日本のモバイル市場は3年連続でアメリカを上回った

日本のモバイル市場は3年連続でアメリカを上回った
RPGが日本におけるモバイルの売り上げの65%を占めることをAppAnnieのレポートは示している。

 日本でのモバイルゲーム売り上げは毎年約35%成長しており,3年連続で北米を上回った。

 この成長は,北米には日本の3倍のスマートフォンユーザーがいるという点でとくに注目される。

 このデータはAppAnnieと電通による日本のモバイル市場の共同レポートからきたものだが,たくさんの興味深い洞察を与えてくれる(参考URL)。

 おそらく最も関連するのは,ほかの種類のアプリ以上に,RPGがLoot Box(ランダム報酬箱:ここではガチャの意)でのマネタイジングに成功していることだろう。

※Loot Boxは最近のイギリスで問題になっているのでとくに注目されているのだと思われる(以下,最近のGIでの関連記事)
Loot boxes: Future of AAA or a monetisation misfire?
Loot box petition prompts response from UK government
Thinking outside the loot box


 レポートによると,2016年7月から2017年6月までの日本でのモバイルゲーム売り上げのうち,RPGは65%を占めているという。レポートを執筆したDonny Kristianto氏は,RPGによる収益がアプリで消費した時間に比べて明らかに高く,「日本市場のユーザーにマネタイズをするときのRPGジャンルの効率」を示していると言及した。

 このLoot Boxあるいは「ガチャシステム」として知られているものは,価値の高いアイテムをアンロックするチャンスを得るため,ユーザーがゲーム内通貨を購入するというプレイスタイルを作り出している。

 「日本でトップクラスのRPGにとって,これらのゲーム内アイテムはトレーディングカードになっており,トレーディングカードの戦闘システムを組み込まれたゲームは日本の売り上げ上位にあるゲームの特徴をよく表しています」とKristianto氏は語る。

 日本市場では国内のデベロッパによってほぼ完全に支配されていることもAppAnnieは明らかにしている。

 「日本にはたくさんのチャンスがあります。しかし,そこで目覚しい進展を示せた海外パブリッシャは一握りにすぎません」とKristianto氏は語る。「2016年7月から2017年6月の期間,日本でのゲーム売り上げの80%以上は日本に本社を置くパブリッシャによって生み出されてきました。北米を例に比較すると,地元企業が生み出した売り上げは50%程度にすぎません」

 日本と北米の差は著しいものです。日本ではユーザーはゲームアプリに2倍の頻度でアクセスし,平均して2倍の時間をゲーム内で過ごします。加えて言うと,日本のユーザーは,ユーザーごとの平均ゲームセッション数の平均でもトップランクです」

 「このような高レベルの利用状況が,我々が日本で見たような強いマネタイズの実現を可能にしているのです。これは日本のゲーマー向けにゲームをデザインするときには考慮に入れるべきでしょう」とKristianto氏は意見を述べた。

 つまりこれが意味するのは,日本のモバイル市場は世界で最も大きく最も稼げる市場の一つであるということだ。しかし,西洋パブリッシャにとっては難物でもある。

 「この市場で成功を収めれば,報酬はかなりのものになるでしょう」とKristianto氏は語る。「ゲームはアプリストアのマネタイズ拡大を代表的するものであり続けています。これは今後4年間で2倍以上になる見通しです」

※本記事はGamesIndustry.bizとのライセンス契約のもとで翻訳されています(元記事はこちら