[CJ2017]部屋いっぱいの映像でVRヘッドセットによらないVR空間を作る「Holoverse」
Palmer Luckey氏による「Rift DK1 VRヘッドセット」が登場して以来,立体視映像の体感における臨場感は劇的に向上した。VRといえば,もはや同方式のVRヘッドセットを使うのが常識ともなっている。
一方,ChinaJoy 2017会場にあった,ほとんど展示物のない箱型のブースの内側では,今となってはちょっと懐かしい偏光メガネを使った立体視によるVRが展示されていた。
「Holoverse」は,オーストラリアのEuclideonが展開するVRエンターテイメントシステムだ。4台のプロジェクタを使って,前方の壁3面と床に立体視映像を投射する。部屋の壁は90度でつながっておらず,前方は斜めに面取りされた感じになっている。この壁と床に3D映像を映すことで,部屋の半分以上の面が映像で覆われ,この状態でプレイヤーが偏光メガネをかけて部屋の中に立つと,あたかも立体映像の中に飛び込んだような状況になるわけだ。
メガネとコントローラはカメラでトラッキングされており,プレイヤーの位置や顔の向きで映像を制御し,ゲームの操作はコントローラで行う。
球体スクリーンではないので壁と床は90度でつながっているのだが,プレイヤーから見る限り,投射された映像が破綻することはなく,プレイ中はまったく気にならなかった。また,端のあたりの映像は最近のVRと比べると粗めではあるものの,臨場感のメリットのほうが大きい。
体験できるコンテンツは,都市の上空をフライバイし,空中のリングをくぐっていくというゲームだった。手に持ったT字型のコントローラを上げると上昇,下げると下降,右に持っていくと右旋回,左にやると左旋回という,きわめて直感的なインタフェースになっていた。
ゲームが始まると,VR空間内にビルやリングがビュンビュンと飛んでいく。思わず体が動いてしまうのは仕方ないことだろう。
前方へは自動移動だが,手を振る形での方向制御はかなり自然に行え,酔いなどはまったくなかった。たぶん,全身を使って動いている感じがよいのだろう。ちょっとキツくカーブしないと次のリングに届かないといったときでも,腕をぐっと持っていけば結構曲がれる。
この手の「自動的に前進する飛行機などを操って,空中のリングを通り抜けていく」系のコンテンツはいろいろあると思うのだが,キーやコントローラの制御が結構センシティブなものが多く,爽快感よりイライラしたことのある人も少なくないのではないだろうか。しかしこのコントローラ(というか手の動き)での操作は,非常に直感的で,思ったとおりにリングをくぐって行ける。
ゲームは,ステージが進むにつれて複雑になっていった。リングが右と左に移動しつつ壁に当たって反転するような仕掛けあったのだが,壁の登場自体が初めてだったので理解できず,ミスしてしまった。仕掛けが増えてくると,ちょっと難度が上がる。
リングが終わるとモードが変わり,町の中を歩くコンテンツになった。町の中を歩くとはいっても,こちらは視点の高い,いわば巨人モードなので,その状態で歩き回るということだ。壁や床に投射された絵だとは分かっていてるのだが,目の前にビルが建っているのがはっきり見える。映像ではなく,目の前に建っているのだが,近寄るとビルが反れるように曲がってしまうのはご愛嬌だろうか。
このモードになって初めて気が付いたのだが,実は常に部屋全体の映像をレンダリングしているわけではなく,プレイヤーの向きから遠い部分は描かれていなかった。目を向けると,ササッと描画範囲が広がる感じだ。現在のハードウェアの能力なら,全体を常にレンダリングしても,まったく問題がないような気はするのだが。
映像の範囲でいえば,このHoloverseの「空間に入り込んでいる感」は素晴らしい。どうせなら部屋全体を,というのは欲張りすぎだろうか。ついでに解像度も上げて,天井にも投影して……と,VRヘッドセットによらないVR空間は,なにかと夢が膨らんでくる。
一方,ChinaJoy 2017会場にあった,ほとんど展示物のない箱型のブースの内側では,今となってはちょっと懐かしい偏光メガネを使った立体視によるVRが展示されていた。
メガネとコントローラはカメラでトラッキングされており,プレイヤーの位置や顔の向きで映像を制御し,ゲームの操作はコントローラで行う。
球体スクリーンではないので壁と床は90度でつながっているのだが,プレイヤーから見る限り,投射された映像が破綻することはなく,プレイ中はまったく気にならなかった。また,端のあたりの映像は最近のVRと比べると粗めではあるものの,臨場感のメリットのほうが大きい。
体験できるコンテンツは,都市の上空をフライバイし,空中のリングをくぐっていくというゲームだった。手に持ったT字型のコントローラを上げると上昇,下げると下降,右に持っていくと右旋回,左にやると左旋回という,きわめて直感的なインタフェースになっていた。
ゲームが始まると,VR空間内にビルやリングがビュンビュンと飛んでいく。思わず体が動いてしまうのは仕方ないことだろう。
前方へは自動移動だが,手を振る形での方向制御はかなり自然に行え,酔いなどはまったくなかった。たぶん,全身を使って動いている感じがよいのだろう。ちょっとキツくカーブしないと次のリングに届かないといったときでも,腕をぐっと持っていけば結構曲がれる。
この手の「自動的に前進する飛行機などを操って,空中のリングを通り抜けていく」系のコンテンツはいろいろあると思うのだが,キーやコントローラの制御が結構センシティブなものが多く,爽快感よりイライラしたことのある人も少なくないのではないだろうか。しかしこのコントローラ(というか手の動き)での操作は,非常に直感的で,思ったとおりにリングをくぐって行ける。
ゲームは,ステージが進むにつれて複雑になっていった。リングが右と左に移動しつつ壁に当たって反転するような仕掛けあったのだが,壁の登場自体が初めてだったので理解できず,ミスしてしまった。仕掛けが増えてくると,ちょっと難度が上がる。
このモードになって初めて気が付いたのだが,実は常に部屋全体の映像をレンダリングしているわけではなく,プレイヤーの向きから遠い部分は描かれていなかった。目を向けると,ササッと描画範囲が広がる感じだ。現在のハードウェアの能力なら,全体を常にレンダリングしても,まったく問題がないような気はするのだが。
映像の範囲でいえば,このHoloverseの「空間に入り込んでいる感」は素晴らしい。どうせなら部屋全体を,というのは欲張りすぎだろうか。ついでに解像度も上げて,天井にも投影して……と,VRヘッドセットによらないVR空間は,なにかと夢が膨らんでくる。