ソニー,2017年度の決算を発表。PS4本体の販売台数縮小もゲーム部門の売上高は大幅増
2018年4月27日,ソニーは,2017年度通期(2017年4月1日〜2018年3月31日まで)の連結決算を発表した。それによると,ソニーグループ全体での売上高は,前年比で12.4%増となる約8兆5440億円,営業利益は154.5%増の約7349億円という大幅な増収増益となった。多くの分野が好調だっただけでなく,とくに前年度で大きな営業損益を出した映画分野と半導体分野が,営業利益を大幅に改善したことが好決算の要因と言えそうだ。
ソニーグループの稼ぎ頭である「ゲーム&ネットワークサービス」分野は,引き続き好調さを維持しており,売上高は前年比17.8%増となる1兆9438億円,営業利益は30.9%増の1775億円を達成したとのことだ。
分野別業績を見ても,ゲーム&ネットワークサービス分野の好調さは際立っている。2016年度連結決算では,金融ビジネス分野が最大の営業利益を誇っていたが,2017年度では,ゲーム&ネットワークサービス分野が金融ビジネス分野を追い抜き,売上高と営業利益の両面で最も優れた業績を残しているほどだ。
「Fate/Grand Order」の好調が続く音楽分野も,売上高が前年比で23.5%増,営業利益は68.6%増とのことで,好調を維持し続けていることが数字でも現れている。
テレビやオーディオ機器のホームエンターテインメント&サウンド分野,カメラを扱うイメージング・プロダクツ&ソリューション分野も,大幅な増収増益を達成しており,ソニー全体の好調につながっているようだ。
ほとんどの部門が好調を記録するなかで,唯一大きな減益となったのが,スマートフォンを扱うモバイル・コミュニケーション分野である。売上高は前年比で−4.7%の7237億円となり,営業損益は276億円という大幅な赤字を記録してしまった。その要因は明白で,スマートフォンの販売台数が減少したことにある。2016年度の1460万台から,2017年度は1350万台と,8%近い台数減を記録しており,単価の高い製品にラインナップを絞って生き残るという戦略が,ハイエンドスマートフォン市場の激戦で,期待した成果を上げられなかったことがはっきると現れている。
これだけ苦戦が続くと,スマートフォン市場からの撤退という意見が出てきても不思議はないが,ソニーとしては来たるべき5Gの時代を見据えると,ここで手を引いてしまうわけにはいかないと考えているとのこと。来年度は販売数を1000万台程度に下方修正したうえで,ビジネスは継続していくということだ。
さて,決算では好調なゲーム分野であるが,気になる,というよりは興味深い数字もある。それは,2017年度におけるPlayStation 4(以下,PS4)の年間販売台数は約1900万台と,2016年度の約2000万台を下回ったことだ。ソニーが2016年度決算で挙げていた2017年におけるPS4の販売台数見通しは1800万台だったので,見通しよりも好調だったとは言えるが,PS4の販売台数が前年比減となったのは,2017年が初めてだ。
ソニーでは,2018年度におけるPS4の販売台数を約1600万台と,2017年度よりもさらに低くなると予想している。ハードウェアビジネスとしてのPS4ビジネスは,2016年度がピークで今後は縮小していくと,ソニーは判断しているわけだ。
そうなると,やはり気になってくるのは,次世代のPlayStationプラットフォームはどうなるのかという点だ。2013年に発売されたPS4は,今年で5年目を迎えるわけで,販売台数減が数字として表れてきた以上,今後を見据えたソニー内部での動きは活発化していくことだろう。
世界的に見れば,据え置き型ゲーム機のビジネスは好調と言ってよく,前世代の末期にささやかれた「据え置き型ゲーム機不要論」は実績が明確に否定した。そうなると,次世代のプラットフォームを用意する必要も出てくるわけで,それがいつ,どのような形で登場するのか,興味深いものとなりそうだ。
ソニーグループの稼ぎ頭である「ゲーム&ネットワークサービス」分野は,引き続き好調さを維持しており,売上高は前年比17.8%増となる1兆9438億円,営業利益は30.9%増の1775億円を達成したとのことだ。
分野別業績を見ても,ゲーム&ネットワークサービス分野の好調さは際立っている。2016年度連結決算では,金融ビジネス分野が最大の営業利益を誇っていたが,2017年度では,ゲーム&ネットワークサービス分野が金融ビジネス分野を追い抜き,売上高と営業利益の両面で最も優れた業績を残しているほどだ。
「Fate/Grand Order」の好調が続く音楽分野も,売上高が前年比で23.5%増,営業利益は68.6%増とのことで,好調を維持し続けていることが数字でも現れている。
テレビやオーディオ機器のホームエンターテインメント&サウンド分野,カメラを扱うイメージング・プロダクツ&ソリューション分野も,大幅な増収増益を達成しており,ソニー全体の好調につながっているようだ。
ほとんどの部門が好調を記録するなかで,唯一大きな減益となったのが,スマートフォンを扱うモバイル・コミュニケーション分野である。売上高は前年比で−4.7%の7237億円となり,営業損益は276億円という大幅な赤字を記録してしまった。その要因は明白で,スマートフォンの販売台数が減少したことにある。2016年度の1460万台から,2017年度は1350万台と,8%近い台数減を記録しており,単価の高い製品にラインナップを絞って生き残るという戦略が,ハイエンドスマートフォン市場の激戦で,期待した成果を上げられなかったことがはっきると現れている。
これだけ苦戦が続くと,スマートフォン市場からの撤退という意見が出てきても不思議はないが,ソニーとしては来たるべき5Gの時代を見据えると,ここで手を引いてしまうわけにはいかないと考えているとのこと。来年度は販売数を1000万台程度に下方修正したうえで,ビジネスは継続していくということだ。
さて,決算では好調なゲーム分野であるが,気になる,というよりは興味深い数字もある。それは,2017年度におけるPlayStation 4(以下,PS4)の年間販売台数は約1900万台と,2016年度の約2000万台を下回ったことだ。ソニーが2016年度決算で挙げていた2017年におけるPS4の販売台数見通しは1800万台だったので,見通しよりも好調だったとは言えるが,PS4の販売台数が前年比減となったのは,2017年が初めてだ。
ソニーでは,2018年度におけるPS4の販売台数を約1600万台と,2017年度よりもさらに低くなると予想している。ハードウェアビジネスとしてのPS4ビジネスは,2016年度がピークで今後は縮小していくと,ソニーは判断しているわけだ。
そうなると,やはり気になってくるのは,次世代のPlayStationプラットフォームはどうなるのかという点だ。2013年に発売されたPS4は,今年で5年目を迎えるわけで,販売台数減が数字として表れてきた以上,今後を見据えたソニー内部での動きは活発化していくことだろう。
世界的に見れば,据え置き型ゲーム機のビジネスは好調と言ってよく,前世代の末期にささやかれた「据え置き型ゲーム機不要論」は実績が明確に否定した。そうなると,次世代のプラットフォームを用意する必要も出てくるわけで,それがいつ,どのような形で登場するのか,興味深いものとなりそうだ。