はこちら)