Discord:9000万人のPCゲーマーが間違っているはずがありません
創業者兼CEOのJason Citron氏が同社のプラットフォームの急速な成長とヘイト・グループの出現に対する強行路線について語る。
ビジネスについて執筆するジャーナリストにとって,おそらく急成長というものは,伝えるべきストーリーとしてベストなとっかかりだろう。ビジネスについて執筆する「ゲーム」ジャーナリストにとって,Discordの急成長よりも説得力のあるストーリーはめったにない。
2017年5月,同社は,PCゲームに特化したDiscordのチャットサービスの利用者が4500万人に上ることを発表した(関連英文記事)。昨年末までにその数は2倍になり,そのうち1400万人は毎日ログインしている。他方,サンフランシスコを拠点とするスタートアップである同社は,Discordの利用者をさらに増やすべく,報道によれば5000万ドルを調達したとされる。
DiscordのCEOで,その前はOpenFeintの創業者であったJason Citron氏は(関連英文記事),プレイヤー数や,創業以来比較的短期間(同社は来月で3年目を迎える)でその数値を達成したことに満足げだ。しかし,まだ公表できないさらに大きな数字があるそうで「ずいぶん早く進んでいますよ」と笑顔を見せる。
Discordの成長の秘密はきわめてシンプルだという。「ゲームをプレイしている人々が持っていた問題を解決しました。実際に問題を解決するということに相当するやり方でです。コンピュータでゲームをしていれば,友だちとチャットしたいでしょうし,それを,日々の過ごし方に齟齬がない方法でできるようにしたいと思うでしょう。Discordは,PCゲーマーにとって本当に理にかなった最初のボイスチャットアプリなんです」と語った。
Discordが出る前に友だちと遊んだりチャットしたりしたいPCゲーマーの中で最も人気があったのはTeamSpeakやVentriloなどのアプリだった。しかし,これらのサービスはステレオタイプなPCゲームに適したものであり,やや使いにくく複雑で,ほとんどのプレイヤーが面倒になるほど多くを要求するようなものだった。まず聞いたこともないようなサードパーティのベンダー会社からサーバーを借りなければならず,アクセスするために月額手数料を支払い,それから友だちにIPアドレスを通知し,その友だちも皆アプリをダウンロードしなければならない。そして,アプリそのもののデザインは,往々にしてかっこ悪くて古くさいものだった。
「現代の技術とデザインでもって,チャットの全体感を考え直しました」とCitron氏は言う。「Webサイトにアクセスしてサインイン,それですぐ使えるようにしました。無料ですし,友だちを招待したい場合は,リンクを送るだけです。送られた方も何かをダウンロードする必要はなく,リンクをクリックしてブラウザにジャンプインするだけです」
Discordの主な成長要因は口コミであり,その成長の大部分は完全に自由だ。誰かが友だちを招待し,その友だちがそのまた友だちを招待する。同社は,インフルエンサーやストリーマーと提携したり,彼らをサポートしたりすることで,その流れを促進してきた。しかし重要なのは,すでにプラットフォームを使用し,熱狂的になってくれている人とだけ提携していることだ。
「Discordが人々の共感を呼び,そして,そうした人たちが友だちを招待するのは,Discordをまぎれもない『本物』だと感じてくれていることも理由だと思います。なにせDiscordは私たち自身のために作りましたから」と彼は言う。「TwitchストリーマーとYouTubeストリーマーがDiscordを使い始めたことに気がついたとき,私たちは彼らが助けてくれるかもしれないと考えました」
「私たちがやっていることを心から好きでいてくれる人たちをサポートしたいと思っていました。例えば『現状のでもいいけど,もう少しロゴを大きくしてみたら?』というアドバイスをもらえたのは,極めて効果的だったのです。インフルエンサーが,あるプロダクトを取り上げてコメントしているのを見た人たちは,実際にそうかどうかすぐに分かります。人々はそれを実際に感じてから,試してみようとするのです」
「成長というのは,人々がプロダクトを愛してくれている結果であると心から感じています。ですから私たちは引き続きDiscordを洗練させ,改善していきます。ゲームをプレイする人はたくさんいますから,まだまだ成長の余地があると思っていますし,まだDiscordを知らないプレイヤーのほうが多いと思います。私たちはまだ駆け出しだと思っています」
Discordの仕様は単純なチャット機能を超えて成長し,最近ではSpotifyを統合して,プレイヤーがチャットしながら音楽を聴けるようになった。Citron氏は,Discordが「ソーシャルプラットフォーム」と形容されることに居心地の悪さを感じている。なぜなら,この言葉はDiscordにない機能をあまりにも多く想起させるからだが,同時に,多くのプレイヤーにとって,実際まさにそのようなプラットフォームであるとも認めている。連れ立って遊ぶ場所,しゃべる場所,そして,ゲームをする場所としてだ。
「ゲーマーである私たちのプレイヤーにとっては,Discordはある意味ソーシャルプラットフォームだと思います」と彼は語る。「彼らは携帯にもコンピュータにもDiscordをダウンロードしてあり,ゲームをしていないときはチャット,ゲームをプレイする時はボイスチャットを使います。音楽をそこに加えたのは,私だったら,友達といるときに彼らがどんな音楽を聴いているのか知りたいですし,一緒に聴きたいからです」
Discordは,開発者がこのような方法でコミュニティを利用するのに役立つ新しい機能を追加する予定だ。Citron氏は昨年導入されたVerified Serversの例を挙げた。あらゆる種類のゲームのためにすでに数百の公式サーバーが存在しているが,Epic Gamesの「Fortnite」がおそらく最大のものだそうだ。
「開発者のDiscord(チャット)に参加してくるようなプレイヤーたちは最も根強いファンだということが分かりました。開発者がリアルタイムでプレイヤーたちとチャットできる素晴らしい環境を生み出します。確かにさまざまな面白い方法で利用されているのを見てきました。例えば友だちや家族のαテスト,βコミュニティの管理,ビルドの実行,フィードバックの入手,プレイナイトの開催などです」
Discordには,このような多くのオーディエンスがいるため,開発者たちとまさにこれらについて協働する機会があるが,その規模が問題となることがある。Discordのソーシャルプラットフォームへの進化は,その機能だけでなく,自分たちのコミュニティ内で直面した課題でも明らかだ。昨年8月,同社はDiscordチャンネルにあったaltright.com(※オルタナ右翼)を閉鎖した(関連英文記事)。またDiscordは同様のコミュニティが再びはびこらないよう「積極的」に取り組むことを約束した。
Citron氏は当時のコメントで「Discordはゲームへの愛をもって人々を結び付けるために作られたもので,私たちの使命はこの価値観を共有するポジティブなコミュニティ同士をつなげることです。私たちは,白人優位,ネオナチズム,あるいはこれらの信念に基づくあらゆるグループ,関係,イデオロギーを明白に非難します」と述べていた。
ヘイトグループがプラットフォームに根を張り巡らせようとする問題に直面する(関連英文記事)のはDiscordだけではないが,その問題があるという事実はまさに,Discordのオーディエンスがどれくらい大きな規模になったかを端的に示している。私がCitron氏にインタビューを行ったGDCでは,ゲームコミュニティ内の積極的な行動を奨励することがこのイベントでの一つ重要なテーマであり,幅広いスピーカー層があらゆる角度からディスカッションを行った。しかし,Citron氏はこの問題を「ゲームよりもはるかに大きい」と見ており,これはテクノロジー産業全体がようやく答え始めた疑問であると捉えている。
「私たちはやるべきことを確実にやり,サーバーのオーナーが健全な環境を作り上げられるよう力添えすることを積極的に進めてきました。そして,彼らが私たちの助けを必要とするとき,私たちは実際にそこに入ってサポートすることができます。ただし,人々のプライバシーは尊重しています。人々の間を飛び交うメッセージは読みません」
有害な行動に対する絶対的な意味での解決策はありえないが,オンラインのコミュニティは,常に警戒を続け,矛盾のない行動を行うことを通じてきちんと戦っていくことができるとCitron氏は信じている。コミュニティのガイドラインやサービス規約に記載されている内容を適用する意思を示すことで,それらの有害なグループは,もはやDiscordをたむろすべき場所だと思わなくなるのだという。
「私たちが彼らの気配を察すると,すぐに出てきてすべてを禁止すると彼らが気づいたからです。ほかのサービスではそのようにやらないのは残念なことです。ちょうど先週ある話を聞きました。詳細には触れませんが,ある有害なグループが別のプラットフォームに移りました。私たちが出禁にし続けるので,Discordでやっていけなくなったと,彼らははっきりそう言いました。これは私たちがいい仕事をしているということですから,素晴らしいことですが,でもまだ問題が残っているのは頭の痛いことです。
「きわめて大部分の人たちは実際ナイスなんです。Discordのきわめて大部分はポジティブな環境になっています。ほとんどは小さなサーバーで,少人数しかいなくて毒気はありません。しかし実際問題として,ときに世界の人々は……あのことわざは何でしたっけ……。あぁ,「One bad apple spoils the batch.」です。(※一つの腐ったリンゴがあると周りのリンゴも腐る=悪い人が一人いると集団をダメにしてしまう)」
「これは今,社会の大きな問題の一つだと思います。インターネットとコミュニケーションのテクノロジーは多くの人を集めていて,多数の声は増幅され,少数の意見は影に隠れてしまいます。他方,私たちはいま,その影に何があったのかを見ています。隠れてしまった何かに対して,社会として何をすべきか考える必要があると思います」
ビジネスについて執筆するジャーナリストにとって,おそらく急成長というものは,伝えるべきストーリーとしてベストなとっかかりだろう。ビジネスについて執筆する「ゲーム」ジャーナリストにとって,Discordの急成長よりも説得力のあるストーリーはめったにない。
2017年5月,同社は,PCゲームに特化したDiscordのチャットサービスの利用者が4500万人に上ることを発表した(関連英文記事)。昨年末までにその数は2倍になり,そのうち1400万人は毎日ログインしている。他方,サンフランシスコを拠点とするスタートアップである同社は,Discordの利用者をさらに増やすべく,報道によれば5000万ドルを調達したとされる。
Discordの成長の秘密はきわめてシンプルだという。「ゲームをプレイしている人々が持っていた問題を解決しました。実際に問題を解決するということに相当するやり方でです。コンピュータでゲームをしていれば,友だちとチャットしたいでしょうし,それを,日々の過ごし方に齟齬がない方法でできるようにしたいと思うでしょう。Discordは,PCゲーマーにとって本当に理にかなった最初のボイスチャットアプリなんです」と語った。
Discordが出る前に友だちと遊んだりチャットしたりしたいPCゲーマーの中で最も人気があったのはTeamSpeakやVentriloなどのアプリだった。しかし,これらのサービスはステレオタイプなPCゲームに適したものであり,やや使いにくく複雑で,ほとんどのプレイヤーが面倒になるほど多くを要求するようなものだった。まず聞いたこともないようなサードパーティのベンダー会社からサーバーを借りなければならず,アクセスするために月額手数料を支払い,それから友だちにIPアドレスを通知し,その友だちも皆アプリをダウンロードしなければならない。そして,アプリそのもののデザインは,往々にしてかっこ悪くて古くさいものだった。
「現代の技術とデザインでもって,チャットの全体感を考え直しました」とCitron氏は言う。「Webサイトにアクセスしてサインイン,それですぐ使えるようにしました。無料ですし,友だちを招待したい場合は,リンクを送るだけです。送られた方も何かをダウンロードする必要はなく,リンクをクリックしてブラウザにジャンプインするだけです」
「Discordが人々の共感を呼んでいるのは,Discordをまぎれもない『本物』だと感じてくれていることも理由だと思います。なにせDiscordは私たち自身のために作りましたから」
「人々に使ってもらうのは非常に簡単です。そして,ブラウザで機能するこのアプリが本当に好きな人たち人は,デスクトップ・クライアントを手に入れて,さらにはグループ全体を切り替えてくれることになるのです」Discordの主な成長要因は口コミであり,その成長の大部分は完全に自由だ。誰かが友だちを招待し,その友だちがそのまた友だちを招待する。同社は,インフルエンサーやストリーマーと提携したり,彼らをサポートしたりすることで,その流れを促進してきた。しかし重要なのは,すでにプラットフォームを使用し,熱狂的になってくれている人とだけ提携していることだ。
「Discordが人々の共感を呼び,そして,そうした人たちが友だちを招待するのは,Discordをまぎれもない『本物』だと感じてくれていることも理由だと思います。なにせDiscordは私たち自身のために作りましたから」と彼は言う。「TwitchストリーマーとYouTubeストリーマーがDiscordを使い始めたことに気がついたとき,私たちは彼らが助けてくれるかもしれないと考えました」
「私たちがやっていることを心から好きでいてくれる人たちをサポートしたいと思っていました。例えば『現状のでもいいけど,もう少しロゴを大きくしてみたら?』というアドバイスをもらえたのは,極めて効果的だったのです。インフルエンサーが,あるプロダクトを取り上げてコメントしているのを見た人たちは,実際にそうかどうかすぐに分かります。人々はそれを実際に感じてから,試してみようとするのです」
「成長というのは,人々がプロダクトを愛してくれている結果であると心から感じています。ですから私たちは引き続きDiscordを洗練させ,改善していきます。ゲームをプレイする人はたくさんいますから,まだまだ成長の余地があると思っていますし,まだDiscordを知らないプレイヤーのほうが多いと思います。私たちはまだ駆け出しだと思っています」
Discordの仕様は単純なチャット機能を超えて成長し,最近ではSpotifyを統合して,プレイヤーがチャットしながら音楽を聴けるようになった。Citron氏は,Discordが「ソーシャルプラットフォーム」と形容されることに居心地の悪さを感じている。なぜなら,この言葉はDiscordにない機能をあまりにも多く想起させるからだが,同時に,多くのプレイヤーにとって,実際まさにそのようなプラットフォームであるとも認めている。連れ立って遊ぶ場所,しゃべる場所,そして,ゲームをする場所としてだ。
「ゲーマーである私たちのプレイヤーにとっては,Discordはある意味ソーシャルプラットフォームだと思います」と彼は語る。「彼らは携帯にもコンピュータにもDiscordをダウンロードしてあり,ゲームをしていないときはチャット,ゲームをプレイする時はボイスチャットを使います。音楽をそこに加えたのは,私だったら,友達といるときに彼らがどんな音楽を聴いているのか知りたいですし,一緒に聴きたいからです」
「私たちはやるべきことを確実にやり,サーバーのオーナーが健全な環境を作り上げられるよう力添えすることを積極的に進めてきました」
拡大するにつれてDiscordは,開発者にとってもゲームにまつわるコミュニティを構築するための効果的な方法にもなっている。No More RobotsのMike Rose氏はまさに,RageSquidが開発した「Descenders」のためにこれを活用した。つまり,Discordを新しい人を連れてくるためのハブにし,そこにとどまるよう,αやβ版のアクセスから,エクスクルーシブなコンテンツ,独創的なメタゲームに至るさまざまなインセンティブ付けを行った。Discordのブログ記事でRose氏が述べたところによれば(参考URL),それらのインセンティブが集めたオーディエンスは,顧客になったばかりでなく,ゲームのエヴァンジェリストになって宣伝してくれたため,より多くのビジネスがもたらされたという。Discordは,開発者がこのような方法でコミュニティを利用するのに役立つ新しい機能を追加する予定だ。Citron氏は昨年導入されたVerified Serversの例を挙げた。あらゆる種類のゲームのためにすでに数百の公式サーバーが存在しているが,Epic Gamesの「Fortnite」がおそらく最大のものだそうだ。
「開発者のDiscord(チャット)に参加してくるようなプレイヤーたちは最も根強いファンだということが分かりました。開発者がリアルタイムでプレイヤーたちとチャットできる素晴らしい環境を生み出します。確かにさまざまな面白い方法で利用されているのを見てきました。例えば友だちや家族のαテスト,βコミュニティの管理,ビルドの実行,フィードバックの入手,プレイナイトの開催などです」
Discordには,このような多くのオーディエンスがいるため,開発者たちとまさにこれらについて協働する機会があるが,その規模が問題となることがある。Discordのソーシャルプラットフォームへの進化は,その機能だけでなく,自分たちのコミュニティ内で直面した課題でも明らかだ。昨年8月,同社はDiscordチャンネルにあったaltright.com(※オルタナ右翼)を閉鎖した(関連英文記事)。またDiscordは同様のコミュニティが再びはびこらないよう「積極的」に取り組むことを約束した。
Citron氏は当時のコメントで「Discordはゲームへの愛をもって人々を結び付けるために作られたもので,私たちの使命はこの価値観を共有するポジティブなコミュニティ同士をつなげることです。私たちは,白人優位,ネオナチズム,あるいはこれらの信念に基づくあらゆるグループ,関係,イデオロギーを明白に非難します」と述べていた。
ヘイトグループがプラットフォームに根を張り巡らせようとする問題に直面する(関連英文記事)のはDiscordだけではないが,その問題があるという事実はまさに,Discordのオーディエンスがどれくらい大きな規模になったかを端的に示している。私がCitron氏にインタビューを行ったGDCでは,ゲームコミュニティ内の積極的な行動を奨励することがこのイベントでの一つ重要なテーマであり,幅広いスピーカー層があらゆる角度からディスカッションを行った。しかし,Citron氏はこの問題を「ゲームよりもはるかに大きい」と見ており,これはテクノロジー産業全体がようやく答え始めた疑問であると捉えている。
「コミュニケーションのテクノロジーでは,多数の声は増幅され,少数の意見は影に隠れてしまいます。他方,私たちはいま,その影に何があったのかを見ています」
「昨年,実際にこのようなことに気がついたときから,確かに多くのことをやってきました。社内に信頼と安全のグループがあり,嫌がらせなどの報告に対応しているスタッフがほんの一握りいます。私たちが構築した一連の自動システムもあり,スイッチは好きなように切ったり入れたりできます。24時間365日のカスタマーサポートチームもあります。また,サーバーを作る時に示される,私たちが期待することをはっきりと明文化したコミュニティのガイドラインもあります」「私たちはやるべきことを確実にやり,サーバーのオーナーが健全な環境を作り上げられるよう力添えすることを積極的に進めてきました。そして,彼らが私たちの助けを必要とするとき,私たちは実際にそこに入ってサポートすることができます。ただし,人々のプライバシーは尊重しています。人々の間を飛び交うメッセージは読みません」
有害な行動に対する絶対的な意味での解決策はありえないが,オンラインのコミュニティは,常に警戒を続け,矛盾のない行動を行うことを通じてきちんと戦っていくことができるとCitron氏は信じている。コミュニティのガイドラインやサービス規約に記載されている内容を適用する意思を示すことで,それらの有害なグループは,もはやDiscordをたむろすべき場所だと思わなくなるのだという。
「私たちが彼らの気配を察すると,すぐに出てきてすべてを禁止すると彼らが気づいたからです。ほかのサービスではそのようにやらないのは残念なことです。ちょうど先週ある話を聞きました。詳細には触れませんが,ある有害なグループが別のプラットフォームに移りました。私たちが出禁にし続けるので,Discordでやっていけなくなったと,彼らははっきりそう言いました。これは私たちがいい仕事をしているということですから,素晴らしいことですが,でもまだ問題が残っているのは頭の痛いことです。
「きわめて大部分の人たちは実際ナイスなんです。Discordのきわめて大部分はポジティブな環境になっています。ほとんどは小さなサーバーで,少人数しかいなくて毒気はありません。しかし実際問題として,ときに世界の人々は……あのことわざは何でしたっけ……。あぁ,「One bad apple spoils the batch.」です。(※一つの腐ったリンゴがあると周りのリンゴも腐る=悪い人が一人いると集団をダメにしてしまう)」
「これは今,社会の大きな問題の一つだと思います。インターネットとコミュニケーションのテクノロジーは多くの人を集めていて,多数の声は増幅され,少数の意見は影に隠れてしまいます。他方,私たちはいま,その影に何があったのかを見ています。隠れてしまった何かに対して,社会として何をすべきか考える必要があると思います」
※本記事はGamesIndustry.bizとのライセンス契約のもとで翻訳されています(元記事はこちら)