ESA,休止したオンラインゲームの保存を目的としたDMCAの潜在的ルール変更に反対

「現在,オンラインビデオゲームの保存は重要になっています」とMuseum of Art and Digital Entertainmentは語る。

 Entertainment Software Association(ESA)は,Museum of Art and Digital Entertainment(MADE:MADEはビデオゲームをプレイアブルな状態で展示している米国のゲーム博物館)による休止したオンラインゲームを保存する活動に反対の姿勢をとった。

 ESAは「実質的に市場を損失する」結果になりかねないと示唆しつつ,デジタルミレニアム著作権法の改正案―現在,米国著作権局で検討中―が否決されるべきだとの陳述を行った。

 2015年に,図書館,公式記録,博物館でのエミュレーション,ジェイルブレイク,その他の迂回方法による保存を本質的に許諾する除外条項が法令に追加された。

 重要なのは,この改正がゲームのオンライン機能のためのアプローチを合法化しなかったことだ。

 しかし,著作権局は3年ごとに公衆から意見を聞いて規定を更新するよにしている。

 カリフォルニアを拠点とした非営利組織であるMADEは,現在著作権局に,この権利をオンラインゲームにまで拡張するような改正を陳情している。

 「現状の除外条項ではカバーされていないものの,オンラインビデオゲームの保存は重要になっています」とMADEは著作権局への陳情で主張している。

 「オンラインゲームはいたるところに存在するようになっており,人気が上がっている唯一の分野です。たとえば,約53%のゲーマーはマルチプレイヤーゲームを少なくとも週に1回は遊び,平均で週に6時間オンラインで遊びます」

 しかしながら,Torrent Freakが報告しているように(参考URL),ESAは対立する立場を取り,これ以上の除外条項はMADEのような
ゲームサーバーを複製して人々にプレイ料金を課すような組織による営利的な目的での侵害的利用を可能にするかもしれないと主張している。

 MADEの立場は非営利団体であるものの,ESAは,このようなサービスは企業が一般的に課金しているものであり,ESAに代表されるデベロッパとパブリッシャとの直接的な競合する商業作品とみなせるかもしれないと主張している。

 「博物館のようなものでのオンラインゲームの公的な実演や展示は107条が意味する商業利用となります」とESAはその米国著作権局に送付した異議の中で仮定している(参考URL)。「MADEは終日のゲームプレイで10ドルという入場料を徴収しています」

 「上にまとめたような権限の下で,入場料収入を発生させる著作物の公的実演や展示は商業利用となります。たとえ非営利の博物館で行われたとしてもです」

 ESAはさらに,このような迂回策は一般には公開されないサーバーコードが大衆の手に入ることを許すかもしれないと示唆している。

 結論として,「現在の除外条項が認められた場合に登録者が提供する重要な制限をなくすことは,広範囲な侵害と潜在的な市場損失の可能性というリスクを持っています」

 著作権局は結論を出す前にすべての主張を考慮に入れるだろう。

※本記事はGamesIndustry.bizとのライセンス契約のもとで翻訳されています(元記事はこちら