Riccitiello氏「いつも血と汗がありました。涙とはおさらばしたいですね」
UnityのCEOは,世界中の(ゲーム開発の)問題をすべて解決するという同社の次のステップについて語った。
John Riccitiello氏は,GDC 2017での同社関連セッションでの基調講演を過去数年の大きなイベントでのUnityプレゼンテーションと同様なスタイルで始めた。つまり,同社の3つの目標のうち,解決が難しい問題についてだ。
Unityは現在,主にコーダやプログラマなど,氏がゲーム開発の「核心」と呼ぶ部分に取り組んでいる人が直面する問題に焦点を絞っていた。しかし今年, Riccitiello氏は,同社がこれまで見落としていたような創造的プロセスに携わる人たち,アーティストやデザイナーに集中していくだろうと発表した。
プレゼンテーションはまさにその始まりだった(関連英文記事)。同社はUnityの社内アーティストの座をかけたコンペを開催したのだ。一方でかつてBungieでDestinyのグラフィックスリードを務め,現在は同社のグラフィックスディレクターとなったNatalya Tatarchuk氏はUnityが計画するビジュアルアップデートについて語った。
UnityのCEOはサンフランシスコでGamesIndustry.bizに,ゲーム開発でのビジュアル面へのフォーカスは同社の改革で自然な一歩だと説明してくれた。
「我々のビジネス計画の過程は,デベロッパにとって最も苦痛となっているものは何か,そして我々はどのように彼らを手助けするのが最もよいのかを問い直すところから始まりました」とRiccitiello氏は我々に語った。「我々がAnalyticsをスタートしたとき,我々はそれを使ってなにをするかまったく考えていませんでした。ただデベロッパに必要だと知っていただけです。それがいまや我々の広告ビジネスの有効な拡大策になっており,日所に急速に成長しています。ビジネス的観点から言うと,これは賢いものになりました。我々はCollaborate(開発者にUnityプロジェクトの共有と同期機能を提供する蔵独活ベースのサービス)を提供していますが,我々はそこから一銭も儲けていません。単に,そこに投資する方法を理解しただけです。これはあまり賢くないことかもしれません。うちの役員には言わないでくださいね」
「私はEAで長年にわたってゼネラルマネージャーをやってきており,アーティストが本当に大変なシーンやアニメーションの作成作業をしているのを見てきました。彼らはそれをゲームに組み込むプログラマに渡すのですが,彼らはフレームレートが低下するのでLoD(Level of Detail)を半分にしなければならないと言うのです。これはプログラマとアーティストの両方を決まり悪くさせます。これは本当に嫌なプロセスです ―とくにあなたがアーティストだった場合は。あなたはときどき,技術の選択は創造性を縮小させる最小公分母のようなものだと感じるかもしれません。我々はこれを解決できると考えました」
ゲームスタジオでのコーデイング,アート,デザイン部門の要求を満たすツールを作ることは,Riccitiello氏がUnity(会社としての)で受けたインパクトを拡大させるものだった。氏のゲームエンジン業者としての初期の日々を思い出しつつ,CEOは自身の最重点項目は技術的人材の「積極的増員」だと語った。直近ではこれはアートとテクニカルアートの人材を含むように拡大されている。Tatarchuk氏のような経験豊かな人を連れてくることだ。デベロッパののビジョンを実現するためになにが必要かについて直接経験を積んだ人々は,Unityに,今日のゲームの標準を変えるゲームエンジンをあつらえることを可能にする。
Riccitiello氏は,彼の会社は「2つの重要な製品チーム」に相当する人材を抱えていると見ている。しかし,それはゲームを作るというより組織全体に散らばっている。これは経営者にとって重要だ。ショートフィルムAdamのような技術デモを作れるチームを持つことは氏にとって幸せだが,氏はツールとゲーム開発間の一線は厳格に維持する意向だ。
「私はすべてのことをうまくできたりはしないものだと信じています」と氏は語る。「素晴らしいゲームを作る人たちは,しばしば優れたツールを作る人ではなかったりします。逆もまた真です。もしUnityがFPSを作り……,もしあなた(開発者)が自分でFPSを作ったとしたら,あなたは我々の製品が持つコアテクノロジーの優位性とはいったいなんなのかと思ってしまうかもしれません。私は長年コンテンツ側の業界にいましたので,それを心配しているのです」
氏のコメントは,彼の主要なライバルであるEpic GamesとUnreal Engine,CrytekとCryENGINE,そしてAmazonのLumberyardに言及したものである。これら3社は基本的に他社に提供するツールの作成にフォーカスを置いているが,彼らの技術のショーケースとして自社によるタイトル制作を続けている。
ゲームエンジン分野の競争はこの数年でヒートアップしている。Lumberyardが登場し,EpicとCrytekの両社が無償ないし「払いたいだけだけ支払う」モデルを採用してからはとくにだ。しかしまだ市場におけるUnityの位置に,Riccitiello氏は余裕を持っている。プレゼンテーション中に氏はモバイル市場でのUnityの優勢に留意していたかもしれない。― iOSとAndroidのトップ1000タイトルのうち38%を占めている ― しかし,氏は同社がどんなプラットフォームでも侮れない力を持ち続けるようにしている。
「我々のシェアはゲーム機でより高くなっていますが,ここでは多くは語りません」と氏は言う。「それはモバイルに比べるとあまり大きな市場ではありません。我々の市場シェアは同等です,もし少し高くないなら。VRでも同様に高いシェアです。59〜71%でこれはプラットフォームによって変わります。我々はそこでも大手です。― これはモバイルと比べて多くの開発者がいるということではなく,モバイルはコンシューマゲーム機と比べると多勢で大勢のデベロッパがいます。モバイルではたいした競合は起きていないと思います。家庭用ゲーム機では少しあります。我々の主な競合は20タイトルくらいの有名プロジェクトで使われています。ですので,我々の実際のマーケットシェアは遥かに大きいのです」
Riccitiello氏はこのように強力な競争相手を持つことの醍醐味について話し続けた。「彼らはもの凄く優秀なエンジニアであり,本当にいいものを作ります。ときに我々は彼らがやっていることを見て学び,ときには彼らは我々がやっていることを見て学んでいます。現実問題として,現在のバージョンのUnrealは素晴らしくよくできたUnityのコピーです。もちろん,彼らが実際にコピーしているといっているわけではまったくありませんよ。Tim Sweeneyは凄いと思います。私が言いたいのは,彼らの製品はモバイルで使いやすくできているわけではないのですが,いまやかなり近いところまできているということです」
氏は,Unityの市場シェアは「ほとんどすべてのプラットフォームで」非常に高いと言い改め,そしてそれはUnity AnalyticsやUnity Adsといったサービスによるものだと強調した。彼は,ビジネスが「実際にはゲームエンジン専門企業ではない」と信じている。
GDCでのUnityのプレゼンテーションはUnrealとは強い対照を成していた。Riccitiello氏と彼のチームが完全にゲーム開発と彼らの顧客を助けるであろう新機能にフォーカスしていたのに対し,UnrealはAndy SerkisやLucasFilmそしてChevroletといった一連の著名なパートナーに拡大していった。私がUnityにビデオゲーム業界以外にまで彼らの製品を拡大する計画はあるかと尋ねると,Riccitiello氏は常にあると認めた。
「我々はそれについてあまり語りませんが,ジェット推進研究所(※NASA)はMars Roverに,CERNはLarge Hadron Collider(大型ハドロン衝突型加速器)に我々の技術を使っています」と氏は語る。「建築でVRを使う人のほとんどはUnityを使っていますし,ギャンブル業界で使われる製品はかなりUnityに集中しています」
「私の展望では,ゲームとAR,VRのビジネスを完全に確実にするまでは,我々はそこへの集中を続けます。力を分散させたりはしません。しかし,ゲーム分野以外にも非常にたくさんの人たちが我々の製品を使っています。 ― 我々はフォーカスを絞り続けようとしているところです」
Unityのゲームビジネスはここ数年で一連の変革を受けてきた。Personal,ProそしてPlusにサブスクリプションの層を分けたことも少なからずある。とくにPlusが登場したことは長くUnityを使ってきたデベロッパの不満を引き起こした。これは買い切りオプションをなくして年会費にフォーカスした結果,非常に高額になったことに関連する。しかし同社はこれらの問題に対処するため迅速に提供条件を微調整した。にも関わらず,不満なデベロッパも残っている。とくにライバルから非常に安価に技術の提供を受けている場合は。Riccitiello氏はまだこれらの変更による非難に直面しているのだろうか?
「我々が最初にこれをやったときにちょっとした雑音はありました。ですので,我々は顧客の声を聞いていることを証明するためにいくつかの調整を行いました。我々は他社より多く躓くかもしれませんが,迅速に対応します。サブスクリプションには2つの欠陥がありました。しかし,いまではすべての人に好まれているようです。なにかに支払いをするときに四半期ごとに変えるのは,より論理的な方法です」
四半期ごとの更新はおそらくUnityが現在通過している最も大きな変更だろう。3月末にリリースされたバージョン5.6でUnity 5系列は終了となり,現在はUnity 2017の最初のリリースに向けて準備を進めている。年数の部分が12か月ごとに更新されるのかどうか ―Unity 2018やUnity 2019など― は未確認だ。しかし関連はある。以前はUnityのライフサイクルが複数年にわたっていた。Riccitiello氏と彼のチームは,現在,新バージョンをより価値のあるものに見せるため,毎年重要なオーバーホールを提供するようなプレッシャーの下にいるのだろうか?
「我々は,Unity 4の全期間でやったのよりも多くをUnity 5.6でお届けします」と氏は語る。「私が言わんとしているのは,それを計測する方法がないということです。長い間,Unityは比較的小規模の開発で運営されていました。100人に満たない開発者がコア技術の開発ににフォーカスしていたのです。我々は現在,それよりも何倍も大きくなっています。我々は非常にたくさんのコンテンツを作っています。四半期ごとのリリースはメジャーアップデートです」
「これで我々は2つの愚かなことをしなくて済むようになりました。つまりなにかを売ろうとして次の大型エディションのためになにかを取っておくようなことです。今では,なにか準備ができたらただちに発表します。そのようにする理由の一部は,我々が非常に多くのプラットフォームをサポートしているからです。Unity 3の頃には我々は4つのプラットフォームをサポートしていました。今は30以上です。AppleはMacOSにMetalを持ってきましたが,開発者にUnity 6までサポートを待ってくれと言えますか? 我々なら次の四半期に投入します」
そうであっても,四半期ごとのインクリメンタルアップデートはUnityの重要な大規模アップデートを制限しないだろうか? Unity 5のローンチはUnity 4を超える重大な進化だとすぐに認識できたので多くのデベロッパの行動を喚起した。
「我々は販売に何の問題も抱えていませんよ」とRiccitielloは語る。「あなたはそれを使わないデベロッパを想像できますか? 我々は新規ユーザーの獲得でなんに問題も抱えていません」
John Riccitiello氏は,GDC 2017での同社関連セッションでの基調講演を過去数年の大きなイベントでのUnityプレゼンテーションと同様なスタイルで始めた。つまり,同社の3つの目標のうち,解決が難しい問題についてだ。
Unityは現在,主にコーダやプログラマなど,氏がゲーム開発の「核心」と呼ぶ部分に取り組んでいる人が直面する問題に焦点を絞っていた。しかし今年, Riccitiello氏は,同社がこれまで見落としていたような創造的プロセスに携わる人たち,アーティストやデザイナーに集中していくだろうと発表した。
プレゼンテーションはまさにその始まりだった(関連英文記事)。同社はUnityの社内アーティストの座をかけたコンペを開催したのだ。一方でかつてBungieでDestinyのグラフィックスリードを務め,現在は同社のグラフィックスディレクターとなったNatalya Tatarchuk氏はUnityが計画するビジュアルアップデートについて語った。
UnityのCEOはサンフランシスコでGamesIndustry.bizに,ゲーム開発でのビジュアル面へのフォーカスは同社の改革で自然な一歩だと説明してくれた。
「私はEAで長年にわたってゼネラルマネージャーをやってきており,アーティストが本当に大変なシーンやアニメーションの作成作業をしているのを見てきました。彼らはそれをゲームに組み込むプログラマに渡すのですが,彼らはフレームレートが低下するのでLoD(Level of Detail)を半分にしなければならないと言うのです。これはプログラマとアーティストの両方を決まり悪くさせます。これは本当に嫌なプロセスです ―とくにあなたがアーティストだった場合は。あなたはときどき,技術の選択は創造性を縮小させる最小公分母のようなものだと感じるかもしれません。我々はこれを解決できると考えました」
「業界全体はこの制約のまま成長してきました。しかし,そうしなければならないわけではないのです」
「我々は本質的にアーティストとデザイナーをプログラマとが平等な環境で,彼らが同じツールで協力して作業させるようにできるだろうと考えました。われわれはビジュアルスクリプティングについて話し合いました。これはうまくやれば通常のプログラムと同じくらい活用でき,非常に強力になりうるものです。アーティストやデザイナーはプログラマとパートナーになれます。これは単純に我々が,創造性を妨げる基本的な問題を解決できるということです。どんな偉大なプログラマも技術者も,よく自分たちがアイテムの出入りを制御したり,アーティストの創造性をブロックするような立場であることに気づきます。これは最悪です。よくありません。業界全体はこの制約のまま成長してきました。しかし,そうしなければならないわけではないのです」ゲームスタジオでのコーデイング,アート,デザイン部門の要求を満たすツールを作ることは,Riccitiello氏がUnity(会社としての)で受けたインパクトを拡大させるものだった。氏のゲームエンジン業者としての初期の日々を思い出しつつ,CEOは自身の最重点項目は技術的人材の「積極的増員」だと語った。直近ではこれはアートとテクニカルアートの人材を含むように拡大されている。Tatarchuk氏のような経験豊かな人を連れてくることだ。デベロッパののビジョンを実現するためになにが必要かについて直接経験を積んだ人々は,Unityに,今日のゲームの標準を変えるゲームエンジンをあつらえることを可能にする。
Riccitiello氏は,彼の会社は「2つの重要な製品チーム」に相当する人材を抱えていると見ている。しかし,それはゲームを作るというより組織全体に散らばっている。これは経営者にとって重要だ。ショートフィルムAdamのような技術デモを作れるチームを持つことは氏にとって幸せだが,氏はツールとゲーム開発間の一線は厳格に維持する意向だ。
「私はすべてのことをうまくできたりはしないものだと信じています」と氏は語る。「素晴らしいゲームを作る人たちは,しばしば優れたツールを作る人ではなかったりします。逆もまた真です。もしUnityがFPSを作り……,もしあなた(開発者)が自分でFPSを作ったとしたら,あなたは我々の製品が持つコアテクノロジーの優位性とはいったいなんなのかと思ってしまうかもしれません。私は長年コンテンツ側の業界にいましたので,それを心配しているのです」
「我々はゲームを発売しない大規模なゲーム制作するスタジオのようなものになりたいのです」
「我々は,我々の顧客と競合せずゲームを発売しない大規模なゲーム開発スタジオのようなものになりたいのです。我々はゲーム開発者をより成功に導くようなものをお届けしたいのです」氏のコメントは,彼の主要なライバルであるEpic GamesとUnreal Engine,CrytekとCryENGINE,そしてAmazonのLumberyardに言及したものである。これら3社は基本的に他社に提供するツールの作成にフォーカスを置いているが,彼らの技術のショーケースとして自社によるタイトル制作を続けている。
ゲームエンジン分野の競争はこの数年でヒートアップしている。Lumberyardが登場し,EpicとCrytekの両社が無償ないし「払いたいだけだけ支払う」モデルを採用してからはとくにだ。しかしまだ市場におけるUnityの位置に,Riccitiello氏は余裕を持っている。プレゼンテーション中に氏はモバイル市場でのUnityの優勢に留意していたかもしれない。― iOSとAndroidのトップ1000タイトルのうち38%を占めている ― しかし,氏は同社がどんなプラットフォームでも侮れない力を持ち続けるようにしている。
「我々のシェアはゲーム機でより高くなっていますが,ここでは多くは語りません」と氏は言う。「それはモバイルに比べるとあまり大きな市場ではありません。我々の市場シェアは同等です,もし少し高くないなら。VRでも同様に高いシェアです。59〜71%でこれはプラットフォームによって変わります。我々はそこでも大手です。― これはモバイルと比べて多くの開発者がいるということではなく,モバイルはコンシューマゲーム機と比べると多勢で大勢のデベロッパがいます。モバイルではたいした競合は起きていないと思います。家庭用ゲーム機では少しあります。我々の主な競合は20タイトルくらいの有名プロジェクトで使われています。ですので,我々の実際のマーケットシェアは遥かに大きいのです」
Riccitiello氏はこのように強力な競争相手を持つことの醍醐味について話し続けた。「彼らはもの凄く優秀なエンジニアであり,本当にいいものを作ります。ときに我々は彼らがやっていることを見て学び,ときには彼らは我々がやっていることを見て学んでいます。現実問題として,現在のバージョンのUnrealは素晴らしくよくできたUnityのコピーです。もちろん,彼らが実際にコピーしているといっているわけではまったくありませんよ。Tim Sweeneyは凄いと思います。私が言いたいのは,彼らの製品はモバイルで使いやすくできているわけではないのですが,いまやかなり近いところまできているということです」
氏は,Unityの市場シェアは「ほとんどすべてのプラットフォームで」非常に高いと言い改め,そしてそれはUnity AnalyticsやUnity Adsといったサービスによるものだと強調した。彼は,ビジネスが「実際にはゲームエンジン専門企業ではない」と信じている。
「我々は,デベロッパがコンテンツ制作にあまり関係のない難問―たとえばお金儲けであるとか― を解決するのを手助けするために多くの時間とエネルギーを使っています。この点では我々の競合はまったく競争していません」
「我々は開発企業です。我々は,デベロッパがコンテンツ制作にあまり関係のない難問―たとえばお金儲けであるとか― を解決するのを手助けするために多くの時間とエネルギーを使っています。この点では我々の競合はまったく競争していません」GDCでのUnityのプレゼンテーションはUnrealとは強い対照を成していた。Riccitiello氏と彼のチームが完全にゲーム開発と彼らの顧客を助けるであろう新機能にフォーカスしていたのに対し,UnrealはAndy SerkisやLucasFilmそしてChevroletといった一連の著名なパートナーに拡大していった。私がUnityにビデオゲーム業界以外にまで彼らの製品を拡大する計画はあるかと尋ねると,Riccitiello氏は常にあると認めた。
「我々はそれについてあまり語りませんが,ジェット推進研究所(※NASA)はMars Roverに,CERNはLarge Hadron Collider(大型ハドロン衝突型加速器)に我々の技術を使っています」と氏は語る。「建築でVRを使う人のほとんどはUnityを使っていますし,ギャンブル業界で使われる製品はかなりUnityに集中しています」
「私の展望では,ゲームとAR,VRのビジネスを完全に確実にするまでは,我々はそこへの集中を続けます。力を分散させたりはしません。しかし,ゲーム分野以外にも非常にたくさんの人たちが我々の製品を使っています。 ― 我々はフォーカスを絞り続けようとしているところです」
Unityのゲームビジネスはここ数年で一連の変革を受けてきた。Personal,ProそしてPlusにサブスクリプションの層を分けたことも少なからずある。とくにPlusが登場したことは長くUnityを使ってきたデベロッパの不満を引き起こした。これは買い切りオプションをなくして年会費にフォーカスした結果,非常に高額になったことに関連する。しかし同社はこれらの問題に対処するため迅速に提供条件を微調整した。にも関わらず,不満なデベロッパも残っている。とくにライバルから非常に安価に技術の提供を受けている場合は。Riccitiello氏はまだこれらの変更による非難に直面しているのだろうか?
「サブスクリプションは,彼らすべてを我々のキャンプに駆け込ませていた唯一の大きな火祭りだったとは言えません。彼らがみんな去っていったわけではありませんし,我々は成長を続けています」
「単独の顧客は誰も不平を言ってませんよ。そして我々の利用数は劇的に向上しています」と氏は語る。「ダウンロード数は上昇しています。顧客数も上昇しています。サブスクリプションは,彼らすべてを我々のキャンプに駆け込ませていた唯一の大きな火祭りだったとは言えません。彼らがみんな去っていったわけではありませんし,我々は成長を続けています」「我々が最初にこれをやったときにちょっとした雑音はありました。ですので,我々は顧客の声を聞いていることを証明するためにいくつかの調整を行いました。我々は他社より多く躓くかもしれませんが,迅速に対応します。サブスクリプションには2つの欠陥がありました。しかし,いまではすべての人に好まれているようです。なにかに支払いをするときに四半期ごとに変えるのは,より論理的な方法です」
四半期ごとの更新はおそらくUnityが現在通過している最も大きな変更だろう。3月末にリリースされたバージョン5.6でUnity 5系列は終了となり,現在はUnity 2017の最初のリリースに向けて準備を進めている。年数の部分が12か月ごとに更新されるのかどうか ―Unity 2018やUnity 2019など― は未確認だ。しかし関連はある。以前はUnityのライフサイクルが複数年にわたっていた。Riccitiello氏と彼のチームは,現在,新バージョンをより価値のあるものに見せるため,毎年重要なオーバーホールを提供するようなプレッシャーの下にいるのだろうか?
「我々は,Unity 4の全期間でやったのよりも多くをUnity 5.6でお届けします」と氏は語る。「私が言わんとしているのは,それを計測する方法がないということです。長い間,Unityは比較的小規模の開発で運営されていました。100人に満たない開発者がコア技術の開発ににフォーカスしていたのです。我々は現在,それよりも何倍も大きくなっています。我々は非常にたくさんのコンテンツを作っています。四半期ごとのリリースはメジャーアップデートです」
「これで我々は2つの愚かなことをしなくて済むようになりました。つまりなにかを売ろうとして次の大型エディションのためになにかを取っておくようなことです。今では,なにか準備ができたらただちに発表します。そのようにする理由の一部は,我々が非常に多くのプラットフォームをサポートしているからです。Unity 3の頃には我々は4つのプラットフォームをサポートしていました。今は30以上です。AppleはMacOSにMetalを持ってきましたが,開発者にUnity 6までサポートを待ってくれと言えますか? 我々なら次の四半期に投入します」
そうであっても,四半期ごとのインクリメンタルアップデートはUnityの重要な大規模アップデートを制限しないだろうか? Unity 5のローンチはUnity 4を超える重大な進化だとすぐに認識できたので多くのデベロッパの行動を喚起した。
「我々は販売に何の問題も抱えていませんよ」とRiccitielloは語る。「あなたはそれを使わないデベロッパを想像できますか? 我々は新規ユーザーの獲得でなんに問題も抱えていません」
※本記事はGamesIndustry.bizとのライセンス契約のもとで翻訳されています(元記事はこちら)